Strangers

Words & Music by Dave Davies.
(1970年発表)







(原題直訳 「見ず知らずの人間たち」)







歌詞は、次のURLから、
http://www.sing365.com/music/lyric.nsf/Strangers-lyrics-kinks/5C30C0CD15E61A5748256A0A00111A46







From The Kinks album,
"Lola Versus Powerman And The Moneygoround, Part One".

名作アルバム度 ☆☆☆☆



アルバム「ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組 第1回戦」(キンクス)より






Also on the Norah Jones album, "The Fall". *1

名作アルバム度 ☆☆☆



アルバム「ザ・フォール(デラックス・エディション)」(ノラ・ジョーンズ








名曲度 ☆☆☆ *2








邦題「見知らぬ人」 (キンクス









Where are you going I don't mind
あんたがどこに行くつもりか、ぼくはどうでもいい
I've killed my world and I've killed my time
ぼくは自分の世界をだいなしにしてしまったし
自分の時間を無駄に潰していた
So where do I go?
というわけで ぼくはどこに行くのだろう?
What do I see?
ぼくに何が見えるだろう?
I see many people coming after me
ぼくの後からたくさんの人間がついてくるのがぼくには見える
So where are you going to I don't mind
といっても きみたちがどこに行くつもりなのか、ぼくにはどうでもいい
If I live too long I'm afraid I'll die
もしも、ぼくが長く生きすぎれば
残念ながら ぼくは死んでしまうことになる
So I will follow you wherever you go
だから、ぼくはどこだろうときみの行くところについていこう
If your offered hand is still open to me
きみが差し延べてくれた手は
まだこのぼくに向けて開かれているのだろうか?
Strangers on this road we are on
ぼくたちがその上にいるこの道で見ず知らずの人間同士
We are not two, we are one
ぼくたちはふたつものじゃない
ぼくたちはひとつなんだ




So you've been where I've just come
From the land that brings losers on
というわけで、きみがいたのは
ぼくがいま出て来た敗北者たちを輩出する土地
So we will share this road we walk
だから、ぼくたちは
自分たちが歩いているこの道をともに分かち合うことになるだろう
And mind our mouths and beware our talk
そう、ぼくたちは自分たちの口に心しよう、
そして自分たちがしゃべることに用心するんだ
'Till peace we find tell you what I'll do
ぼくたちに安らぎが見えてくるまで
ぼくは自分が何をするのかをきみに伝えよう
All the things I own I will share with you
ぼくが持ってるすべてのものを
ぼくはきみと分かち合おう
And if I feel tomorrow like I feel today
そして、もしも、ぼくがこの今日を感じているように
明日という日を感じられたら
We'll take what we want and give the rest away
ぼくらは自分たちが欲しているものを手するだろう
そして残りはくれてやってしまうだろう
Strangers on this road we are on
ぼくたちがいるこの道で見ず知らずの人間同士
We are not two, we are one
ぼくたちはふたつのものでなく
ぼくたちはひとつのものなのだ




Holy man and holy priest
聖なる人間に聖なる僧侶
This love of life makes me weak at my knees
生涯のこの愛がぼくを膝元から弱くしてしまう
And when we get there make your play
そして、ぼくらがそこにたどり着けば
あなたがたの筋書きどおりの効果になる
'Cos soon I feel you're gonna carry us away
なぜなら、すぐにぼくは
自分たちがあなたがたに連れ去られることになるという気がするからだ
In a promised lie you made us believe
あなたがたがこのぼくらを信じ込ませしまった約束されたその嘘の中には
For many men there is so much grief
そこにいる多くの人間たちにとって
実にたくさんの悲しみがあるものだ
And my mind is proud but it aches with rage
そして、ぼくの心は誇らしいが、しかし心は怒りで疼いている
And if I live too long I'm afraid I'll die
そして、もしぼくが長生きしすぎれば
ぼくは残念ながら死んでしまうことになる
Strangers on this road we are on
ぼくらがいるこの道の見ず知らず人間たちよ
We are not two, we are one
ぼくたちはふたつのものでなく
ぼくたちはひとつのものなのだ




Strangers on this road we are on
ぼくたちのいるこの道で見ず知らずの人間同士
We are not two, we are one
ぼくたちはふたつのものでなく
ぼくたちは一体(ルビ=ひとつ)なのだ









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 053110







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デイヴ・デイヴィス作のこの歌が、はじめからこのアルバムのプロットを構成すべく書かれた作品かどうかは大いに疑問があるところだが、それだけこの歌はアルバムの作品世界内部を構成するよりも、むしろ1個のただの歌としてアルバムの作品世界からは自由に(アルバムの作品世界の)外を向いている。そして、それが かえって(冒頭の歌「コンテンダーズ」で歌われていた)(主人公が自分で見なければならないと自覚し意志していた)外の世界を見事にこの物語に提供するかたちになっている。


「外の世界」とは、それは「見ず知らずの人間たち」(ルビ=ストレンジャーズ)として、まず、人には経験されるというわけだ。


そして、この歌で注目すべきは、



We are not two, we are one

ぼくたちはふたつのものでなく、ぼくたちはひとつなのだ



と主人公が「自分」とその「見ず知らずの人間たち」とを「ふたつ」のべつのものでなく、「ひとつ」のものと見ようとしていることだ。
それが繰り返し、この歌で歌われている。


そして、もうひとつプロットの進行上、心にとめておくとよいかもしれないのが、このライン・・・・・・・、



If your offered hand is still open to me

きみが差し延べてくれた手は
まだこのぼくに向けて開かれているのだろうか?




そう、すでにこんなふうにして物語の主人公の「見ず知らずの人間」たちとの間で

いくつかの心に残る(もしくは、忘れがたい)接触(ルビ=やりとり)を経験していることを、わたしたちはこのラインから聞かされるのだ。





そして、この匿名の主人公は、
冒頭の「コンテダーズ」で歌っていた自分の「道」(ルビ=やりかた)を通すべく、
ロンドンの最大の歓楽街ソーホーのすぐ近くにある「デンマーク・ストリート」という通りを訪れる・・・・・。



(以下、次回につづく>>>>オタノシーミー、シーユー♪)






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【Years Ago−Go!】




しばらく、連日、レイ・デイヴィスとその一統たるキンクスダブルプレーがつづきますね!
わーい、嬉P♪ ホント、これ、計画してのことじゃないんですよ、
自然にこういう巡り合わせに展開してきただけのです。
わたしはただ決断して それに乗ってみているだけなのです。
Yes, this must be something celbration going on !!




(1年前のエントリーを Playback♪)





THE KINKS「不良少年のメロディ〜愛の鞭への傾向と対策」全曲訳(1) ☆



・「思い出のスクール・デイズ」 (キンクス
  (Schooldays
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070129







(2年前のエントリーも Playback♪)






・「アマゾナ」 (ロキシー・ミュージック
  (Amazona)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060129





(3年前のエントリーも Playback♪)






・「ソウル・キッチン」 (ドアーズ)
  (Soul Kitchen)
・「ブレーク・オン・スルー」 (ドアーズ)
  (Break On Through (To The Other Side) )
・「アラバマ・ソング」 (ドアーズ)
  (Alabama Song (Whisky Bar) )
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050129











*1:2009年に発表されたノラ・ジョーンズのアルバム第4作、その「デラックス版」と称するものにはもう1枚(マンハッタンの「ザ・リヴィングルーム」で収録した)ライヴ・アルバムがセットされていて、デイヴ・デイヴィス作のきょうのこの歌は、そのディスク2のラストを飾っている。、

*2:デイヴ・デイヴィスのキンクス時代の作品はそれほど多くが発表されているわけではないが、きょうのこの歌は(世評高い大ヒットした)「道化師の死」よりも(レコーディングされたトラックとしては劣るけれども)(わたしにはほとんど奇跡に近い(といったらDD氏には失礼になるが))傑作だと思いますね。