Rock And Roll, Hoochie Koo

Words & Music by Rick Derringer. *1
(1970年発表) *2






(原題直訳 「ロックンロール、フーチークー」)*3







歌詞は、次のURLから、
http://www.lyricstime.com/johnny-winter-rock-and-roll-hoochie-koo-lyrics.html






From the Johnny Winter album, "Johnny Winter And".

名作アルバム度 ☆☆☆☆



アルバム「ジョニー・ウィンター・アンド」(ジョニー・ウィンター・アンド)より





Also on the Rick Derringer album, "All American Boy". *4

名作アルバム度 ☆☆☆☆



アルバム「オール・アメリカン・ボーイ」(リック・デリンジャー)より






Also on the Edgar Winter's White Trash album, "Roadwork".  *5

名作アルバム度 ☆☆☆



アルバム「ロードワーク」(エドガー・ウィンターズ・ホワイト・トラッシュ)より







名曲度 ☆☆☆☆☆







邦題「ロックンロール・フーチー・クー」 (ジョニー・ウィンター・アンド) *6








I couldn't stop moving when it first took hold
初めてそいつにとっつかまってしまったとき
おれはからだが動くのが止まらなかったね
It was a warm spring night in the ol' town hall
あれはある暖かい春の日の 市の古ぼけた公会堂でのことだった
There was a band called The Jokers, *7
ジョーカーズってバンドが出てたんだ
They were layin' it down
そいつらかなりのことをやってたんだ
Don'tcha know I'm never gonna lose that funky sound
あのファンキーな音(ルビ=サウンド)を
おれがどうしたって聞き逃すはずがないってことは
おまえだってわかってるよな




Hey,
そうなんだよ
Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールさ、フーチークーなんだ
Lawdy Mama, light my fuse  *8
ローディ・ママ、おれのフューズを煌々とさせてくれ
Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールなんだ、フーチークーだぜ
Truck on out and spread the news
このまま外へ繰り出して、
そして、この知らせを広めるんだ




Alright!
いいぞ!




Hope ya'll know what I'm talkin' about
おれが何のことを言ってるのが、
いずれ、あんたらもわかってくれるのを願ってるぜ
The way she wiggle that thing, *9
あの女がからだを小刻みに揺するその様ときたら
It really knocks me out
あれには、ホント、おれは仰天させられたぜ
Gettin' high all the time,
ずうっとハイな状態になってるんだ
If you're not, ya'll too
もしも、おまえがそうじゃなくても、
おまえだってそうなってくるのさ
Well, come-on a little closer,
なあ、もうちょっと近くに来いよ
Gonna do what you do
おまえだって、やることになってくるのさ


*10



Yeah,
そうよ
Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールさ、フーチークーなんだぜ
Lawdy mama, light my fuse
ローディ・ママ、おれのフューズを赤々とさせてくれ
Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールなのさ、フーチークーなんだぜ
Truck on out and spread the news
このまま外へと繰り出して、このニュースを広めるんだ



Yeah
イェーイ




The skeeters start buzzing 'bout this time o' year
毎年、この時期になると
蚊の銃士隊がブンブン飛び回り出しやがってな
So I'm goin' round back,
いかにも、おれは裏手の方へとまわってくとこさ
She said she'd meet me there
彼女がそこで会いましょって言ったんだ
We were rollin' in the grass that grows behind the barn
納屋の裏に生い茂った草むらの中で おれたちは転がってたってわけなのさ
Know my ears started breakin' like a fire alarm *11
耳の奥がもう火災報知機みたいに
けたたましく鳴りはじめてるのがわかるんだ




Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールさ、フーチークーだぜ
Lawdy mama, light my fuse
ローディ・ママ、おれのフューズを煌々とさせてくれ
Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールだぜ、フーチークーなんだ
Truck on out and spread the news
このまま外へと繰り出して、
そして、この知らせを広めるんだ




Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールさ、フーチークーだぜ
Lawdy mama, light my fuse
ローディ・ママ、おれのフューズを赤々と煌々とさせてくれ
Rock and roll, Hoochie Koo
ロックンロールだ、フーチークーだぜ
Truck on out and spread the news
このまま外へと繰り出して、この知らせを広めるんだ
Don't get tired of payin' dues
借りを返すようなことに疲れたりしちゃいけないぜ
Say goodbye to all my blues
おれのすべての憂鬱(ルビ=ブルース)にさよならを言ってやるんだ




Lawdy mama, light my fuse
ローディ・ママ、おれのフューズを赤々とさせてくれ




Oh, yeah
うーん、そうさ







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 050510








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そうです、この「フーチークー」も摩訶不思議なる超強力なブルース・パワーのひとつなのです。
ほかにも(ロックンロールの原動力となる?)ブルース・パワーに「モージョ」Mojo と呼ばれるものがありますね。
マディ・ウォ-ターズの名作「おれのモージョが作動してるぜ(Got My Mojo Workin')」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050611#p2 に歌われているものです。
おそらく、こうした「ブルース・パワー」といったものは、西欧的な「知」の表現で言うならば、
(話がつまらなくなってしまうかもしれませんが)それは「リビドー」といったものになってしまうのでしょうね。



いずれにせよ、
「根源的な生への欲求」とでも言っておこうか。



そういえば、リロイ・ジョーンズという(1960年代に活躍した)アメリカの詩人で小説や劇作ももののにする評論家は
「ブルース衝動」blues implse という鍵となる言葉を使って、
ブルースとして形成されたアフリカ起源の音楽のその展開や、そこから発展していったジャズのその後の発展、さらには、やはりブルースから派生したリズム&ブルースやロックンロールなど広くアメリカのブラック・ミュージックを考察した「ブルース・ピープル」という評論を著している。*12





ということで、



【Al-Ready Steady Go-ne,and remains eternally, heh(その6)】




最近のここの流れに即した歌なのに
すでにべつの流れの中で ここに登場してしまった曲を
何回かに分けて、あらためてここで紹介していこうというものです。





・「スターマン」 (デヴィッド・ボウイ
(Starman)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050712



・「屈折する星くず」  (デヴィッド・ボウイ
(Ziggy Stardust)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050717



・「レディ・スターダスト」 (デヴィッド・ボウイ
(Lady Stardust)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050714



・「君の意志のままに」 (デヴィッド・ボウイ
(Hang On To Yourself)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050716



・「スター」 (デヴィッド・ボウイ
(Star)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050715



・「ロックンロールの自殺者」 (デヴィッド・ボウイ
(Rock 'N' Roll Suicide)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050719







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【Years Ago−Go!】







(1年前のエントリーを Playback♪)





・「ハッピー・ジャック」 (ザ・フー
  (Happy Jack)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070111






(2年前のエントリーも Playback♪)





・「悪魔を憐れむ歌」 (ローリングストーンズ)
  (Sympathy For The Devil)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060111






(3年前のエントリーも Playback♪)





・「ルビー・チューズデー」 (ローリング・ストーンズ
  (Rubby Tuesday)
・「チューズデー・モーニング」 (ポーグス)
  (Tuesday Morning)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050111

*1:作者のリック・デリンジャーは(言うまでもなく)「ハング・オン・スルーピーhttp://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20061016 や(リッチー・ヴァランスのヒットのリヴァイヴァルの)「カモン・レッツ・ゴー」などのヒットで知られるマッコイズのフロント・ボーイとして自身もスターだったが、この時期はジョニー・ウィンター・アンドのサイド・ギター兼バック・ヴォーカルとして(同じマッコイズのベースとドラムス(実弟)とともに)パーマネントなメンバーとしてジョニー・ウィンターに合流、この歌でもギターとコーラスを聴かせ、歌も5曲を提供している。

*2:下記のとおり、その後1973年に発表された作者デリンジャー自身のソロ・アルバム第1作「オール・アメリカン・ボーイ」には、アルバムのトップに新たなレコーディングで自身の歌とギターをフィーチャーしたこの「ロックンロール・フーチー・クー」がラインナップされ、以後、きょうのこの歌は今日にいたるまでリック・ディリンジャーの代名詞というべきイニシャル・バンバーとなっている。

*3:「hoochie koo」は「hoochie coo」と綴られ、また、よちくだけたかたちで「フーチー・クーチー」hoochie koochie)とも呼ばれる、いわば超自然的なスーパーパワーで、この超越的で不可解な(ある意味、呪術的なとも言えそうな)力は、主として(さすがブルースというか、いかにもブルースの世界らしく)もっぱら「酒」と「女」と(たぶん)「博打」にその威力を発揮するものと信じられているw。マディ・ウォーターズのブルースの名作「フーチークーチー・マン( (I'm your) Hoochie Coochie Man )」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050611 のところで(同様の「モジョ・ワーキン」や「セヴンス・サン」と並んで)解説部分や註で(まあまあ詳しく)紹介してあるので、よろしければそちらをご参照ください。また、19世紀末のアメリカで(1893年のシカゴ万博の際に)「フーチークーチー」と呼ばれる淫靡なダンスが流行し、マディの「フーチークーチー・マン」もその流行を当て込んだ副産物のひとつだとも言われている。マニアはどうぞお調べください ンデオセーテ。

*4:1973年に発表したリック・デリンジャーの最初のソロ・アルバム。ジョー・ウォルシュエドガー・ウィンター、デイヴィッド・ブロムバーグ、ボビー・コルドウェル、ジョー・ヴィターレといったすごい名前が参加メンバーとしてクレジットされている。なお、この歌の初出であるアルバム「ジョニー・ウィンター・アンド」とは歌詞の段落が入れ替わっていたり、細部に異同があるが、それについてはその都度、註を附しておいたので必要とあらばどうぞご参照ください。

*5:エドガー・ウィンター(ジョニーの実弟のキーボード奏者)が1972年に発表したアルバムだが、このホワイト・トラッシュというグループにもリック・デリンジャーはギターとヴォーカルで参加している。なお、このアルバムからは、すでに「バック・イン・ザ・USA」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060405 と「タバコ・ロードhttp://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050421 がここで紹介されていますので、よろしければどうぞ♪

*6:そして、明日、ご紹介する歌との照応ぶりによって、その歌を鏡にさらにまたこの歌がよく聞こえてくりょうになるでしょう。明日をまたお楽しみに♪

*7:作者のデリンジャー版では(「band」ではなく)「group」という語で歌われている。ジョーカーズというバンドについては(未確認だがw)おそらく架空のものと考えてよいだろう。

*8:とりあえず、そのまま「ローディ・ママ」と呼びかけ風にしておいたが、この「Lawdy Mama」というフレーズはロイド・プライスのヒットなどで知られるリズム&ブルースの(あるいはロックンロールの)古典的な名作「Lawdy Miss Cloudy」を想起させるが・・・・・?

*9:ディリンジャー版では「they」となっていて「みんながからだを小刻みに揺するその様ときたら」と歌っている。

*10:デリンジャー版では上記のこの歌詞(ルビ=ヴァース)がこの後の(コーラス部分のあとの)3番目のヴァース部分にまわり、3番の歌詞がここで(すなわち2番として)歌われている。おそらく、作者のディリンジャーとしては、そっちを先に歌うほうが(この歌としての)何か強烈なものをより鮮やかにアピールできると考えたのだろう。(ストーリーというほどでもないが)歌の「語り」という観点からすれば、やはり(ここで採用した)ジョニー・ウィンター・アンド版の構成のほうが(わたしには)筋が通ったものと思えるが、破綻調もwまたロックンロールであることを考えると実に優劣はつけるものではないだろうハッハッハッ。

*11:ディリンジャー版では「When my ears started ringin」と歌われ、「耳の奥で(火災報知機みたいに)鳴り出したとき」になって草むらの中でコトに至ったと歌われている。

*12:邦訳は新旧二種類がこれまでに刊行されており、旧訳の邦題は「ブルースの魂」という題になっている。なお、著者のジョーンズは、現在では「アリミ・バラカ」というモスレムの名前を名乗っている。