Vera

Words & Music by Roger Waters.
(1979年発表)



(原題直訳 「ヴィーラ」(人名))*1





From The Pink Floyd album, "The Wall".
名作アルバム度 ☆☆☆

ザ・ウォール」 (ピンク・フロイド




歌詞は、次のURLから
http://www.pink-floyd-lyrics.com/html/vera-wall-lyrics.html




邦題 「ヴィーラ」 (ピンク・フロイド







Does anybody here remember Vera Lynn?
ここにいる誰かで
ヴィーラ・リンのことを覚えている人はいるかい?
Remember how she said that
彼女のあの言い方を覚えてるかい
We would meet again*2
あたしたちはまた会うわ
Some sunny day?
いつかよく晴れた日に*3




Vera! Vera!
ヴィーラ! 
ヴィーラ!
What has become of you?
きみはどうしてしまったんだい?
Does anybody else here
誰か、ほかにここに
Feel the way I do?
ぼくと同じ気持ちに
なっている人はいないかい?




(曲の終わりの軍楽隊の小太鼓のリズムがそのまま次の曲へとつづいていく)





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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この曲のタイトルになっている「ヴィーラ」は、第二次世界大戦中にイギリスや戦地ののイギリス軍兵士に人気のあった女性歌手のヴィーラ・リン(Vera Lynn 1917- )のこと。
戦時中、前線の兵士に内地からのメッセージを紹介するBBCラジオの番組「Sincerely Yours」(日本語の「敬具」にあたる手紙の末尾の定型文である「心からあなたのもの」という意味の番組タイトル)で司会役を務め、前線の兵士たちの間で人気を博し、1944年にはビルマ戦線を訪れ、野外の慰問公演を行ったり、戦時中に3本の映画に主演するなど「ヴィーラ」という名前は戦中のイギリスを知る人には忘れがたい名前である。




Remember how she said that
We would meet again
Some sunny day?


彼女のあの言い方を覚えてるかい
あたしたちはまた会うわ
いつかよく晴れた日に



という一節は、ヴィーラ・リンの戦時中のヒット曲(で彼女が主演した映画のタイトルでもある)「We'll Meet Again」の歌詞の一節、そのくだりは、




We'll meet again,
わたしたちはまた会うわ
Don't know where,
どこでかはわからない
Don't know when,
いつのことかもわからない
But I know
だけど、わたしにはわかるの
We'll meet again
わたしたちはまた会うわ
Some sunny day.
いつの日かよく晴れた日に




というもので、戦争で父親を失ったこの物語の主人公ピンク(やその作者であるロジャー・ウォータズ)にとっては、この歌詞もまた「壁」を作る煉瓦のひとつとなるようなフレーズに聴こえたかもしれない。

(なお、スタンリー・キューブリック監督の不朽の名作「博士の異常な愛情」のラストで流れていたのが、まさにヴィーラ・リンのこの歌だ(と言えば、映画ファンには(「なるほど」と)また新たに興味を深めるトリヴィアルな知識を増やすことになるだろう)。)


(ついでに)アラン・パーカー監督の映画化による映画版の「ザ・ウォール」の冒頭のホテルの廊下の場面で流れていていた物悲しいバラードも、このヴィーラ・リンのヒット曲のひとつ「The Little Boy that Santa Forgot」(サンタが忘れた可愛い坊や)だ。

*1:第二次世界大戦中にイギリスや前線のイギリス軍兵士に人気のあった女性歌手のヴィーラ・リン(Vera Lynn)のこと。

*2:ヴィーラ・リンの戦時中のヒット曲「We'll Meet Again」の歌詞の一節に照応する。詳しくは本日の本文参照。

*3:同じくこれもヴィーラ・リンのヒット曲「We'll Meet Again」の歌詞の一節。