Chelsea Girls

Words & Music by Lou Reed and Sterling Morrison.
(1967年発表)







(原題直訳 「チェルシーの女たち」) *1








歌詞は、次のURLから、
http://lyrics.astraweb.com/displayp.cgi?f=nico..chelsea_girl..chelsea_girls






From the Nico album, "Chelsea Girl". *2
名作アルバム度 ☆☆



チェルシー・ガール」 (ニコ) *3






名曲度 ☆☆






邦題「チェルシー・ガールズ」 (ニコ)










Here's Room 506
これが506号室
It's enough to make you sick
ヒトを不快にさせるには十分だわ
Bridget's all wrapped up in foil *4
ブリジットったら、全部、ホイルで覆ってしまっているの
You wonder if she can uncoil.
彼女がちゃんと外せるのか、みんな、気がかり




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
さあ、あの連中が映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls *5
チェルシー・ホテルの女たちよ




Here's Room 115
これが115号室
Filled with S & M queens
SMの女王さまたちでいっぱいよ
Magic Marker row
リハではその気にならないコたちばっかりよ
You wonder just how high they go.
みんなが気になるのは
ズバリ、あのコたちがどれだけとんでもないことをやり出すかね




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
あの連中が いま映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ




Here's Pope dear Ondine *6
ここにいるのが法王、愛しのオンディーヌよ
Rona's treated him so mean *7
ロナったら、ひどく邪険にこのヒトを扱って
She wants another scene
彼女はべつのシーンを撮りたがってる
She wants to be a human being.
彼女は人間としてありたいのよ




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
あの連中が いま映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ




Pepper she's having fun *8
ペッパーは、楽しくやってるわ
She thinks she's some man's son
彼女の頭の中にあるのは、自分があるお偉いさんの息子だということ
Her perfect loves don't last
あのコの完璧な愛は続きはしない
Her future died in someone's past.
彼女の将来は、
そのとある立派な人物の過去の中で死んじゃってるのよ




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
あの連中が いま映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ




Dear Ingrid's found her lick *9
愛すべきイングリッドは自分の転機を見つけたわ
She's turned another trick
彼女はまた次の仕掛けに乗っかった
Her treats and times revolve
彼女の喜び、そして時は巡り
She's got problems to be solved
彼女は解決すべきいろんな問題を抱えてる




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
あの連中が いま映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ




Poor Mary, she's uptight *10
可哀想なメアリーったら、彼女は緊張してるわ
She can't turn out her light
彼女、自分の明りを消せないのよ
She rolled Susan in a ball *11
彼女、ある乱痴気騒ぎで スーザンとしてしまったものだから
And now she can't see her at all
そう、いまじゃ、彼女ったら、全然、あのコに会えなくなっちゃってる





Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
あの連中が いま映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ




Dropout, she's in a fix,
ドロップアウト、彼女、注射でキメてるわね
Amphetamine has made her sick
アンフェタミンのせいで具合が悪くなってるわ
White powder in the air
宙に舞う白い粉
She's got no bones and can't be scared
彼女には芯がないから、怖がることもできないのよ




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
あの連中が いま映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ




Here comes Johnny Bore,
さあ、ジョニー・ボアが出て来たわ
He collapsed on the floor
あのヒト、ゆかの上で昏倒したのよ
They shot him up with milk
ヤツらがミルクを彼に注射したのよ
And when he died sold him for silk
そう、彼が死んだとき、
シルクと引き換えに売りつけたのよ




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
さあ、あの連中が映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ




Here they come now
ほーら、出て来た、あの連中よ
See them run now
ご覧なさい、
さあ、あの連中が映っているのを
Here they come now
ほーら、あのヒトたちの登場よ
Chelsea Girls
チェルシーの女たちよ










Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 120909









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【Years Ago−Go!】








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・「ロクサーヌ」 (ポリス)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060918







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・「ワイルド・ウエスト・エンド」 (ダイアー・ストレイツ

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050918

*1:チェルシー」とは、ニューヨーク、マンハッタンの西23丁目にある「チェルシー・ホテル」のこと。ホテルといっても実質的には全室が長期の客で、言わばアパートのような状態で、1883年の開業以来、ここを住まいとしてきた作家、詩人、思想家、芸術家、俳優、ミュージシャンの名前は枚挙にいとまがない。きょうのこの歌は、そのチェルシー・ホテルを舞台にアンディー・ウォーホルが自らのスーパースターたちを配して(「興行的に大成功を収めた唯一のアンダーグランド。シネマ」と評されている(!))監督した1966年公開の映画「チェルシー・ガールズ」を(題材として)歌ったもので、きょうのこの歌のタイトルはそこから来たタイトルだ。(そして、(この歌を歌っているニコもまたそのひとりであった(アンディ・ウォーホルの)「スーパースター」とは(当時はまだ(例えば)ローリングストーンズやマドンナなどスターの中のスター、スターのグランドチャンピオン、すなわち横綱級(?)の不滅のスターを指す言葉としては世界には流通しておらず)(また、アンドリュー・ロイド・ウェバーティム・ライスによる1971年にニューヨーク初演の名作ミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」以前には(アハハ、これぞ「紀元前」の「スーパースーター」になるわけだが)、当時の人類社会にあっては、この(紀元前の)「スーパースター」なる語は単にアンディー・ウォーホルの16ミリ・フィルムによる(いわゆる)アンダーグランド映画(と呼ばれた映画)の主演級の出演者たちという意味をしか持っていなかった。)(このあたりのことについては、必要があれば、また、いずれ詳しく述べたり、また物語ったりするとして)、したがって、きょうのこの歌は、ウォーホルのその映画を歌った歌であって、けっしてウォーホルのその映画で使われた歌ではない、(この同じことをあらためて、もう一度、変奏するならば)、きょうのこの歌を歌っているニコ自身(ヴェルヴェットやファクトリーでの日々以前にフェデリコ・フェリーの不朽の名作「甘い生活」の終わりの方にドイツ人娘の役で出演している女優としての経歴の持ち主ではあるが)、ウォーホルのこの映画には(当時はまだ幼かった)愛児とともにニコ自身として出演しており、さらにまた(そのシークェンスとはべつに映画の最後のシークェスでも)、いかにもアンニュイなこのニコの表情が延々と映し出されているのだが(ジャケット(画像参照)のバックのモノトーンの(大きなほうの)ニコの映像はフィルムからのもののように(わたしには)見えるが)、映画の中では、ニコが歌うきょうのこの歌が流れているわけではけっしてない。すなわち映画が先で歌がそれにつづいた。そんな歌をわたしたちは以前にもここでアーサー・ペン監督の(実録物の映画の)名作「俺たちはに明日はない」Bonnie And Clyde (1967年)を歌ったジョージィ・フェイムのヒット曲「ボニーとクライドのバラード」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060119 で聴いている。

*2:ニコの最初のソロアルバムであるこのアルバムには、同じヴェルヴェット・アンダーグランドのルー・リードジョン・ケールは勿論のこと、(ごく初期のニッティ・グリティ・ダート・バンドのメンバーでグループとは別個にソングライターとしても注目を集めていた(まだ(イーグルズによる1973年の世界的な大ヒットとなった)名曲「テイク・イット・イージー」以前の)カリフォルニアのシンガー・ソングライターの)ジャクソン・ブラウン、さらにはティム・ハーデン、ボブ・ディランの名前が並んでいることに人は注目/注耳することだろう。ことにブラウンの歌はアルバムのトップと2曲目を飾るもので、その起用がニコによるものなのか、あるいは(おそらくそうなのだろうが)(ディランのアルバムのプロデューサーでもある)トム・ウィルソン(がアルバムの企画を受けて)の発案だったのか・・・・? ブラウンは、またリード、ケールらとともにギタリストとしてもこのアルバムのレコーディングに参加していることも記しておこうか。

*3:そうです、アルバム・タイトルは(あたかも、それがニコ自身を指すかのように単数形の)「チェルシー・ガール」、そして、歌のタイトルは複数形の「チェルシー・ガールズ」であること。

*4:ウォーホルのファクトリーの常連のブリジット・ポーク(=ブリジット・バーリン)のことだろう。彼女がチェルシー・ホテルのその部屋をアルミ・ホイルで覆っていたのは、おそらく当時のウォーホルのファクトリーが(ビリー・ネームのアイデアで)壁も天井もホイルですっかり銀色に覆われていたのに倣ったものだろう。

*5:ここで言う「ガールズ」が性別としての「女たち」ばかりではないことは、追って知ることになるだろう。すなわち、この歌の「女たち」や「彼女」にはゲイやバイセクシュアルや女装マニアといった(非=男性なるもの)もまた含まれておるんでっせと。

*6:「法王」(=ローマ法王)というニックネームで呼ばれていたのが、詩人で俳優の「オンディーヌ」という(当時のニューヨークのアンダーグラウンド・シーンでは有名な)ハンサムなゲイの男性で、映画の中でももっともインパクトの強い時間を作り出していたのがこのオンディーヌの存在だった。そして、いま、思いついたのだが、先日のジョン・レノンの歌「ニューヨーク・シティhttp://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070912の中でデイヴィッド・ピールというストリート・シンガーが歌っていた「法王は毎日ヤクを吹かしているぜ」の一節は、実は、このアンダーグランドの「法王」の現実を歌うことで、それをストリートというオン・ザ・グランドのレベルで巧妙に本物の「ローマ法王」をめぐるフィクションへと仕立て上げる実に優れた戦術的な歌詞ではなかったのかw!? ジョンのその歌の註を加筆しておいたので、興味のある方は上記のURLへどうぞご案内申し上げます。

*7:オンディーヌとの場面で共演している(と思われる)ロナ・ページのことだろう(と名前を記してみても何にもなりはしませんが)、しかし、ここでは「ロナ」を映画の脚本を書いたロナルド・タヴェルとしたほうが、実は歌われている言葉の"通り"はずっとよくなるように思うのだが、ロナルドを「ロナ」と呼ぶ通例はなく、また、タヴェルがファクトリー界隈で「ロナ」と呼ばれていた事実も見つからなかった。要するに、映画「チェルシー・ガールズ」を今回、あらためて参考試写すればもっといろいろと明らかになるのだろうが、あんな映画(それも3時間半の映画)をいままた見るなど、ちょっと想像するだけでもゲンナリと萎えてくるので、あえてここは怠慢を通させていただくことにする。いろいろとマニアの皆さんなどからのご指摘を請いたく思う。

*8:この「ペッパー」とはアンジェラ・ペパー・デイヴィス(と名前を記してみても何にもなりはしませんねw)。

*9:イーディ・セジウシックの離脱後にファクトリーの面々が「イーディによく似てる」ということでウォーホルの映画に使ったのが(その名も)イングリッド・スーパースターというこの女性。(映画「チェルシー・ガールズ」でもラストのシークェンスにはイーディのフーテージが充てられることになっていたが、彼女の離反によってそれが叶わず、しかたなくウォーホルは、そこに(きょうのこの歌を歌っている)ニコの無言の表情にさまざまな照明が当てられる長いシークェンスを(マルチスクリーンのかたちで)映画のラストに使っている。)

*10:この「メアリー」は、女優のメアリー・ウォロノフ。ウォーホルのスーパースターから(映画「ロックンロール・ハイスクール」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070220 の校長役など)既成の映画界で女優として成功した唯一の存在と言ってよいだろう。ウォーホールらとのファクトリーの時代を回想した回顧録の著書もある。

*11:今回、とくにあらためて映画「チェルシー・ガールズ」をチェックしたわけではないので、このメアリー・ウォロノフのくだりは(コトバの訳としては間違いではないのだが)(まだまだ他の意味にもとりうるフレーズでもあるので)(あくまでも、とりあえずの訳として、このかたちにするとして)後日、あらためて検討し直したく思いますので、そこはひとつ XQZ me。