The Moneygoround

Words & Music by Ray Davies.
(1970年発表)






(原題直訳 「マネーゴーラウンド」) *1







歌詞は、次のURLから、
http://www.lyricstime.com/kinks-the-moneygoround-lyrics.html







From The Kinks album,
"Lola Versus Powerman And The Moneygoround, Part One".

名作アルバム度 ☆☆☆☆




アルバム「ローラ対パワーマン,マネーゴーラウンド組 第1回戦」(キンクス)より







名曲度 ☆






邦題「マネーゴーラウンド」 (キンクス*2








Robert owes half to Grenville  *3
ロバートはグレンヴィルに半分借りがあった
Who in turn gave half to Larry
グレンヴィルは次に半分をラリーにやった
Who adored my instrumentals
ラリーは、このぼくの器楽演奏曲としての可能性に目をつけていたんで
And so he gave half to a foreign publisher
それで、彼はそうやって半分をある外国の出版権者に与えたのだった
He took half the money that was earned in some far distant land
その彼は、はるか彼方のどこかの国で
それが稼ぎ出したカネの半分を手にすることとあいなって
Gave back half to Larry
半分をラリーにバックしたのです
And I end up with half of goodness knows what
そして、このぼくは何が何だか半分もわけがわからぬままにいる始末




Oh, can somebody explain
あゝ、誰か説明できるやつはいるのかい?
Why things go on this way
どうしてこういうことになっちゃってるわけ?
I thought they were my friends
ぼくは、あの連中のことを自分の友達だと思ってたんだぜ
I can't believe it's me,
自分がこんなことになるなんて、ぼくには信じられない
I can't believe that I'm so green
自分がこんなにウブな人間だなんて、ぼくは信じられなくて




Eyes down round and round
しっかり目を向けて、グルグル、グルグル
Let's all sit and watch the moneygoround
さあ、みんなですわって、このマネーゴーランドをよく見ていよう
Everyone take a little bit here and a little bit there
みんなが ここでちょびっと、あそこでちょびっと取っている
Do they all deserve money from a song that they've never heard
自分たちが一度だって聞いたこともない歌が作り出したカネを受け取るなんて
あいつらにそんな資格があるんだろうか?
They don't know the tune
あいつらなんて、その曲を知らないんだぜ
And they don't know the words
そう、やつらは歌詞も知らないんだぜ
But they don't give a damn
なのに、あの連中ときたら、
そんなことなどへとも思っちゃいないんだ




There's no end to it
これには終点なんてありゃしない
I'm in a pit and I'm stuck in it
ぼくは観覧席にいて、そして、ぼくはそこにへばりついてるだけ
The money goes round and around and around
カネは回るよ、グルグルまわる、巡り巡ってグルグルまわる
And it comes out here
When they've all taken their share
そして、やつらが全部持っていく、そのやつらの分け前は
そこから出て来るものなのだ




I went to see a solicitor
ぼくは弁護士に会いに行ったよ
And my story was heard
そう、ぼくのこの話を聞いてもらったんだ
And the writs were served
そして、訴状が提出された
On the verge of a nervous breakdown
神経衰弱になるその瀬戸際で
I decided to fight right to the end
ぼくは最後まできちんと戦おうと決めたんだ
But if I ever get my money
だけど、ぼくが、かりに
自分のおカネを手にすることになったとしても
I'll be too old and grey to spend it
ぼくはそれは使うにはあまり年をとり過ぎて、
髪も白くなっちゃっていることだろう




Oh, but life goes on and on
あゝ、だけど、人生はどんどんつづいてく
And no one ever wins
そして、誰ひとり 勝つ者などはいないのだ 
And time goes quickly by just like the moneygoround
そして時間は、
まるであのマネーゴーランドのようなめまぐるしさで過ぎていく
I only hope that I'll survive
ぼくには、ただ自分が生き延びていくことを願うだけ









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 060410









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さて、サウンドは、またまた一転して、
再びヴォードヴィル調の軽いタッチで
まるでコマ落としのフィルムでも見るように
われらが匿名の主人公くんの歌がいかにカネを生むか
その「利権の構図」(ルビ=マネーゴーランド)が歌われています。

これは、まさに(きのうの第3回でやった)「トップ・オブ・ザ・ポップス」のエンディングで
事務所の社長が言っていた
「おまえ、これがどういうことかわかるか? 
「これは、つまり、おまえがちょっとばかり大金を稼げるようになったってことなんだぞ」
のまさにその言葉どおりの展開となっています。

そして、われらが匿名の主人公は、
そんな事態に心をすり減らしながらも
レコードがナンバーワンになったその大ヒットの勢いを駆って
忙しく長期ツアーの日々を送っているのでした・・・・・・


そのツアーの模様は、そして彼の心境は・・・・・?


さあ、このつづきは、また、どうぞ次回をお楽しみにシーミー、シーユー♪








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【Years Ago−Go!】





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THE KINKS「不良少年のメロディ〜愛の鞭への傾向と対策」全曲訳(4) ☆




・「初恋の頃」 (キンクス
  (The First Time We Fall In Love)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070201






(2年前のエントリーも Playback♪)




・「サムホエア」 (ミュージカル「ウェストサイド・ストーリー」より)
  (Somewhere)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060201





(3年前のエントリーも Playback♪)





・「ティーチ・ユア・チルドレン」 (クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)
  (Teach Your Children)
・「ティーチ・ミー・トゥナイト」 (サリナ・ジョーンズ
  (Teach Me Tonight)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050201

*1:もちろん、これは遊園地などのあのメリーゴーランドにかけたタイトルですね。「日本にもカネは天下の回りもの」というコトバがありますがチョット違いますねw。

*2:こうしたおカネの連鎖を歌った歌には、例えばラヴィン・スプーフルの「マネー」だとか、日本の上田正樹と有山淳司の「俺の借金全部でなんぼや」(三上寛・作詞)など、どう聴いても(おそらく1930年代あたりの)デルタ・ブルースにその原曲があるはずだとしか思えない共通の語りのスタイルがあって、残念ながら曲名までは特定できずにいるのだが、きょうのこのレイ・デイヴィスの「マネーゴーラウンド」も歌のはじまりはそうした定型(?)を戯画的に踏まえてみせている。(どなたかカントリー・ブルースに通じた方は(こうしたカネの連鎖にまつわる原曲について)どうぞwill ya kindly ご一報ください。

*3:よく映画や小説などに「この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等は架空のものであり、かりに同一のものが存在したとしてもそれは作者の意図せぬ偶然によるものであり・・・・」といったお決まりの断り書きがあるけれども、きょうのこの歌に登場する名前は、あろうことか、いずれもキンクス周辺のビジネス関係者のものばかり。(うーん、とても「意図せぬ偶然」とは思えませんが)「ロバート」と「グレンヴィル」は、キンクスがまだレーヴンズを名乗っていた当時、お金持ちのダンス・パーティなどで小遣い稼ぎをしていたセミプロ・バンドのころからのマネージャーのコンビ、ロバート・ウェースとグレンヴィル・コリンズの名前と(偶然にもw)符合する。このふたりの人物は、それぞれ印刷会社の社長の息子とその友人の株式仲買人で、どちらもバンドのマネージャーとしてはまったくの素人だったが、ただ、上品な物腰と教養があってちゃんとした口が利けて、そしてけっこうカネを持ってるというそんな理由でレイ・デイヴィスからグループのマネージメントを託されたのだった。しかし、素人の彼らには音楽業界に利く顔も実績もなかったことから、ふたりはキンクスのメジャー・デビューのためにすでにイギリスの音楽業界でその名を知られていたラリー・ページという敏腕の大物マネージャーと組むことにした・・・・それが、この歌の次のラインに登場する「ラリー」という名前に(偶然にも?)また重なることになるw。