Mau Mau (Amerikon)

Words & Music by Paul Kantner, Grace Slick and Joey Covington.
(1970年発表)




(原題直訳 「マウマウ団」(アメリコ人))*1




From Paul Kantner akbum, "Blows Against The Empire".

名作アルバム度 ☆☆☆

「造反の美学」 (ポール・カントナー)





歌詞は、次のURLから
http://www.houseoflyrics.com/d/artists/paul_kantner/songs/mau_mau.html





名曲度 ☆☆





邦題不詳







Put your old ladies back into bed
あんたらのおいぼれ女はベッドの中に追い返せ
Your old men back into their graves
あんたらのおいぼれ男は墓の中に追い返せ
Cover their ears so they can't hear us sing
やつらの耳をふさいでやれ
そうすりゃ、やつらもおれたちが歌うのを聞かずにすむ
Cover their eyes so that can't see us play
やつらの目を覆ってやれ
そうすりゃ、やつらもおれたちが遊びまくるのを見なくてすむ
Get out of the way
道から外れてしまうんだ
Let the people play
みんなを遊ばせろ
We're gonna get down on you
おれたちは、おまえらがおもしろくねえ
Come alive all over you
おまえらの上で生きまくってやる
Dancin' down into your town
踊りまくりながら
おまえらの町になだれ込んでやる




Tyrannosaurus Rex was destroyed before
恐竜ティラノザウルは絶滅したんだぜ
By a furry little ball that crawled along
怒れる小さな踊る球体が地を這うようにやって来たからだ
The primeval jungle floor
太古の密林の地を這って
And he stole the eggs of the dinosaur
それで、そいつが恐竜の卵を盗んでまわった
Close your eyes and create the sound
瞳を閉じろ、音響を創り出せ
Open your hands and rebuild the ground
手を開くんだ、大地をもう一度、立て直せ
We are egg snatchers
ぼくらは卵を掠める者どもだ
Flashin' sunshine children
燦めきまくる太陽の光の子供たち*2
Diamond thieves
ダイアモンドの窃盗団だ




You unlease the dogs
おまえらは犬を放つ
of a grade-B movie star governor's war
B級映画のスターの州知事*3の戦争の犬どもを
While you sit in the dark -
おまえらが暗闇にすわって
Insane with the fear of dying
死の恐怖で狂気に触れている間に
We'll ball in your parks
おれらは、おまえらの公園で踊りまくってやる
Insane with the flash of living
生きていることのその閃光で狂気に触れながら




I am alive
ぼくは生きてる
I an human
ぼくは人間だ
I will be alive again
ぼくはもう一度生き返ってやる
So drop your fuckin' bombs
だから、おまえらのふざけた爆弾を落とすがいい
Burn your demon babies
おまえらの悪魔の赤子たちを焼き殺すがいい
I will be again
おれはふたたび存在す
The rabid lover
獰猛なまでに愛する者
Feelin' the starch in your grin
おまえたのニヤけた笑顔にはぎこちないものを感じるぜ
Callin' for acid cocaine and grass
アシッド*4やらコカインやらグラス*5が欲しいんだろ
And receiving your homemade gin
なら、おまえらの自家製のジンをいただくぜ
Push the button
ボタンを押すんだ
Push the switch
スイッチを入れろ
Cut the beam
光線を切るんだ
C'mn make it march
さあ、デモ行進をはじめよう
Sign me up as a diplomat
おれのことは外交官として登録しといてくれ*6
My only office is the park
おれの唯一の職場は公園なのさ




You need to be out before you come in
きみたちは、入ってくるまえに出て来る必要があるな
And after you come you go
そして、きみたちは、来たら、行くんだ*7
In the midst of Yang is a smaller part of Yin
「陽」の真ん中は「陰」の小さな一部なんだ*8
And when it happens you know -
そして、そうなったときには、きみらも知るだろう
The dawn comes
夜明けが来てるのさ




Hey, Dick
おい、ディック*9
Whatever you think of us is totally irrelevant
おまえが、おれたちのことをどう考えていようと、そいつはまるっきり筋違いだぜ
Both to us now and to you
おれたちにとっても
そう、おまえたちにとってもな
We are the present
おれたちは現=在なんだ
We are the future
おれたちは未=来なんだ
You are the past
おまえらは過=去なんだ
Pay your dues and get outta the way
つけを払って、そして道から外れてしまうんだ
'Cause we're not the way you used to be
だって、おれらはきみらがかつてそうだったのとは道が違うのだから
When you were very young
きみらがとっても若かった頃
We're something new
ぼくらは新しい何かだった
We don't quite know what it is
それが何なのかぼくらにはよくわからない
Or particularly care
というか、
We just do it -
とにかく、ぼくらはただやるだけ
You gotta do it
きみらもやるべきだ




Open your eyes there's a new world a-comin'
目を開け、新しい世界の到来だ
Open your eyes there's a new world today
目を開くんだ、新世界が、きょう、ここにある
Open your hearts people are lovin'
心を開け、人間は愛し合ってる
Open it all we're here to stay
すべてを開け、ぼくらはみんなここにいつくためにいるんだ
Open that door!
その扉を開けろッ!







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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先に紹介したきょうの歌「ア・チャイルド・イズ・カミング」の入ったポール・カントナーの初めてのソロ・アルバム*10「Blows Against The Empire」(「帝国への一撃」というタイトル*11)の冒頭の威勢のいい1曲、アコースティック・ギターをかき鳴らす小さな集会*12という感じのアルバムはこうしてはじまる。*13

*1:タイトルの「マウマウ」は英語では(黒人の)ごろつきのこととされているようだが、歴史的には1950年代初めに結成されたケニア独立を目指すキクユ族(が主体)の武装地下組織で、ヨーロッパから移住してきた白人を襲撃、追放したことで欧米諸国にもその名が知れわたったのが「(黒人の)ごろつき」というかたちで言葉として(現地を離れた本国語として))流通するようになったのだろう。ポール・カントナーのこの歌に則して言えば、体制を外れた自分たちの存在をひとつの脅威としてのマウマウ団に(ちょっと)アイデンティファイしてみせたのだろう。社会の脅威として存在すること。変化も進化もいつも「外」から(まず)やって来る。そして「内」も「外」もなくなって・・・というお決まりのパターンはいまも陰謀のプロットとしては有効不滅であるにちがいない。

*2:この「陽の光」(サンシャイン)は当時、人気があったLSDの銘柄(?)の名前。この「サンシャイン」のほかにも「パープル」とか「フロッグ」とか、いろいろとロックの名曲のタイトルに使われているものが多くありますね。LSDはリギジキル酸とかいう化合物の名称の略ですが、愛と性と死 Love,Sex,Death の略にも読めちゃいますね。ロゴスってすごい! ということで(ついでに)ジョギングの技法で「LSD]といったら、ロング・スロー・ディスタンス、つまり、長い時間をゆっくりと長距離を走ること、筋力の強化にとてもいい楽で愉しい走るメディテーションです。もちろん、ナチュラル・ハイにも到達します。

*3:当時のカリフォルニア州知事(で、のちの合衆国大統領となる)ロナルド・レーガンのこと。

*4:「酸」「リゼキル酸」、LSDのことです。

*5:「草」、「葉っぱ」、つまり(日本で言う)「大麻」(当麻)のことです。

*6:ヴェトナム戦争当時の兵役義務のための登録申告のときのこと。

*7:アシッドでもグラスでも、来たら行く。来てるのに行かない人がいる、たぶん、来てるのに気づけていないのだろう。気づくこと。大事なのは気づくこと、aware-ness。こころ/からだで(こころ/からだに)気づくこと。そのためには開くこと、こころもからだも開くこと。いま/ここから開くこと。(そうすれば)来てるのがわかるでしょう。ほら、どう? 来たら、即、行く! ここ/から、こころ/からだも、ウッ、いくゥ、いくッ、いい、、スゴいィ、いくゥ〜〜ッ、いい、すごくいい、ハァ、いい、いっちゃ〜〜〜うゥゥーーー♪! it's the highest high いかすぜ、ベイビー!w アホかいな、そうやろなあ、では、わたしもぼちぼち行きますか、ウグッ、これぞまさしくレディファーストの真髄なり〜w

*8:中国古来の陰陽の思想だろう

*9:当時の合衆国大統領リチャード・ニクソンのこと。ディックは(もちろん)リチャードの愛称。(ここではそれ以上、他意はないだろう。

*10:ジェファーソン・スターシップの実質的な最初のアルバムと考える人もいるようだ。

*11:映画「スター・ウォーズ」的にも、また、アニトニオ・ネグリマイケル・ハートの大著「帝国」的にもたいへん現代的なタイトルと言えるかもしれない。さながらネグリとハートが述べている「マルチチュード」の先駆の歌声として聴きなおすことができるかもしれない。

*12:当時は、そういう集会を「Be-in」とか「Love-in」といったそうだ。フラワー・チルドレンの花言葉(!)ですな。

*13:このアルバムに参加しているのはカントナー、スリックのカップルの他、ヨーマ・コーコネン、ジャック・キャサディのエアプレーンのメンバー、さらにジェリー・ガルシア、ミッキー・ハート、デイヴィッド・クロスビー、グレアム・ナッシュ、ハーヴェー・ブルックス、クイックシルヴァーのデイヴィッド・フライバーグなど大勢