House Of The Rising Sun


Words & Music by unknown
Traditional song


From Bob Dylan's first album, "Bob Dylan"
名作アルバム度 ☆☆☆☆

Also tou should listen to Dave Van Ronk album, "Just Dave Van Ronk"
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆


歌詞は、次のURLから
http://www.slopbucket.com/bob/lyrics/1house_.html


名曲度 ☆☆☆☆☆


邦題 「朝日のあたる家」 (ボブ・ディラン




There is a house down in New Orleans
ニューオーリンズのほうに一軒の館がある
They call the Rising Sun,
人々は「朝日」と呼んでいる
And it's been the ruin of many poor girl
そこは多くの哀れな若い女たちの廃墟なの
And me, oh, God, I'm one.
そして、このわたしも
あゝ、神よ
そのひとりなのだ
My mother was a tailor,
わたしの母は仕立屋だった
She sewed these new blue jeans.
わたしに
真新しいブルージーンズを作ってくれた
My sweetheart was a gambler, Lord,
Down in New Orleans.
わたしの優しい恋人は
神よ、
ニューオーリンズのギャンブラーでした




Now the only thing a gambler needs
そう、ギャンブラーに必要なものといえば
ただ
Is a suitcase and a trunk;
スーツケースとトランクだけ
And the only time when he's satisfied
そして彼が満足を覚えるのは
Is when he's on a drunk.
酒に酔っているときだけ




He fills his glasses up to the brim
グラスいっぱい縁まで満たして
And he'll pass the cards around,
彼はカードを配る
And the only pleasure he gets out of life
そして彼の人生の愉しみは、唯一
Is rambling from town to town.
町から町へと流れること




Oh tell my baby sister
あゝ、わたしの幼い妹に教えてあげて
Not to do what I have done,
わたしがしたことをしないようにと
But shun that house in New Orleans
そして
ニューオーリンズのあの館には近づかないで
They call the Rising Sun.
みんなが「昇る太陽」と呼んでいるところには




Well, it's one foot on the platform
そうね、わたしの片足は駅のホームに
and the other foot on the train,
もう片足は汽車にかけて
I'm going back to New Orleans
わたしはニューオーリンズに戻るところよ
To wear that ball and chain.
鉄の球と鎖をつけるの




I'm going back to New Orleans,
わたしはニューオーリンズに戻るところ
My race is almost run;
わたしの人生もほとんどおしまい
I'm going back to end my life
わたしは人生を閉じるために帰っていくの
Down in the Rising Sun.
昇る太陽の中に




There is a house down in New Orleans
ニューオーリンズのほうに一軒の館がある
They call the Rising Sun,
人々は「朝日」と呼んでいる
And it's been the ruin of many poor girl
そこは多くの哀れな若い女たちの廃墟なんだ





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞



∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮




ディランのこのレコードには彼の名前が「アレンジ」Arraged by としてクレジットされているが、アンソニー・スカデュトの有名なボブ・ディランの伝記*1によると、このギター・アルペジオのアレンジは、ディランがデイヴ・ヴァン・ロンクにじきじき教えてもらったものだという。当時のニューヨークのフォーク・シーンではデイヴ・ヴァン・ロンクは一目置かれる存在で、多くのミュージシャンが彼にいろんな歌を教えてもらっていたという*2。最初にメジャー・デビューのチャンスをつかんだディランが(まんまと)自分の手柄にしてしまったわけだが、スキャデュトの伝記には、(そういう不義理な)知られざるディランの一面を伝える多くのエピソードが記されている。暴露作家ならでは出来栄えだ*3


いずれにせよ、このディランのヴァージョンにおいては、「朝日のあたる家」は明らかに娼館である。娼婦となって身を持ち崩し、何らかの犯罪を犯すことになって刑に服し、刑期を終えた歌の主人公は、出獄すると(他に生きる道がないと思ったのだろう)その「朝日楼」だか「旭日館」だかと呼ばれる娼館に再び戻っていこうとする。


それでは(どうせなので)もっとこの歌にディープにコミットするためにさらに「朝日のあたる家」の奥深くに足を踏み入れてみよう。

民謡として伝えられるがままの(ほぼ原曲といってよいヴァージョンの)「House Of The Rising Sun」である・・・・。

*1:"BOB DYLAN : an intimate biography" by Anthony Scaduto 邦訳「ボブ・ディラン」アンソニー・スカデュト(二見書房)絶版

*2:実際にフォークソングが代々伝えられてきたまさにそのままを彼は1950年代後半のニューヨークで(ステージや楽屋やプライベートな住まいの場で)やっていたのだ。同じアルバムの「Baby,Let me Follw You Down」でディランはその歌の冒頭で「この歌を初めて聴いたのはケンブリッジに住むエリック・フォン・シュミットからだった・・・」という紹介から歌に入るという(フォークソングにありがちな)ひとつの様式を踏襲している。

*3:スキャデュトには、他にエルヴィスやローリングストーンズ他の暴露的な著作がある