The House Of The Rising Sun

Words and Music unknown.
American traditoinal song.
(1964年発表)


(原題直訳 「朝日の館」)



Performed by The Animals.

はYou can listen to The Animals' first album, "The Animals".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「朝日のあたる家」 (アニマルズ)





歌詞は、次のURLから
http://www.lyricsdownload.com/animals-house-of-the-rising-sun-lyrics.html



名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「朝日のあたる家」 (アニマルズ)







There is a house in New Orleans
ニューオーリンズに一軒の館がある
They call the Rising Sun
人々が「昇る太陽」と呼んでいるところだ
And it's been the ruin of many a poor boy
そして、そこは哀れな若い男たちの廃墟なのだ
And God I know I'm one
神よ、わかっているんだ、
おれもそのひとりなのだ




My mother was a tailor
おれの母親は仕立屋だった
She sewed my new bluejeans
おれに
新しいブルージーンズを作ってくれた
My father was a gamblin' man
Down in New Orleans
父親はニューオーリンズ
ギャンブルに明け暮れる男だった




Now the only thing a gambler needs
さて、ギャンブラーに必要なのは
ただ
Is a suitcase and trunk
スーツケースとトランクのみ
And the only time he's satisfied
そして満ち足りるときといえば
ただ
Is when he's on a drunk
酒に酔ったときだけだ




Oh mother tell your children
おゝ、母よ、
子供たちに話してやってくれ
Not to do what I have done
おれがしてきたことを
やってはいけないと
Spend your lives in sin and misery
In the House of the Rising Sun
この「朝日という館」で
罪と慙愧の生涯を送るなど




Well, I got one foot on the platform
あゝ、おれは片足を駅のホームに
The other foot on the train
もう片方の足を列車にかけて
I'm goin' back to New Orleans
ニューオーリンズに戻ろうとしている
To wear that ball and chain
鉄球と鎖をつけられに*1




There is a house in New Orleans
ニューオーリンズに一軒の館がある
They call the Rising Sun
人々が「昇る太陽」と呼んでいるところだ
And it's been the ruin of many a poor boy
そして、そこは哀れな若い男たちの廃墟なのだ
And God I know I'm one
神よ、わかっているんだ、
おれもそのひとりなのだ



Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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「朝日のあたる家」とは、売春宿のことだ、娼館のことだ、というのは日本でもよく言われ、知られている。
そして、そのことはけっして間違ってはいない。
「朝日のあたる家」が(「朝日楼」もしくは「旭日楼」「日ノ出楼」という名の)娼館であることは、いわば定説となっている。そのことはそれでいい。
しかし、このアニマルズの曲を聴くかぎり、かれらの「朝日のあたる家」を娼館とするのには無理がある。
そのことは、上掲の歌詞を(あらためて)読んでみることで明らかだろう。


そう、アニマルズが歌う「The House of the Rising Sun」とは、(この歌に聴くかぎりでは)それは監獄、すなわち刑務所(とすることが自然)なのだ。*2

にもかかわらず、日本ではアニマルズのこの曲は(音楽評論家たちの間でさえ)売春宿の歌だということになっている。



目の前に見えているもの(あるいは)じかに自分の耳で聞いたことをそう簡単に投げ捨ててはいけない。それはロックンロールな♡のすることではない。
It ain’t no Rock’n’Roll,Baby!

知識や情報として(メディアを通じて)(あるいは、ときには口コミで)(どこぞからか)流布され、(ほとんど)通説や定説として(世間に)広く流通していることを(ハナから信じて)呑み込まれたり、飼いならされたりするのを(ひとつの生き方として)わたしは(けっして)否定しはしないが、自由な人間は(それをきちんと自分で確かめて)納得した上で受け入れ、それを自分の知識とする。(そうやってつまらないバカげたことから自由を獲得し、つねに方法としての自由を自分自身に保持することとでもいおうか)それが(わたしにとっての)ロックンロール(な生き方)だ*3
Yes,baby,that’s what Rock’n’Roll is all about!



アニマルズのこの歌が世界的な大ヒットとなったのは1964年のことだが、当時のシングル盤としては先に例を見ないほどに長い(といわれる)4分24秒というこのアニマルズの熱い演奏は(いま聴いても)まさに「不滅」と形容したくなるほどのロック史に輝く名曲であり、名演奏だが、このアニマルズの演奏(その記録としてのレコード)を特徴つけているのは、ヒルトン・バレンタインのビートの効いた(ギターの)アルペジオ(分散和音)と(グループの音楽的なリーダーだった)アラン・プライスの冴えわたるオルガン演奏だ。アニマルズのレコードには、このアラン・プライスの名前が「アレンジ」としてクレジットされているが、それは(ほとんど)実用新案や特許として認めていいような簡潔なすばらしい編曲だ。
しかし・・・・(またしても、しかし、なのだが)、このアニマルズの演奏には、ヒント(というかインスピレーションのもと)となったトラックがある。
それは、アニマルズのヴァージョンに先立つ2年前、1962年に発表された(まだ有名になる以前の)ボブ・ディランのデビュー・アルバム「ボブ・ディラン」に収められた(彼のギターとハーモニカによる)「朝日のあたる家」だ。
それを聴くと(すぐにわかるのは)アニマルズのアレンジの核になっているギターとオルガンのアルペジオがこのディランのギターに由来していることだ*4
ディランは、この曲を代々アメリカに伝わるフォークソング(すなわち民間伝承歌謡=(ぶっちゃけ)民謡)として(代々伝わるその歌に)忠実に(これを)女性の歌(女性を歌の語り手=主人公)として歌っている。

では、それを次に聴いてみよう。

*1:足枷である。言うまでもなく囚人として服役するということ。

*2:そういえば、上掲のジャケット写真も(アニマルズ)ということなのでしょうが)檻の中になっていますな。

*3:って何なんでしょうねェ? ロックン・ロールというのは、ぼくにとっては(もはや)オノマトペ(擬音語)に類するものだが、かつてフーのピート・タウンジェンドが「"ポップ" という語には意味があるが "ロック" という語には意味なんてない。だから、素晴らしいんだというようなことを言っていた。年齢を重ねるにつれて若さのうちのバカさという分子が減って、それでいて分母の若さが減退(笑い)しない。そういう若さだろうか。たぶん、ロックンロールとは「永遠の若さ」を(アレだよな)と顎で示すような音声、もしくは擬音語ではないだろう。ロックンロールのイコンとされる人物のひとりに(夭折という方法で)永遠の若さを体現しているジェームズ・ディーンという人がいる。そして、ロックンロール以後、世の若い男の子たちの♡には(「マザー・コンプレックス」や「エディプス・コンプレックス」と同じように)「ジェームズ・ディーン・コンプレックス」という心のバイアスがかかっているというのが自説なのだが

*4:アニマルズは、おそらくエリック・バードンの趣味だろうが、このディランのデビュー・アルバムの影響はかなり受けたようで、彼らのデビュー曲である「家へ行こうよ、ベイビー」Baby Let Me Take You Home は、ディランのこのアルバムに収められているアメリカ民謡「Baby let Me Follow You Down」を原曲としている。