Denmark Street

Words & Music by Ray Davies.
(1970年発表)







(原題直訳 「デンマーク・ストリート」(地名)) *1







歌詞は、次のURLから、
http://www.tsrocks.com/k/kinks_texts/denmark_street.html






From The Kinks album,
"Lola Versus Powerman And The Moneygoround, Part One".

名作アルバム度 ☆☆☆☆



アルバム「ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組 第1回戦」(キンクス)より





名曲度 ☆☆







邦題「デンマーク・ストリート」(キンクス









Down the way from the Tottenham Court Road
トテナムコート・ロードのちょっと先
Just round the corner from old Soho
お馴染みのソーホーの角の向こうに
There's a place where the publishers go
音楽出版権を持つ人たちの集まるところがある




If you don't know which way to go
もし、どの道か行き方がわからないなら
Just open your ears and follow your nose
しっかり耳の穴をかっぽじって、自分の勘に頼ることだ
Cos the street is shakin' from the tapping of toes
だって、その通りは
つまさきでトントンやる音で小刻みに揺れてるんだ




You can hear that music play
きみにも音楽をやってるのが聞こえるくるはずさ
Anytime on every day
毎日、四六時中だ
Every rhythm, every way
あらゆるリズム、あらゆるかたちの音楽が




You got to a publisher and play him your song
人は出版社のもとへ出向いて
そこの人間に自分の歌を弾いてみせる
He says
そいつが言うんだ
"I hate your music and you hair is too long
「あんたのその音楽、おれは気に入らんな
それにおまえのその髪は長すぎるぞ
"But I'll sign you up because I'd hate to be wrong" *2
「しかし、おれも しくじるのもイヤなんで、
きみとは契約(ルビ=サイン)するとしよう」




You've got a tune,
きみには曲がある
It's in your head
それはきみの頭の中にある
You want to get it placed
きみはそれにちゃんとした場を与えたい
So you take it up to a music, man
そうすれば、おい、
きみはそいつをちゃんとした音楽にできるんだ
Just to see what he will say
とにかく、その男が何と言うか、ものは試しだ
He says
男は言う
"I hate the tune, I hate the words
「おれはその曲、気に入らんなあ、
その歌詞も、おれは気に食わんが
"But I'll tell you what I'll do
「だが、このおれがどうするか、おまえに聞かしてやろう
"I'll sign you up
「おまえとは契約(ルビ=サイン)するとしよう
"And take it round the street and see if it makes the grade *3
「それで、そいつを持って この界隈をまわってみよう。
「それで、そいつがいけるものかどうか見てやろう
"And you might even hear it played on the rock 'n' roll hit parade
「そう、おまえはロックンロールのヒットパレード
そいつがかかるのを聴くことになるかもしれないぞ」




Daytime, night time, every week
昼の時間も、夜の時間も、毎週
You can hear that heavy beat
人はそのへヴィーなビートを耳にする
Now the walls are shaking from the tapping of feet
ほら、脚でとんとんやる音で、いま、その壁が揺れてるぜ




Daytime, night time, every day,
昼の時間も、夜の時間も、毎日
You can hear that music play
人は音楽が奏でられているのを耳にする
Every rhythm, every way
あらゆるリズム、あらゆるかたちの音楽を










Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 060210









∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮







一転して、軽快でユーモラスな、タップダンスでもしたくなるような(イングランドの昔の演芸場(ルビ=ミュージックホール)ふうのノリで歌われる)この歌に歌われる「デンマーク・ストリート」という通りは
(ほんの100mほどの(どちらかというと裏通りといってもいいような小さな通りだが)その通りの両側には)音楽出版社が入った建物が並び、小さなレコディング・スタジオもいくつかあり、デモ・テープづくりもさかんに行われるロンドンの「ティンパンアレー」(=ニューヨークの音楽出版社街)と称される音楽業界通りだ。 *4


この物語のわたしたちの匿名の主人公は、
自作の曲を売り込みにこのデンマーク・ストリートにやって来た。
そして、とある出版社を訪れた。
その模様が、いかにも戯画的にこの歌に歌われている。
そう、出版社の人間には(どうやら)彼が持ち込んだそのいくつかの作品が
売れそうなのか、そうでないのか、その判断が下しがたかったようだ。
しかし、何とか契約だけはしてもらえたようで、
ようやく、われらのこの匿名の主人公も 自分の「道」を
(このデンマーク・ストリートから)音楽の世界へと
かろうじて通すことだけはできたようだ。



しかし、かと言って、すぐに彼が音楽で生活できるようになったわけではない。
日々の暮らしのために彼がしなければならなかったのは・・・・・・、



ということで、次の歌を聴いてみましょう。

*1:ロンドンの中心街の小さな裏通りのひとつで、通りの両側には音楽出版社が集まっていて俗にロンドンのティンパンアレーと呼ばれる音楽業界通りだ。

*2:たとえば自分が蹴った作品がよそで大ヒットになったりすると後で(「逃がした魚は大きい」と)残念な思いをすることになるので、さほど期待はしないが(まあ、保険ってつもりで)自分のところで押さえておこうかという程度の契約ですね。

*3:とりあえず自分のところで押えておいて、よそが欲しがるようなものであるなら、さっさとそっちに転売してしまおうという目論見なのでしょう。

*4:ポピュラー・ミュージックは、レコード盤(という歌唱や演奏の録音複製再生媒体)が実用化されるまでは、もっぱら(主としてピアノ伴奏用の)「譜面」(ルビ=シート・ミュージック)の出版販売とその購入によって流通していた。(譜面(ルビ=シートミュージック)は、レコード盤の実用後も1960年代の初めごろまでは広く一般に音楽ファンによって購入されていたようだ。