(I Don't Want To) Hang Up My Rock And Roll Shoes

Words & Music by Chuck Willis.
(1972年発表)*1






(原題直訳 「ぼくのロックンロール用の靴を吊るして(しまいたくないんだ、ぼくは)」) *2






歌詞は、次のURLから、
http://www.sing365.com/music/lyric.nsf/Hang-up-My-Rock'n-Roll-Shoes-lyrics-The-Band/CB2CB3D5503EF52948256B1B001503E7





From The Band live album, "Rock Of Ages, The Band In Concert".  *3

名作アルバム度 ☆☆☆☆



アルバム「ロック・オブ・エイジズ」(ザ・バンド)より






Also on the Chuck Willis compilation album,
"Stroll On, The Chuck Willis Collection".

推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆ 



(チャック・ウィリス)より






名曲度 ☆☆☆








邦題「ハング・アップ・マイ・ロックン・ロール・シューズ」 (バンド)






Mama, she done told me
母ちゃんが、おれに言ったんだ
She didn't like this rock and roll
こんなロックンロールなんてものは好きじゃないねえ
But mama, mama, please
けどよ、母ちゃん、母ちゃん、頼むよ
Mama, you just don't know
母ちゃん、アンタはわかってないんだよ
I don't want to hang up my rock and roll shoes
おれは、このおれのロックンロール用の靴をお払い箱にはしたくないんだ
I don't want to hang up my rock and roll shoes
おれは、このおれのロックンロール・シューズを吊るしちまいたくないんだよ
I get an old time feeling
おれはさ、懐かしい気持ちになるんだよ
Every time I hear the blues
いつもあのブルースが聞こえてくるたんびにな




They told me,
おれは連中に言われたもんさ
"Get a job and set yourself a goal"
「仕事を持って、それで目標をつくるんだ」ってな
But can't they understand
けども、あやつらには わからないんだろうか?
I just want to rock and roll
このおれは、とにかくロックンロールがやりたいんだってことが
I don't want to hang up my rock and roll shoes
おれは、おれのこのロックンロール用の靴をしまい込みたくないんだ
I don't want to hang up my rock and roll shoes
おれは、おれのロックンロール・シューズを吊るしちゃいたくないんだってのが
Something happens to me
おれには何かが起きるんだ
Every time I hear the blues
ブルースが聞こえてくるたびに、きまって いつも




I will do my homework
おれは宿題ならちゃんとやるよ
I'll clean the yard every day
おれは庭掃除も毎日するよ
I will even do the dishes
皿洗いだっておれがやってやる
I'll do anything you say
おれは何でもアンタの言うとおりにするよ




They say that rock and roll
世間のやつらが言うには、ロックンロールなんて
It'll soon fade away
そんなものは すぐに消えてなくなっちまうだろうよってことだ
But I just want to tell you
けどよ、おれはみんなにとにかく言ってやりたいね
Rock and roll is here to stay
ロックンロールはここに残るものだぜって
I don't want to hang up my rock and roll shoes
おれはこの自分のロックンロール・シューズを吊るしちゃいたくないんだ
No, no, I don't want to hang up my rock and roll shoes
そう、そう、おれはこの自分のロックンロール用の靴をお払い箱にしたくないんだ
I get a good time feeling
おれはいい頃の気分になるんだ
Every time I hear the blues
いつも、このブルースってやつが聞こえてくるたびにな




Some might even say
It put the devil in my soul *4
なかには、それがこのおれの魂の中に
悪魔を住まわせるとか、そんなことまで言うやつらもいる
But that's a bunch of shit
けどよ、そんなのみんな まやかしだぜ
I just want to rock and roll
とにかく、おれはロックンロールがしたいんだ
I don't want to hang up my rock and roll shoes
おれは、このおれのロックンロール用のシューズをしまい込んだりしたくないんだ
No, no, I don't want to hang up my rock and roll shoes
おれは、おれのこのロックンロール・シューズをお払い箱になんかしたくないんだ
My feets got to move now
おれのこの脚がもう動き出してるぜ
Every time I hear the blues
いつもブルースを聴くたびにこうなんだ




No, no, no, I don't want to hang up my rock and roll shoes
ノー、ノー、ノー、
おれは自分のこのロックンロール用の靴を吊るしたりなんかしたくないぜ
No, no, no, I don't want to hang up my rock and roll shoes
そう、そう、そう、おれは、
おれのこのロックンロール・シューズを思い出の品になんかしたくないんだ
Something happen to me every time I hear the blues
いつも、おれがブルースを耳にするたびに
おれには何かが起こるんだ










Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 051110










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きょうのこの歌が収録されたザ・バンドのホーン・セクション入りのライヴ・アルバム「ロック・オブ・エイジェズ」が1971年の暮れも押し迫ったその最後3日間にニューヨークシティで実況録音(♪)されたとき、バンドの面々のそのときの年齢は、ロビー・ロバートソンとリチャード・マニュエルが28歳、レヴォン・ヘルムが31歳、リック・ダンコは(ちょうどその3日間に)29歳の誕生日を迎えたところで、ガース・ハドソンは34歳。1968年の夏にアルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」でザ・バンドを名乗ってロック史の方向を変えてしまうような大きな分水嶺となるようなデビューをしてから、すでにこの時点で4作のスタジオ録音のアルバムを発表しての、彼らの初のライヴ・アルバムとなるわけだが、この(レコード盤にして2枚セット全4面にわたる)ダブル・アルバム「ロック・オブ・エイジズ」のその最後に収められているのが、きょうのこの歌「ぼくのロックンロール用のシューズを吊るして(しまいたくないな、ぼくは)」だ。いかにもアンコール向きといった とってもいい気の利いた選曲だと思うけれども、実際にその3日間のステージでこの曲がアンコールで演奏されていたのかどうかについてはまだ確かめようともしていないのですが、この歌は、ちょうどその1971年の時点で数えて13年まえの(つまり、ファンが初めてこのアルバムを聴くことになったアルバム発表時点からしてその14年前の)(そして、わたしのこのblogのきょうのこの日付の上から数えてちょうど50年前の(!)、つまり、いま、これを書いているきょうのこの現実の時点からして実に半世紀以上もまえの52年前の)チャック・ウィリスのロックンロールのヒット曲ということになるのだが、(エリック・クラプトンデレク&ザ・ドミノスのアルバム「いとしのレイラ」の中でクラプトンが歌っている「イッツ・ツー・レイト」などの名作で知られる)チャック・ウィリスがこの歌をヒットさせた当時の、彼らザ・バンドの面々は、ロビー・ロバートソンとリチャード・マニュエルが15歳、レヴォン・ヘルム18歳、リック・ダンコ16歳、そしてガース・ハドソンが21歳といった年頃になるわけだ。
そして(驚くべきことは)彼らの全員が、すでにその年齢で(トロントをはじめとするカナダの各地で)(アメリカ人のレヴォンにいたってはアメリカとカナダの双方で)プロのバンドマンとして生活していたということだ。おそらく、きょうのこの歌も(当時の新しいヒット曲として)それぞれにカバーするなどしていたのだろう。
しかし、まったく、2行ですむようなこんなつまらない引き算のオハナシにすっかりつき合わせてしまって誠に恐縮の次第です。

マァ、カキナガラココニハカカナカッタヨウナイロンナコトニオモイヤカンガエヲメグラセテモイタワケデワタシニハムダデハナカッタノデスガ、ネガワクバミナサンニモナニカイロイロオコッテタトスレバ、ソレサイワイデスナリ



では、つづけて そのチャック・ウィリスのオリジナルを聴いてみましょう♪
(べつに とくに両者のその異同ぶりをどうこうするほどのものでもありませんので、どうぞ、お気楽にお聴きください。)

*1:オリジナルは上記作者による1958年のヒット曲。

*2:例えば、プロ野球選手の引退を「バットを置く」という修辞的(ルビ=レトリカル)な表現で言ったりするように この「ロックンロール・シューズを吊るす」というのは、「もう ロックンロールで踊ったりしない」「ロックンロールはやめる、卒業する」というような響きを持ったコトバになっているのは、おそらく おわかりのことと思います。実際、プロボクサーの引退については「グローヴを壁にかける」という言い方=修辞(ルビ=レトリック)がよく使われているように、この「(I Don't Want To) Hang Up My Rock And Roll Shoes」(ぼくのロックンロール・シューズをぼくは吊るして(しまいたくない))というタイトルには、たしかに「ぼくのこのロックンロール用のシューズを思い出の品にしてしまいたくないんだ」という気持ちがイメージとしても伝わってはきませんか。

*3:このアルバムからは、すでに「ザ・シェイプ・アイム・イン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050510 が、またCDボーナス・トラックとして「アイ・シャル・ビー・リリースト」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060117 、「 ダウン・イン・ザ・フラッド(堤防決壊)」 http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050704 「ライク・ア・ローリング・ストーン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050326 がここで紹介されていますので、よろしければどうぞ♪

*4:(1976年に解散した)バンドのラスト・コンサートを撮ったマーティン・スコセッシ監督の素晴らしい映画「ラスト・ワルツ」(1978年公開、アメリカ映画)の中でガース・ハドソンが、黒人音楽に対するかつてのアメリカのそうした視線について自分たちが見聞きしたこととして語っているくだりがあるが、実際、1960年代の前半までは、アメリカの南部では「ブルースは悪魔の音楽」として「子供たちにブルースを聴かせるな」といったことが良識あるよき白人の大人のひとつの常識とされ、地方の町にはそうしたポスターまであったそうだ。ローリングストーンズのミック・ジャガーは1964年に初めてアメリカをまわったときにそんな貼紙を見たことを何度かイタンビューなどで語り、その驚きを述懐している。と同時にまた、(のちにツアーやレコーディングなどで共演することになる)ボビー・キーズやジム・ケルトナーといった自分と同世代のアメリカのミュージシャンたちが子供の頃から近所で黒人の有名ミュージシャンを見知っていたりしたことなどに(自分たちイギリス人とは)子供の頃からまったく育った環境が違うと羨ましげに述べていることもしばしばだ。