First We Take Manhattan

Words & Music by Leonard Cohen.
(1986年発表)






(原題直訳 「最初にわたしたちはマンハッタンをやる」) *1






歌詞は、次のURLから、
http://www.musicsonglyrics.com/J/jenniferwarneslyrics/jenniferwarnesfirstwetakemanhattanlyrics.htm






From the Jennifer Warnes album, "Famous Blue Raincoat". *2

名作アルバム度 ☆☆☆



アルバム「ソング・オブ・バーナデット〜 レナード・コーエンを歌う」(ジェニファー・ウォーンズ)より







Also on the Leonard Cohen album, "I'm Your Man". *3 *4

名作アルバム度 ☆☆



アルバム「ロマンシェード」(レナード・コーエン)より





Also on the Joe Cocker album, "No Ordinary World". *5

名作アルバム度 ☆☆☆



アルバム「ノー・オーディナリー・ワールド」(ジョー・コッカー)より








名曲度 ☆☆







邦題「ファースト・ウィ・テイク・マンハッタン」 (ジェニファー・ウォーンズ)







(Radio announcer's voice in German)
(ラジオから流れるドイツ語のアナウンサーの声)


Was die Attentäter betrifft, die in Berlin
den Anschlag auf die Deutsch-Arabische Gesellschaft verübt haben,
ベルリンのドイツ=アラブ協会を爆破した犯人グループにつきましては、
ist die Polizei einen Schritt weiter gekommen.
警察当局による逮捕が今後もつづく模様です。
Die jetzt nach dem Anschlag...
さて、爆破後の現場ですが・・・・・、、




They sentenced me to twenty years of boredom
あいつらは、あたしに退屈という20年の刑を言い渡した
For trying to change the system from within
内側から体制を変革しようとしたことで。
I'm coming now,
わたしは、いま、向かっている
I'm coming to reward them
わたしは、いま、
やつらに報復するために向かっている
First we take Manhattan,
まず、わたしたちは、マンハッタンをやるわ、
Then we take Berlin
それから、わたしたちは、ベルリンをやる




I'm guided by a signal in the heavens
わたしは天国の合図に導かれてるのよ
I'm guided by this birthmark on my skin
わたしは自分の肌のこの母斑に導かれてるの
I'm guided by the beauty of our weapons
わたしは、自分たちの武器のその美しさというものに導かれてるの
First we take Manhattan,
わたしたちは、まず、マンハッタンをやるわ
Then we take Berlin
それから、わたしたちはベルリンをやるの




I'd really like to live beside you, baby
本当に わたしは、あなたのそばで生きていたいのよ、かわいい人
I love your body and your spirit and your clothes
わたしは あなたのからだが好き、そして あなたの精神も、
それに、あなたの着てるものもよ
But you see that line there moving through the station?
だけど、あなたにも あの人の列が見えるでしょ
駅の中で、動いてる
I told you, I told you, I told you,
わたし、言ったわよね、あなたに
わたし、言ったわよね、あなたに、
言ったわよね、あたし、あなたに
I was one of those
わたしもあのひとりだったのよ




I don't like your fashion business mister
わたしは
あなたのいるファッション業界が好きじゃないの、お偉いさん、
I don't like these drugs that keep you thin
あなたが細身でいられるそのドラッグとかの類も好きじゃないの
I don't like what happened to my sister
わたしは自分の妹の身に起こったことも気に入らないのよ
First we take Manhattan,
まず、わたしたちはマンハッタンをやる
Then we take Berlin
それから、わたしたちはベルリンをやるわ



Then we take Berlin
つづいて、わたしたちはベルリンをやる
Then we take Berlin
つついて、わたしたちはベルリンをやるわ




(Again, radio announcer's voice in German)
(再び、ラジオからドイツ語のアナウンサーの声)








Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 020110









∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮







女はテロリスト、そして男は!?
彼女の愛人だろうか・・・・?
どうやら、その男は華やかなファッション業界の大物であるようだ。
ふたりは愛人同士なのか、それとも・・・・?
そんなドラマも想像させるが、
作者のレナード・コーエン自身によるトラックでは、
書き加えられた歌詞もあり、また、男声で歌われることによって、
ドラマとして より 幅と味わいのある歌になっているようなので
早速、つづけて聴いてみましょう。



ブラザーズ・アンド・シスターズ、

ミスター・レナード・コーエンです!♪

*1:きょうのこの歌の歌い手(=語り手)を(あるいは、そのモデルを)(もちろん誰とは)特定はできないが、この歌の女性が何者であるかについては、歌を聴けば自ずと見えてくるだろう。そして、(ヨーロッパやアメリカに住む人間なら)さらに細分化して その先を(冒頭のラジオ・ニュースがドイツ語であることから)ごく自然に「バーダー=マインホフ」Baader-Meinhof と呼ばれたドイツの過激派集団(=「Rote Armee Fraktion」=(文字通りの)「赤軍派」)の名前が意識の表層で像を結ぶにちがいない。この歌は(トム・ウルフの造語である「ラディカル・シック」(=おしゃれな過激派(?))というコトバでニューヨークのファッション業界やハリウッドなどの裕福で有名(すなわち社会的な影響力を保持した)人々(いまの日本語で言うなら)(それこそ俗に言う)「セレブ」な人々)の間における過激思想やその発言、また過激派諸グループへの支持や同調、資金援助、あるいは親和的な傾向(すなわち(いわゆる)シンパシー)が意外と強く、また幅広いことがマッスなジャーナリズムで取りざれていた中でつくられた歌だと(わたしには)推測される。(もちろん、あの「9・11」直後に真っ先に放送自粛リストに挙がった歌のひとつであろうことは想像に難くない。おそらく、いまもそうだろう。なお、アルバムでの発表後、年を越した1987年にシングルとして(!)もリリースされたこの歌は全米チャートで71位(全米のアダルト・コンテンポラリー・チャートでは29位)、全英チャートでは74位となるヒットとなった。)

*2:ジェニファー・ウォーンズは、1982年に大ヒットしたアメリカ映画「愛と青春の旅だち」An Officer and a Gentleman(リチャード・ギアデブラ・ウィンガー主演、テイラー・ハックフォード監督)の主題歌「Up Where We Belong」をジョー・コッカーとのデュエットで歌って、全米チャート、ナンバー・ワンをはじめ世界各地での大ヒットによって一躍、広くその名を知られるようになったあのシンガーだが(彼女自身はすでに1969年に最初のアルバムを発表しているキャリアの長いシンガーだ)、きょうのこの歌が入ったこのアルバムでは、かつて1970年代に彼女がツアーでバック・コーラスを務めたこともあるレナード・コーエンの作品ばかりを集めて歌っており、「有名な青いレインコート」というアルバム・タイトルもコーエンの歌のタイトルから援用したものだ。また、コーエンご自身も(きょうのこの歌を含む)未発表曲を提供したり、ヴォーカルで参加したり、ライナーノーツとして自筆のイラストを寄せるほか、きょうのこの歌のプロモーション・ヴィデオでも、歌に登場する謎の(?)男性に扮して(いかにも年の差カップル風の演技(?)で)その姿を見せている。

*3:作者のコーエンは、ウォーンズのきょうのこの歌がシングルで発表された翌1988年に自身の新作アルバムのトップにこの歌を据えているが、コーエンのヴァージョンでは、さらに歌詞が追加されて、ウォーンズのこの歌とはまた違ったドラマが男声によって歌われているので、例によって。またのちほど つづけて聴いてみましょう。

*4:なお、コーエンのこのアルバムとよく似た(ほぼ同じw)タイトルの「Leonard Cohen: I'm Your Man」という(U2ローリー・アンダーソンニック・ケイヴらによる)2006年発表のレナード・コーエンへのトリビュート・アルバムがあり、そのアルバムでも、きょうのこの歌は、アノR.E,M,(!♪)によって再現されていることを誰かさんのために言い添えておくとしましょう。

*5:かつて「愛と青春の旅立ち」でジェニファー・ウォーンズとデュエットしたジョー・コッカーもまたこの歌を1999年発表の「普通じゃない世界」というアルバムのオープニング・ナンバーとして(まさしく)「マンハッタン」という邦題で歌っている。