Wooden Ships



Words & Music by David Crosby, Stephen Stills and Paul Kantner.*1
(1970年発表)





(原題直訳 「木の舟」)




From The Jefferson Airplane album, "Volunteers".
名作アルバム度 ☆☆☆

「ヴォランティアーズ」 (ジェファーソン・エアプレーン)




Also you can listen to Crosby, Stills & Nash album, "Crosby, Stills And Nash".*2
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「クロスビー、スティルス&ナッシュ」 (クロスビー・スティルス&ナッシュ)






歌詞は、次のURLから
http://www.oldielyrics.com/lyrics/jefferson_airplane/wooden_ships.html





名曲度 ☆☆☆





邦題 「木の舟」 (ジェファーソン・エアプレイン)








Black sails knifing through the pitchblende night
瀝青ウラン鉱の夜をつんざくように暗黒が船出する
Away from the radioactive landmass madness
放射性の大規模な狂気をあとにして
From the silver-suited people searching out
Uncontaminated food and shelter on the shores
海岸の未汚染の食物と
退避壕を捜索している銀色の上下の服を着た人々から逃れて
No glowing metal on our ship of wood only
ぼくらの舟は
いっさい光るような金属を使っていない木だけでできている
Free happy crazy people naked in the universe
宇宙で裸になった自由でハッピーでクレージーな人間たち
WE SPEAK EARTH TALK
ぼくらは大地の言葉を喋ってる
GO RIDE THE MUSIC
音楽に乗っかって行くのだ




If you smile at me
きみたちが、もし
ぼくに微笑みかけてくれたら
You know I will understand
そうさ、ぼくだって理解するだろう
Cause that is something everybody everywhere does
だって、そういうことは誰もがどこでもしてるようなことだもの
In the same language
同じ言葉の使い方で
I can see by your coat my friend that you're from the other side
ぼくにはきみのそのコートで
きみが反対側の人間だってことがわかるのさ、マイ・フレンド
There's just one thing I got to know
とにかく、ひとつだけ
ぼくが知っておきたいことがあるんだ
Can you tell me please who won?
頼むよ、どうか教えてくれないか
勝ったのは誰なんだい?
You must try some of my purple berries
きみもぼくのこのパープルベリーを少し食べてみなきゃな
I been eating them for six or seven weeks now
ぼくはこれまで6週間か7週間、ずっと食べてるんだ
Haven't got sick once
一度もからだがおかしくなったことはないぜ
Probably keep us both alive
たぶん、ぼくらの双方を生かしてくれるぜ




Wooden ships on the water very free and easy
木の舟が水面でいくつかとても自由に、そしてゆったりと
Easy you know the way it's supposed to be
わかるだろう、本来そうあるべきかたちのゆったりさなんだ
Silver people on the shoreline leave us be
海岸線の銀色の人々に見つからずにいるおかげで
ぼくらは
Very free and easy
とても自由で、
そしてゆったりと気楽でいる




Sail away where the mornin sun goes high
船出するんだ、朝日が高々と昇るところへと
Sail away where the wind blows sweet and young birds fly
船を出そう、風が優しく吹き寄せ
若い小鳥たちが大空を飛ぶところへと




Take a sister by her hand
妹の手を引いて連れて行こう
Lead her far from this barren land
この不毛の土地から連れ出していくのだ
Horror grips us as we watch you die
きみたちが死んでいくのを見ているぼくらは恐怖にとらわれる
All we can do is echo your anguished cry and
ぼくらにできることは、とにかく
きみたちのその苦悶の叫びを響きわたらせることだけだ
Stare as all you human feelings die
きみたちすべて
その人間的な諸感情がすべて死んでいくのを見つめて
We are leaving
ぼくらは出て行く
You don't need us
きみらにはぼくらのことは必要ない




Go and take a sister by her hand
行って、妹の手をとって連れて行こう
Lead her far from this foreign land
彼女を遠くへ、このよそよそしい土地から連れ出すのだ
Somewhere where we might laugh again
どこか、また、ぼくらが声を上げて笑えるところへと
We are leaving
ぼくらは去っていく
You don't need us
きみたちには
ぼくらのことはいらないのさ




Sailing ships on the water very free and easy
海の上を行くいくつもの船、とても自由にゆったりと
Easy you know the way it's supposed to be
そうあるべきかたちのこのゆったりとした気楽さがわかるだろう
Silver people on the shoreline leave us be
海岸線の銀色の人間たちに気づかれぶおかげで
ぼくたちは
Very free
とても自由に
And gone
そして去ってきたのだ




NO C'MON
だめだ、来るんだ
GO RIDE THE MUSIC
この音楽に乗っかるんだ
C'MON RIDE IT CHILD
さあ、乗ってごらんよ
こどもよ






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞







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一昨日のドアーズの「愚か者の船」からの流れの中で
きのうのランディ・ニューマンの船と、きょうのこの船まで、(弁証法的に(?))船の歌を3つほどならべてみましたが
きょうのこの(「ジェファーソン型飛行機」が歌う)彼らの船の違う点は
それが自分たちの舟であることだろう。
ドアーズが歌う「グッドトリップ」氏の船でなく、ランディ・ニューマンが歌で扮した奴隷商人の船でもなく、
自分たちの(おそらくは)手作りの船、それが




No glowing metal on our ship of wood only

木だけでできた、いっさいの光るような金属をのせていないぼくらの船



なのだろう。そして、その船の目的は、




Away from the radioactive landmass madness

放射性の大規模な愚かしさから逃れゆく




そして、「逃れの船」とは、
あの大洪水に備えた老いたるノアの巨大な「箱舟」以来の彼らのトラディションでもあると言えるだろう。


ところで、きょうのこの曲で紹介曲が通算で700曲(!)になりました。*3
みなさん、いつもご覧いただき、返すがえすも、どうもありがとうございます。

では、つづけて、
上註で触れたクロスビー・スティルス&ナッシュのフルアコースティックなヴァージョンをご一緒に聴いてみましょう。

*1:クロスビー・スティルス&ナッシュのデイヴィッド・クロスビーとスティーヴン・スティルスと、ジェファーソン・エアプレーンのポール・カントナーによる作品で、両グループとも前後してそれぞれのヴァージョンをレコーディングしている。

*2:ジェファーソン・エアプレーンよりも何ヶ月か早く発表されたクロスビー・スティルス&ナッシュの3人によるトラックでは、(クロスビーたち3人が自分たちの考えで省略したのか)(あるいは作者のひとりでもあるジェファーソン・エアプレーンのポール・カントナーが(自分たちのレコーディングに際して)(独自の歌詞を)書き加えたのか)、冒頭の歌詞や終わりの部分、そして途中の一部にも(ジェファーソン。エアプレーンのものとはかなりの)異同があり、(それによって)(ポール・カントナーの急進的なストレートな傾向や独自のヒッピー色を弱めるかたちで)ジェファーソン・エアプレーンのこの歌にある(既成の体制社会との)対立の色藍を緩和して、クロスビーたちの3人は、よりフィクシャスな曖昧な海へと彼らの木の舟を出しているかのように(わたしには)聴こえるのだが、どうだろうか? 参考までに別個に、次に彼らクロスビー・スティルス&ナッシュの「木の舟」を併録しておくとしよう。

*3:後日、2006年4月29日のエントリーに1曲追加収録したため、実際には昨日のランディ・ニューマンの「セイル・アウェイ」が700曲目になります。