■ Caroline Says Ⅱ  (上記URLより再掲載)

Words & Music by Lou Reed.
(1973年発表)



(原題直訳 「キャロラインが言うには 2」)



From Lou Reed album, "Berlin".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「ベルリン」 (ルー・リード



歌詞は、次のURLから
http://www.lyrics.net.ua/song/57891



名曲度 ☆☆☆



邦題 「キャロラインのはなし(2)」 (ルー・リード





Caroline says
キャロラインが言う
As she gets up off the floor
ゆかから身を起こしながら
Why is it that you beat me ?
どうしてぶつのよ? あたしのこと
It isn't any fun ?
そんなことして楽しいわけ?



Caroline says
キャロラインが言う
As she makes up her eyes
アイラインを入れながら
You ought to learn more about yourself
あなた、もっと自分のことを学ぶべきよ
Think more than just I
もっとよく考えなさい、
ただおれがっていうんじゃなくて*1



But she's not afraid to die
だけど、彼女は、
死ぬのなんか恐れていない
All her friends call her ";Alaska";
友達みんなから「アラスカ」と呼ばれている彼女
When she takes speed, they laugh and ask her
その彼女がスピードをやると、
みんなはあいつに笑って訊く
What is in her mind ?
頭の中で何を考えてるんだい?
What is in her mind ?
何を考えてるんだろう、この女は。



Caroline says
キャロラインが言う
As she gets up off the floor
ゆかから身を起こしながら
You can hit me all you want to
ぶちなさいよ、ぶちたいだけぶてばいいわ
But I don't love you anymore
だけど、もう
あなたのことなんか
好きじゃないからね、あたし




Caroline says
キャロラインが言う
While biting her lip
唇を噛みながら
Life is meant to be more than this
生きているのって、こんなんじゃないはずよ
もっと何かあるはずだわ
And this is a bum trip
こんなのってないわよ、ひどいじゃない



But she's not afraid to die
だけど、彼女は
死ぬのなんか恐れていない
All her friends call her ";Alaska";
友達みんなから「アラスカ」と呼ばれている彼女
When she takes speed, they laugh and ask her
その彼女がスピードをやると、
みんな笑って彼女に訊く
What is in her mind
頭の中で何を考えてるんだい?
What is in her mind ?
いま何を考えてるのさ?



She put her fist through the window pane
その彼女が窓ガラスを叩き割って手首をあてた
It was such a funny feeling
あれはなんだか滑稽な感じがした



It's so cold in Alaska
アラスカはとっても寒いところだ
It's so cold in Alaska
アラスカはとっても寒いんだぜ
It's so cold in Alaska
アラスカが こんなに 冷たく なっている。






Translated into Japanese tonight by komasafarina.






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アルバムのA面が「ベルリン」という既発表曲の引用というかたちでひとつの和やかな思い出からはじまったのとは対照的に、アルバムのB面の冒頭のこの曲では、主人公キャロラインの「自殺」という驚くべき事態が告げられて開幕する。*2




It's so cold in Alaska
It's so cold in Alaska
It's so cold in Alaska


アラスカはとっても寒いところだ
アラスカはとっても寒いんだぜ
アラスカが こんなに 冷たく なっている。



英語では同じ「It's so cold in Alaska」の繰り返しだが、
ルー・リードの歌の力が聴く者のハートに直接働きかけてきて、
上述のとおり、語り手の内面の声として届けられるのだ・・・・。

「アラスカの中がこんなに冷えきってしまっていた」のを知った彼の驚き、


この「アラスカ」という地名の実に巧妙な用法は、詩人としてのルー・リード*3の面目躍如といったものがある。




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【A Year Ago−Go!】




(1年前のエントリーを Playback♪)



こちらは随分と楽天的でエネルギッシュだが、
やはり社会の下層に生きる水上生活者たちのロマンチックな生活が歌われている。


・「プラウド・メアリー」 (クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050521

*1:・・・アイラインを入れながら、鏡に映る自分に向かって話しかけているのだとしたら・・・・、ここは「もっと自分のことをわからなきゃダメよね/ただ、あたし、あたしってだけじゃなくて/もっとよく考えないと」と聴くべきなのかもしれない「You ought to learn more about yourself / Think more than just I」

*2:だが、それが未遂だったことが(明後日に紹介する)「ベッド」という歌で判明することになるわけだが、しかし(この物語の映画監督(?)としては)、やはり、ここでは彼女が自ら命を絶ってしまったかのようにこのシーンを描いておきたいものなのだ。

*3:ぼくは仕事で滞在したニューヨークで運よく彼の詩の朗読会に参列する機会を得たことがある。セイント・マークス・プレースというヒップなエリアの教会で行われた地域の何かの基金集めのイヴェントで、多くの地元の詩人にまじっての朗読で、とくに彼がメインということではなかった。あの例の喋り口調の朗読に魅惑されて、また、あの小柄(だよねー?)なチャーミングなプレザンスにすっかり目を奪われてしまって、聴覚と脳の回路が切断されたまま(詩の内容はすっかり把握できぬまま)ただひたすらうっとりとしてしまい、最後に彼が何かオチのようなフレーズを呟いて(あたかも、ホラ、そこのキミ、目を覚ましなさいといわんばかりに)指をパチンと鳴らして、それで彼の朗読が終わった、それがすっげえカッコよくて、いまでもあれはぼくにとって何か特別な瞬間として記憶されている。