Men Of Good Fortune

Words & Music by Lou Reed.
(1973年発表)




(原題直訳 「資産家の生まれの男」)




From Lou Reed album, "Berlin".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「ベルリン」 (ルー・リード





歌詞は、次のURLから
http://www.lyricsondemand.com/l/loureedlyrics/menofgoodfortunelyrics.html






名曲度 ☆☆☆




邦題 「富豪の息子」 (ルー・リード








Men of good fortune,
生まれの裕福な男たちは
Often cause empires to fall
よく帝国の没落の原因となることがある
While men of poor beginnings,
と同時に、貧しい生い立ちの男たちは
Often can't do anything at all
だいたい、何事につけ
たいしたことはできやしないもの




The rich son waits for his father to die
金持ちの息子はその父親が死ぬのを待ちわび
The poor just drink and cry
貧乏人はひたすら飲んで、喚くだけ
And me I just don't care at all
で、ぼくはといえば
そんなことは全然どうだっていいんだよなあ




Men of good fortune,
裕福な生まれの男たちは
Very often can't do a thing
ほとんどだいたい、ろくなことはできないもの
While men of poor beginnings,
その一方で、生い立ちの貧しい男たちは
Often can do anything
しばしば、どんなことでもやれてしまうもの
At heart they try to act like a man
心の中で、自分たちも一人前の男らしく振舞おうとして
Handle things the best way they can
自分たちにできる最上のやり方で物事をこなしていく
They have no rich daddy to fall back on
あの連中には頼り甲斐のある、お金持ちのパパちゃまはいないのだ




Men of good fortune,
裕福な生まれの男たちは
Often cause empires to fall
しばしば帝国の失墜の原因となってしまう
While men of poor beginnings,
と同時に生い立ちの貧しい男たちは
Often can't do anything at all
だいたいにおいて、何事につけ
たいしたことはできないもの
It takes money to make money they say
世間では、金を儲けるには金がいると言うけれど
Look at the Fords,
あのフォード家を見るがいい
But didn't they start that way
そうだろ、あいつらのはじまりはそういうのじゃなかったんだぜ
Anyway, it makes no difference to me
いずれにせよ、このぼくにはどっちでもいいことだけどもな




Men of good fortune,
生まれの裕福な男たちは
Often wish that they could die
よく自分たちが
死んでしまえるものならば、と願っているものだ
While men of poor beginnings
その反面、生い立ちの貧しい男どもは
Want what they have
あいつらが手にしているものを欲しがり
And to get it they'll die
そして、それが手に入るものなら
死んだっていいぜ、てなつもりでいるものなんだ
All those great things that live has to give
生きてるってことがもたらしてくれることになる、そういう大いなるもの
They wanna have money and live
人はカネを手にしたいのだ
そして、生きたいのだ
But me, I just don't care at all
ところが、このぼくときたら
ぼくはただどうだっていいんだ、全然な




Men of good fortune
生まれの裕福な男たち
Men of poor beginnings
貧しい生い立ちの男たち






Translated into Japanese tonight by komasafarina.







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アルバム全編を通じて、この物語の語り手であり、
また自らも副主人公格の登場人物でもあるこの若い男は、
きょうのこの歌のタイトルからも察せられるように、おそらく裕福な家の生まれなのだろう、
それも並大抵の豊かさではないようだ、




Men of good fortune,
Often cause empires to fall*1

生まれの裕福な男たちは
よく帝国の没落の原因となることがある




この「帝国」というのが「国家」そのもののそれなのか、あるいは「帝国」に喩えられる巨大財閥クラスの企業連合体を指してのものなのか、そのあたりは詳らかではないのだが、(聴く者の脳裡に描かれる「物語」を推進させるその動力源のためには)少なくとも、そうした企業グループの総帥の家に生まれた不肖の息子なのだろう(としておくことが好都合であるようだ)。


そして、また、彼はアメリカ人であるだろう。
このことはこの物語には欠かせない必須の要素ともなるだろう。


そして、そんな育ちのよい、おそらくは気立ても優しいだろうウブな若者の彼が(きのうの歌「レディ・デイ」で歌われていたその)「女」と生活をともにする中で、彼は(彼女の周囲にわんさといる)多くの「生い立ちの貧しい」(そして、(その彼からすれば)おぞましげな)者たちの中で暮らすことになる。


それでは、つづけて、
その彼が惚れてしまったその女性、キャロラインの横顔を、彼自身の口から語ってもらうとしてみようか。


※ 
で、次の歌「キャロラインが言うんだ」となるのだが、
この歌は(すでに1年3ヶ月ほどまえに)(べつの流れの中で)すでにここでは紹介済みになっているので、
そのURLとともに、あらためて(本日の)「附=録」というかたちで次に再録するとしておく。


・「キャロラインの話(1)」Calorine Says (I) 

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050223#p1  (初出)

*1:中国や日本にも「傾城」とか「傾国」という言葉があるが、こちらはもっぱら国を危うくするほどの美貌を持った女性の喩えに用いられる語だ。もちろん、その美貌と魅力で国の権力者を堕落させるということで「帝国の失墜の原因となる」ということだ。