Ohio
Words & Music by Neil Young.
(1970年発表)
(原題直訳 「オハイオ」)
Performed by Crosby, Stills, Nash and Young.
You can listen to Crosby, Stills, Nash and Young compilation,
"So Far".*1
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆
「ソー・ファー 〜華麗なる栄光の道」 (クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)
Also you can listen to Crosby, Stills, Nash and Young live album,
"Four Way Street".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆
「4ウェイ・ストリート」 (クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)
And you can listen to Neil Young compilation, "Decade".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆
「ディケイド〜輝ける10年」 (ニール・ヤング)
歌詞は、次のURLから
http://www.searchlyrics.org/neil_young/ohio.html
名曲度 ☆☆☆
邦題 「オハイオ」 (クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)
Tin soldiers and Nixon coming
ブリキの兵隊とニクソンがやって来る*2
We're finally on our own
ぼくらはとうとうぼくらだけになってしまった*3
This summer I hear the drumming
この夏、ぼくは太鼓の響きを聞いている
Four dead in Ohio
オハイオでの4人の死者よ*4
Gotta get down to it
いいか、落ち着くんだ
Soldiers are cutting us down
兵隊たちがぼくらを征伐しているんだ*5
Should have been done long ago
ずっと以前にやっておくべきことだったのに
What if you knew her
もしも、きみが彼女を知っていて
And found her dead on the ground?
そして
その彼女が地面に倒れているのを見つけたとしたら
どうだろう?*6
How can you run when you know?
どうして逃げ出していけるだろう?*7
Gotta get down to it
いいか、落ち着くんだ
Soldiers are cutting us down
兵隊たちがぼくらを征伐しているんだ*8
Should have been done long ago
ずっと以前にやっておくべきことだったのに
What if you knew her
もしも、きみが彼女を知っていて
And found her dead on the ground?
そして
その彼女が地面に倒れているのを見つけたとしたら*9
どうだろう?
How can you run when you know?
知ってる人だとしたら
どうして逃げ出していけるだろう?
Tin soldiers and Nixon coming
ブリキの兵隊とニクソンがやって来る*10
We're finally on our own
ぼくらはとうとうぼくらだけになってしまった*11
This summer I hear the drumming
この夏、ぼくはこの太鼓の響きを聞いている
Four dead in Ohio
オハイオでの4人の死者*12
Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞
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(No celeblation was going on that day.)*13
1970年5月4日オハイオ州立ケント大学*14構内で、ヴェトナム戦争のカンボジアへの秘密裡の拡大*15に抗議する集会を開催していた学生たちに、(出動した)合衆国州兵*16が発砲、4人の死者をはじめとする合計13名の死傷者が出るという衝撃的な出来事があった*17。州兵の銃撃は、催涙弾の発射などの鎮圧行動の末に同日の午後12時24分からおよそ13秒間にわたって(メートル換算すると)(82メートルから118メートルの距離から)行われ、死者のうちの2名、負傷者のうちの数名はデモの直接の参加者ではなかった*18ことから、その銃撃の模様が推察できるだろう。
アメリカの軍隊が自国の子供たちに向けて発砲し、4人の(白人)学生を射殺するというこの出来事は、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの4人にも衝撃を与え、4人はニール・ヤングが書き上げた曲をもって、ただちにスタジオに入り、これをレコーディング*19、併せて(シングル盤の)B面用に(その場で)「自由の値」Find The Cost Of Freedom を書き上げ、録音、そのまま4人を中心にポストプロダクション作業に入ってトラックを完成し、レコードのプレスが出来上がるまでの間、アセテート盤のサンプル盤が全米各地のラジオ局に送られ、ニール・ヤング独特のあのギターの音で繰り返される重たい車輪が回るようなリフと「オハイオでの4人の死者(♪four deads in Ohio)」という歌詞によって示された彼らの怒りと悲しみ(日本語には「悲憤」という言葉がありますね)が全米各地に(広く共鳴の輪を)広げ、それまで比較的穏健だった理系の大学にも抗議の波が広がるなど、オハイオの合衆国州兵軍によるこの学生射殺の暴挙の余波は(確実にこの歌によって力強く)アメリカ全土に拡大されたと見てよいだろう。そして、この出来事の10日後になって発売された彼らのシングル「オハイオ c/w 自由の値」は全米チャートの8位にまでのぼる大ヒットとなった。
では、次にそのB面の曲「自由の値」を聴いてみましょう・・・・・。
*1:このジャケットのマーカー描きのイラストはジョニ・ミッチェルの手になるものですよー。
*2:http://www.thrasherswheat.org/gifs/kent_state_firing.jpg
*3:http://www.thrasherswheat.org/gifs/ohio-kent-rage-taunt.gif
*4:http://aztlan.net/kentstate5.htm
*5:http://www.thrasherswheat.org/gifs/ohio-kent-bayonets.gif
*6:http://www.thrasherswheat.org/gifs/kentstate_nytimes.jpg
*7:http://www.thrasherswheat.org/gifs/kent-state-life-1970-may-15-.jpg
*8:http://aztlan.net/kentstate3.htm
*9:http://aztlan.net/kentstate4.htm
*10:http://aztlan.net/kentstate6.htm
*11:http://aztlan.net/kentstate2.htm
*12:アリソン・クローズ(19歳)、ウィリアム・スクローダー(19歳)、ジェフリー・ミラー(20歳)、サンドラ・シャウアー(20歳)の4人。他に生涯にわたる身体の麻痺を負うことになった重傷者もいる。この歌の註としてリンクした上記の画像や情報の多くは、いずれも次のURLからのもの> http://www.thrasherswheat.org/fot/ohio.htm
*13:http://www.thrasherswheat.org/gifs/kentstate_banner.jpg
*14:のちにイギリスに渡り、プリテンダーズでスターになるクリッシー・ハインドは、この出来事の当時、ケント大学に通う女子大生だった。また、2002年に「When Pigs Fly」という異色の(キッチュな)カバー・コンピレーション・アルバムでこの歌「オハイオ」をカバー・リメイクしたディーヴォのマーク・マザーズボウ(ヴォーカル、キーボード)とジェリー・カザール(ヴォーカル、ベース)も(その後の)ケント大学に学んだ同校のOBだそうだ。
*15:アメリカ軍は議会を通さず、(つまり)(戦線をカンボジア領内に拡大する)新たな法の制定を経ずしてこれを行っていたことが(その前日に)暴露されていた。
*16:いわゆる各州の州兵とはべつの U.S.National Guard で、いくつかの州の州軍の下に所属する合衆国の軍隊、つまり(当時としては合衆国大統領の)「ニクソン」の軍隊である。
*17:しかし、同日の午前9時をもって施行された(「Martial Law」なる)法律によって(合衆国憲法修正第1条によって保障されていた各種の自由には制限が加えられ、その時点における学生たちの集会は(同日、午前9時をもって)違法なものとなっていた、つまり)、州軍のその行動は法に適ったものとなっていたのだ。
*18:たまたま近くの校舎から出て来て集会のそばを通りかかったり、そばに駐めてあったクルマを出そうとしていた者など
*19:このレコーディングの後、デイヴィッド・クロスビーは涙をこらえきれなかったとニール・ヤングが(1978年に発表した)(彼のコンピレーション・アルバム)「ディケイド〜輝ける10年」Decade のライナーノーツに記している。