Song To Woody


Words & Music by Bob Dylan.
(1962年発表)


(原題直訳 ウディへの歌」)




From Bob Dylan album, "Bob Dylan".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

ボブ・ディラン」 (ボブ・ディラン




歌詞は、次のURLから
http://bobdylan.com/songs/woody.html




名曲度 ☆





邦題 「ウディに捧げる歌」 (ボブ・ディラン







I'm out here
ぼくはやって来た、ここに
A thousand miles from my home,
故郷から一千マイルも
Walkin' a road other men have gone down.
他の人間たちが通ってきた道を歩いて来た
I'm seein' your world of people and things,
ぼくは見ました
あなたの歌の世界の人間たちやいろんな物事を
Your paupers and peasants
あなたの歌の浮浪者たち農民たち
And princes and kings.
そしてお姫様たちに王様たち*1




Hey, hey Woody Guthrie, I wrote you a song
ヘイ、ヘイ、ウディ・ガスリー
あなたにぼくは歌を書いたんです
'Bout a funny ol' world that's a-comin' along.
普段のこのおかしな、おいぼれた世界のことを
Seems sick an' it's hungry,
見た目、病んでいて、そして飢えてる世界
It's tired an' it's torn,
くたびれてるし、引き裂かれてるこの世界
It looks like it's a-dyin'
まるで死にかけてる様子の
An' it's hardly been born.
そして、とても生まれ変わりそうにない世界




Hey, Woody Guthrie,
ヘイ、ウディ・ガスリー
But I know that you know
でも、ぼくにはわかります
All the things that I'm a-sayin' an' a-many times more.
あなたは
ぼくがいま言いつつあることすべてを
しかも、その何倍も何倍もよくわかっているのだということを
I'm a-singin' you the song,
ぼくはあなたに歌を歌っています
But I can't sing enough,
だけど、ぼくには十分に歌えません
'Cause there's not many men that done the things that you've done.
だって、あなたがしてきたことをやってきたような人間は
そんなめったにいないのですから




Here's to Cisco an' Sonny an' Leadbelly too,
この歌はまたシスコ*2やサニー*3やレッドベリー*4へのものでもあるんです
An' to all the good people that traveled with you.
そして、あなたと旅をしてきたすべての素晴らしい人たちにも
Here's to the hearts and the hands of the men
That come with the dust and are gone with the wind.
この歌は
埃とともに出で来たり(ルビ:いできたり)、そして風とともに去りゆくという人たちの
ハートと手に捧げるものなのです




I'm a-leaving' tomorrow,
明日、ぼくは発とうとしています
But I could leave today,
でも、きょう発つこともできるんです
Somewhere down the road someday.
いつの日にか旅先のどこかで
The very last thing that I'd want to do
ぼくがやってみたいことのそのいちばんのことは
Is to say I've been hittin' some hard travelin' too.
「おれだってけっこうきつい旅をしてきてるんだぜ」なんて言ってみることなんです。*5







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞







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まだ、20歳かそこらのディランの作品。
(彼にとって)凄い人! であるウディ・ガスリーへの畏れと憧れがとてもよく滲み出いる。歌のスタイルもギターの演奏も曲の構成も、もろ典型的なウディ・ガスリーのスタイルを踏襲している。






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【A Year Ago−Go!】


(1年前のエントリーを Playback♪)



・「モンタレー」(エリック・バードン&アニマルズ)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050207

*1:ガスリーは子供向けの歌もたくさん作っている。

*2:シスコ・ヒューストン、ガスリー同様、大恐慌時代のアメリカを放浪したフォーク・シンガー。ガスリーやレッドベリーとの親交も有名、とくにガスリーとは26年に及ぶよき協力者としてともに旅をしともに歌うという相棒としての役割を果たしていた。

*3:サニー・テリー、ブラウニー・マクギーとのコンビで知られるブルース・シンガー、ハーモニカ・プレイヤー。ガスリーの仲間のひとりである。

*4:「グッド・ナイト・アイリーン」などで知られる黒人のフォーク・シンガー、ブルース・シンガー。ウディとはアメリカの国会図書館に自作フォークソングをはじめ数時間に及ぶ録音を残している。

*5:ガスリーの代表作「Hard Travelin'」(「つらい旅路」)の歌詞の一節をなぞったもの。とにかくディランは子供の頃にガスリーの自伝「Bound For Glory」を読んで以来、すっかりガスリーを偶像視して「放浪の吟遊詩人の民衆歌手」たるフォーク・シンガーのイメージに自分を重ねようとしてきたという。