John Barleycorn


Words & Music unknown
(English traditional folk song)
(1970年発表)



(原題直訳 「大麦太郎」*1



From Traffic album, "John Barleycorn Must Die".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆*2


「ジョン・バーレイコーン」 (トラフィック

Also on the Watersons album, " Frost and Fire: A Calendar of Ceremonial Folk Songs". *3

Also on the Steeleye Span album, "Below The Salt". *4
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆
歌詞は、次のURLから
http://www.lyricskeeper.com/traffic-lyrics/212030-john_barleycorn-lyrics.htm




名曲度 ☆☆☆☆☆





邦題 「ジョン・バーレイコーン」*5 (トラフィック








There were three men came out of the West,
東の地から三人の男がやって来て*6
Their fortunes for to try,
彼らの運試しに挑んだ
And these three men made a solemn vow:
そして、これら三人の男たちは厳かな祈りを上げた
John Barleycorn must die.
ジョン・バーリーコーンは死なねばならぬと




They've ploughed, they've sewn, they've harrowed him in,
三人は鋤を手に耕し、水をまき、砕土具で土を細かくしてそこに彼をねかし
Threw clods upon his head,
その頭に土をかけて埋めたのだった
And these three men made a solemn vow:
そして、三人の男たちは厳かなる祈りを唱えたのだ
John Barleycorn was dead.
ジョン・バーリーコーンは死なねばならぬと




They've let him lie for a very long time,
三人は長い期間にわたって彼をよこたえ
'Till the rains from heaven did fall,
やがて、天から雨が降って来た
And little Sir John sprung up his head,
すると、幼いジョン卿はその頭をもたげ起こし
And so amazed them all.
そう、こうして人々みんなをびっくりさせたのだ




They've let him stand‘till midsummer's day,
三人は真夏のある日まで彼を立たせたままにしておいた
'Till he looked both pale and wan,
やがて、彼は青ざめた力のない顔になり
And little Sir John's grown a long, long beard,
そして、幼いジョン卿には長い長い髭が伸びてきて
And so become a man.
そして、かくして大人の男となったのだった





They've hired men with the scythes so sharp,
三人はひじょうに刃先の鋭い大鎌を持った男たちを雇い入れると
To cut him off at the knee,
膝のところから彼を切り倒させた
They've rolled him and tied him by the way,
彼らは道端に彼を転がし、縛り上げ
Serving him most barbarously.
この上なく酷い仕打ちを彼にした




They've hired men with the sharp pitchforks,
三人は先の尖った乾草用三叉を持った男たちを雇い入れると
Who pricked him to the heart,
彼らは心臓に届くまで彼を突き刺した
And the loader he has served him worse than that,
そして、彼の身を任された人夫はそれよりもひどいことに
For he's bound him to the cart
荷車に彼を縛りつけたのだった




They've wheeled him around and around the field,
三人はその車で彼を運んだ、野原一帯を荷車で運び
'Till they came unto a barn,
やがて納屋のところまでやって来ると
And there they made a solemn oath,
そして、そこで三人は厳かな祝詞を上げた
On poor John Barleycorn.
この哀れなジョン・バーリーコーンにまつわるものだ




They've hired men with the crab-tree sticks,
三人は人を雇って林檎の木の枝を持たせて
To cut him skin from bone,
その骨から彼の皮膚を剥ぎ取らせた
And the miller he has served him worse than that,
そして、彼が連れて行かれた粉屋はそれよりもまだひどいことに
For he's ground him between two stones.
彼を2つの石の間で挽いてしまったのだ




And little Sir John and the nut-brown bowl,
そして、この幼いジョン卿と栗色の椀、
And he's brandy in the glass;
そう、彼はグラスに入ったブランデー*7となっていた
And little Sir John and the nut-brown bowl,
そう、幼いジョン卿と栗色の椀は
Proved the strongest man at last.
ついに彼が最強の男であることを証明したのだ




The huntsman, he can't hunt the fox,
狩人は、狐を獲るどころではなくなり
Nor so loudly to blow his horn,
その角笛を大きな音では吹かなくなり
And the tinker he can't mend kettle nor pot,
そして鋳掛屋も薬缶もポットも修繕するどころではなくなってしまう
Without a little Barleycorn
ほんの少しでもこのバーリーコーンがありはしないとだ






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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どうやら、こちらはモルト・ウィスキーを歌ったヴァージョンのようですね。
飲みたくなりますなあ。

次は、同じ民謡を原曲としたビール・ヴァージョンをご紹介しましょう。

*1:「John Barleycorn」はビールでもウィスキーでも大麦麦芽モルト)を醗酵させた酒のこと。一般にビールの古い愛称。だいたい、こういうものの製造技術は、その昔は各修道院にそれぞれ特許や秘伝のようにして伝えられていたものだった。これは地元の農民たちの目から見た歌だろう。

*2:まさに名作の名がふさわしいトラフィックの最高傑作、ラテン、ジャズ、民謡、ブルース、ロック・・・・とハイブリッドな音楽が見事なまでに融合され、それこそ「交=通」(トラフィック)している。できれば、ボーナス・トラックなどの入っていないオリジナルの6曲構成の盤で聴くべきです。できなくてもそうしましょうw。

*3:トラフィックがこの歌を知ったのは、ウォーターソンズというヨークシャーの(ウォータースン家の兄弟姉妹やいとこなどからなる)フォーク・グループの1965年に発表されたこのアルバムを聴いたクリス・ウッドによってのことだった。

*4:これは別個にきょうの日付でつづけてその日本語訳を紹介していますので、どうぞ

*5:スティーヴ・ウィンウッドの繊細なフィンガーピッキングによるアコースティック・ギター1本で歌われ、やがてジム・キャパルディのタンバリンや鈴など軽打楽器が徐々に加わり、キャパルディとウィンウッドのまった異質な声質の作り出すハーモニーが中世イングランド風の趣を醸し出し、そこにクリス・ウッドのフルートの旋律がかぶさり・・・・ともうトラフィックの美しいの極致みたいな一篇だ。

*6:エスの誕生の夜に東方からやってきた三博士を連想させる思わせぶりな冒頭である。

*7:のような強い香ばしい酒