Jumpin' Jack Flash

Words & Music by Mick Jagger and Keith Richards.
(1968年発表)



(原題直訳 「跳躍するジャック・フラッシュ」(人名))



Performed by The Rolling Stones.


You can listen to The Rolling Stones compilation albums,
such as "Through The Past Darkly ( Big Hits Vol.2)".
推奨アルバム度 ☆☆☆

「スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒッツVol.2)」
 (ローリングストーンズ)


Also on their live album, "Get Yer Ya-Ya's Out!".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」 (ローリングストーンズ)


Also you can listen to Aretha Franklin album, "Aretha",
名作アルバム度 ☆☆
「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」 (アレサ・フランクリン

And Johnny Winter And live album, "Live Johnny Winter And ".
名作アルバム度 ☆☆

「ライブ」 (ジョニー・ウィンター・アンド)



歌詞は、次のURLから
http://www.keno.org/stones_lyrics/jumping_jack_flash.htm


名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」 (ローリング・ストーンズ








I was born in a cross-fire hurricane
おれは
十字砲火状のハリケーンのさなかに生まれた
And I howled at my ma in the driving rain,
そして、おれはおふくろに向かって吠え立てた
激しく降りしきる雨の中でな
But it's all right now, in fact, it's a gas!
だけど、いまは万事大丈夫、事実、これは駄法螺なのさ!
But it's all right. I'm Jumpin' Jack Flash,
だけど、すべて大丈夫、
おれはジャンピング・ジャック・フラッシュだ
It's a Gas! Gas! Gas!
こいつはおかしい!
うまくいったぜ!笑えるぜ!




I was raised by a toothless, bearded hag,
おれは歯抜けの髭の生えた鬼婆の手で育てられた
I was schooled with a strap right across my back,
背中じゅう革紐で叩かれて教育されたんだ
But it's all right now, in fact, it's a gas!
だけど、いまじゃ万事大丈夫さ、事実、これは駄法螺なんだ!
But it's all right, I'm Jumpin' Jack Flash,
だけど万事大丈夫さ
おれはジャンピン・ジャック・フラッシュ
It's a Gas! Gas! Gas!
こいつはおかしい!
うまくいったぜ!笑えるぜ!




I was drowned, I was washed up and left for dead.
おれは溺れた、おれは打ち上げられて、死ぬまで放置された
I fell down to my feet and I saw they bled.
おれは膝から崩れ落ち、おれは見たんだ
やつらの血が流れたのをな
I frowned at the crumbs of a crust of bread.
おれはパンの皮のかけらに眉間のしわを寄せた
Yeah, yeah, yeah
そうだ、そうだ、そうだ
I was crowned with a spike right thru my head.
おれは頭に棘が刺さるような王冠を冠せられた
But it's all right now, in fact, it's a gas!
だけど、いまは大丈夫さ、事実、これは駄法螺なのさ!
But it's all right, I'm Jumpin' Jack Flash,
だけど万事大丈夫、おれはジャンピン・ジャック・フラッシュ
It's a Gas! Gas! Gas!
こいつはおかしい!
うまくいったぜ!笑えるぜ!



Jumpin' Jack Flash, its a gas
ジャンピン・ジャック・フラッシュ、笑えるぜい!
Jumpin' Jack Flash, its a gas
ジャンピン・ジャック・フラッシュ、おかしいぜ!
Jumpin' Jack Flash, its a gas
ジャンピン・ジャック・フラッシュ、法螺話よ!
Jumpin' Jack Flash, its a gas
ジャンピン・ジャック・フラッシュ、うまくいったぜ!






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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「イッツ・ア・ガス!」を日本語にせよ言われても困るのだが、上の訳もけっして間違いではないだろう。


ひとまず、それは置くとして、で、タイトルの「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」には世界中に諸説ございます。いかにも一時期のストーンズのイメージにピッタリだったのか、長く有力視されておりましたのが、涙腺だか涙管だかに射つヘロイン注射でございます。それが「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」だと宣う説がございまして、注射ピュッピュッでヘロヘロインモラルなのでしょうか、こちとら極東のお肌の黄色い堅気っコにはどうにもピンと来やしまへんのや。そこで、このあっしがまったく根拠もなしに即興で勝手に想像いたしましたのが、こんなお話でございます・・・・。


あるとき、ストーンズのメンバーたちがそのスタッフともどもツアーの楽屋だかホテルのスイートルームだかでポーカーをしておったんでごぜえまス。とマァそう考えておくんなまし。トランプのカードゲームのポーカーでございます。んで、クールな(ふりした)レイズの応酬の末に、いよいよコールとあいなりまして、誰かが(やっぱりキースさんあたりでございましょうねえ)が「ほいなッ、おいら、フラッシュだぜん!」とテーブルにカッコよくカードをオープンしようとしたときに何とジャックの札だけが勢いよく跳びはねてテーブルの上を舞ったのございますな。んで、その場のみなさん、葉っぱでしっかりストーンしてたもんですから、そのジャックのカードの跳びはねが、それはそれは誠に美しい弧を描いてアメリカン・ニューシネマに多用されますハイスピード撮影=スローモーション風の弧を描いてテーブル上を文字どおり舞ったのでございます。一同そのジャックのカードの美しき跳躍に見とれてしまいまして、誰ともなく(今度はミックさんにいたしましょうか)「ジャンピング・ジャック・フラッシュだぜ、こいつぁイイや(イッツ・ア・ガス)!」と言ったのが一同にウケて、みなさん声を揃えて「イッツ・ア・ガス! 笑えるぜい、こいつぁイイわ! 曲に使えるぜい」ってことになりまして・・・・

 ってこれもマァ、イッツ・ア・ガスな駄法螺でごぜーますだが、「ジャンプ」と「ジャック」と「フラッシュ」のこのわたくしの三題噺なのでありましたわけですが!


さてさて、いかがでございましたでしょうか。交流戦も終わりにさしかかり、セントラル・リーグペナントレースの行方はタイガーズかドラゴンズか、長瀬か岡田か、いや、おあとはよろしくおレゲエしやす!



ってことで、座布団なり、投げ銭なり、クッションなり、抱き枕なり、トラックバックなり、なんでも送っておくれやギミサムラビン’


・・・なんて言ってますけど、ちょっと真面目に本題に帰りますと・・・・・・




I frowned at the crumbs of a crust of bread.
Yeah, yeah, yeah
I was crowned with a spike right thru my head.

おれはパンの皮のかけらに眉間のしわを寄せた
そうだ、そうだ、そうだ
おれは頭に棘が刺さるような王冠を冠せられた




このくだりは「新約聖書」の福音書を思い出してしまいますね。
エスがパンを殖やすくだりと、捕らえられ、処刑をまえにしたイエスが苦艾(ニガヨモギ)の冠をかぶせられてローマ軍の兵士にからかわれるくだりが、おのずとオーバーラップしてきます。



しかし、おどろおどろしいイメージを見せておいて、♪ジャンピング・ジャック・フラッシュ、駄法螺だぜい、笑えるぜい! とやり、さらに再び、おどろおどろなイメージを展げてておいて、またしても ♪ジャンピンジャックフラッシュ、駄法螺だぜいとやる。この曲の構造、すなわち、おどろおどろから踊ろ踊ろう♪になっていく、この跳躍の契機になっているのが、実に響きのいい「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」というフレーズでありまして、「イッツ・ア・ガス」と言われた途端に(それが英語族とって何を意味するかなどはまるで関係なしに)、まさしく「ガス」のようにすべては霧散し、霧消するようにしてガスと化す、すなわち気化していってしまう。


そう、これが「ガス」というスラングの使い方なのでしょうか。すべてが霧散、霧消するように、あたかも気化してしまったかのように消えてしまう・・・・・・。重苦しい雰囲気も、おいしい儲け話も、よろず心配事も、、それなりの安定も、それが何であれ、「イッツ・ア・ガス!」とばかりにすべてチャラになってしまう。それまでのポーカーの場にしても、キースがフラッシュで勝って、賭け金の精算が済めば、イッツ・ア・ガス!とゲームは次の場になっていくわけですね。


そして、ストーンズ自体も、この「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」というシングル盤で(それまでしばらくつづいていた)「ルビー・チューズデー」や「ウィー・ラヴ・ユウ」や「シーズ・ア・レインボー」や「ダンデライオン」とか、アルバム「ゼア・サタニック・マジェスティーズ」といった一連のフラワーでサイケデリックな(明らかに彼らにとっては混迷としか思えない)時期を「イッツ・ア・ガス」とばかりに一気にご破算にして、このシングルにつづく「ベガ−ズ・バンクェット」(乞食の晩餐)で新たなフェーズに突き進んでいくことになる。


その後のストーンズが「レット・イット・ブリード」から「スティッキー・フィンガーズ」、さらには「メインストリートのならず者」へと快進撃をつづけるのは、すでにしてロック・ミュージックの歴史となっている。