(I'm your) Hoochie Coochie Man

Words and music by Willie Dixon.
(1954年発表)




(原題直訳 「(おれはおまえの)フーチークーチーマン」)




Performed by Muddy Waters, and many others.

You can listen to Muddy Waters live album, "Muddy Waters At Newport".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

マディ・ウォーターズ・アット・ニューポート」 (マディ・ウォーターズ





歌詞は、次のURLから
http://www.bluesforpeace.com/lyrics/hoochie-coochie.htm





名曲度 ☆☆☆☆☆



邦題 「フーチー・クーチー・マン」 (マディー・ウォーターズ)






The gypsy woman told my mother
Before I was born
ジプシーの女が、おれが生まれるまえに
おふくろにこう告げたんだ
I got a boy child comin'
取り上げる子は男の子だよ
Oh Lord, he's gonna be a sun of a gun
おゝ、主よ、この子は凄い男になるよ
He's gonna make those pretty women, jump and shout
そこらじゅうのきれいな女をものにするよ
その子たちは跳びあがって叫ぶほどだよ
Then the whole wide world wanna know
そうやって世の中全体が知りたがるのさ
What it's all about
それがどういうことなのかを




But y'know I'm here
でも、わかるだろ
ここにいるおれのことさ
Everybody knows I'm here
みんなが知ってるこのおれさ
Well y'know I'm the hoochie-coochie man
そう、おれはフーチークーチーマン
Everybody knows I'm here
誰もが知ってるこのおれだ




I got a black cat bone,
おれは黒猫の骨を持ってるぜ*1
I got a mojo too
おれにはモージョ*2だってある
I got John the Conqueror,
甘芋の蔓*3
I'm gonna mess with you
おまえとハメを外すんだ
I'm gonna make you, pretty girl,
おれはおまえをものにするのさ
べっぴんさん
Lead me by the hand
案内せいや
Then the world will know, the Hoochie-Coochie Man
そうやって、世の中は知ることになるのさ
このフーチークーチーマンをな




But y'know I'm here
でも、わかるだろ
このおれのことだぜ
Everybody knows I'm here
皆さまご存知、このおれさ
Well y'know I'm the hoochie-coochie man
そう、わかるだろ、
おれがそのフーチークーチーマンだ
Everybody knows I'm here
誰もが知ってるこのおれだ




On the seventh hour, of the seventh day,
On the seventh month,
第7の月の第7の日の第7の時間に
The seventh doctor said:
7人目の医者が言ったんだ
"He's born for good luck, and that you see;
「この子はすばらしい運のもとに生まれた子だね
あんたにもわかるだろう」
I got seven hundred dollars,
おれは700ドル手に入れたぜ
And don't you mess with me?
一緒にハメを外してみないかい?




But y'know I'm here
だが、わかるだろ、このおれさ
Everybody knows I'm here
皆さまご存知、このおれでっせ
Well y'know I'm the hoochie-coochie man
そうよ、わかるか
このおれがそのフーチークーチーマンだ
Everybody knows I'm here
誰もが知ってるこのおれだ






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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「フーチー・クーチー」hoochie-coochieという言葉を解剖してみよう。
「フーチー」は「フーチ」hooch 、密造や闇販売の粗悪な酒のことを指す昔の俗語だ。
「クーチー」は「クーチ」cooch、女性器のことだが、解剖学的に(より局部的に限定するかたちで)言えば(おそらく)クリトリス clitoris のこと、その愛称となるのだろう。(日本語でも「クリちゃん」とかいったりする感じでの「クーチー」なのだろう)。
だから、「フーチークーチーマン」hoochie-coochie man とくれば、酒と女にゃ滅法強い男ということになるわけだ。
そして(どうせだから)この「フーチークーチーマン」は博奕にも強いのだとしておこう。




I got seven hundred dollars,
And don't you mess with me?

おれは700ドル手に入れたぜ
おれと一緒にハメを外してみないかい?




というのは(たぶん)ギャンブルの勝ち金だろう。まえの連の各種のお守りのご利益があったのだろう。いまの為替レートでも700ドルもあれば(ねえ、ベイビー)(たとえ物価の高い東京でも)ふたりで一晩けっこう遊べる*4

*1:ブードゥーの呪法のお守りのひとつ、言うことをきかない恋人を思いどおりにする力がある。インターネットを探すとこの黒猫の骨の取り出し方(時間、道具、骨の部位など)を詳述したものもあるが、かなり残虐なのでそれは略。

*2:魔力、おもに性的な面での威力。そこから麻薬を指すのにもつかわれる。本来は薬草や小鳥の羽や動物の内臓を乾かしていれたお守りの袋を「モージョ・バッグ」と呼んだ。また、恋の相手に仕掛けると作用する魔法の言葉、呪文のひとつでもある。ブルースにおいて、この「モージョ」mojo が性愛的な意味合いを持つようになったのは、1928年のブラインド・レモン・ジェファスンの曲「ロー・ダウン・モージョ」からだとする説があるが、そんなのはまず確認のしようはないだろう。

*3:イポメア属の植物の蔓で下痢性が強いので食せずポケットなどに入れて持ち歩くと賭け事など偶然による金運や幸運に恵まれるお守りとされている。また、携行すると性的なパワーを増強させる効果もあるそうだ。サツマイモの蔓でもいいのでやってみますか?

*4:しかし、例えば、東京で超一流の外タレのコンサートをS席で見て、その後、どこかできちんとした遅めの食事をして(イギリスやアメリカだとこれが逆になれる時間にコンサートがはじまるケースが多い)、それから軽くどこかそれなりのバーで飲んで、そのままふたりでどこかちゃんとしたところに泊まるとしたら、たぶん、700ドルじゃ脚が出ててしまうのではないでしょうか。世の中にはそういうお金をアテにして生業を営んで生活したり、それで子供を塾や学校に通わせている人たちがいっぱいいるわけですねえ。わたしはもとよりそんなお足のない平成のユーレイ市民でありますが(泣き)。