Have You Seen Your Mother, Baby, Standing In The Shadow

Words & Music by Mick Jagger and Keith Richards.
(1965年発表)



(原題直訳 「ベイビー、おまえは自分の母親が暗がりの中に立ってるのを見たことがあるかい?」)

Performed by The Rolling Stones.

You can listen to The Rolling Stones compilations,
such as "More Hot Rocks: Big Hits & Fazed Cookies".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆



Also you can listen to their live album, "Got Live If You Want It".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「ガット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット!」
ローリング・ストーンズ



歌詞は、次のURLから
http://www.keno.org/stones_lyrics/haveyouseenyourmother.html



名曲度 ☆☆☆




邦題 「マザー・イン・ザ・シャドー」 (ローリング・ストーンズ







Have you seen your mother, baby, standing in the shadow ?
おい、
おまえの母親が暗がりの中で立ってるのを見たことがあるかい?
Have you had another baby, standing in the shadow ?
暗がりに立ってるそこらの女とやったことがあるかい?
I'm glad I opened your eyes
おまえが目を開いてくれて、おれは嬉しいぜ
The have-nots have tried to freeze you in ice
持たざる者どもが
あんたのことを氷漬けにして凍らせちまおうとしてたんだ




Have you seen your brother, baby, standing in the shadow ?
おい、
おまえの兄弟が暗がりの中で立ってるのを見たことがあるかい?
Have you had another baby, standing in the shadow ?
暗がりに立ってるそこらの女とやったことがあるかい?
I was just passing the time
おれはただ時間をやり過ごしていただけさ
I'm all alone, won't you give all your sympathy to mine
おれはまるっきりひとりぼっちだ
おまえの思い入れをすべておれに向けてくれないかい?




Tell me a story about how you adore me
話して聞かせてくれよ、
おまえがどういうふうにおれに憧れてるのか
Live in the shadow, see through the shadow,
暗がりの中に住んで
暗がりの中を見通して
Live through the shadow, tear at the shadow
暗がりの中を生き抜いて、暗がりに涙して
Hate in the shadow, and love in your shadowy life
暗がりの中で憎み、そして愛する
おまえの虚ろな暮らし




Have you seen your lover, baby, standing in the shadow ?
おい、
おまえの恋人が暗がりの中に立っているのを見たことがあるかい
Has he had another baby, standing in the shadow ?
ヤツは他の女とやったのだろうか、暗がりに立ってる女をだよ。
Baby, where have you been all your life
なあ、おまえは生まれてこの方ずっとどこにいたんだい?
Talking about all the people who should try anything twice
何でも二度やろうとせずにはいられない連中のことを話してるのさ




Have you seen your mother, baby, standing in the shadow
おい、
おまえの母親が暗がりの中で立っているのを見たことがあるかい?
Have you had another baby, standing in the shadow
おまえは暗がりに立ってるよくいる女とやったことがあるかい?
You take your choice at this time
いまこそ、おまえは自分の選択をするときだぜ
The brave old world or the slide to the depths of decline
勇敢なる古き世界か、それとも没落という深淵への傾斜か、をな。





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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昔のミュージシャンのディスコグラフィーなどを見ているとよく「b/w」や「c/w」という略号を目にすることがある。
これは「backed with」や「coupling with」の略号で(いわゆる)シングル盤(直径17cm、毎分45回転)のレコード盤の(いわゆる)A面とB面、表面と裏面を表すものだ。

ビートルズストーンズが出て来た頃は、まだシングル盤こそがミュージック・シーンの主役といった時代で、AM放送を主なる場としてラジオでの放送回数や(それに比例するかたちでの)レコードの売上枚数に基づいたヒット・チャートがいま以上にシーンの中で大きな位置と役割を占めていた。

どのグループもだいたい3箇月から4箇月ごとにシングル盤を発表し、ファンはまるで定期購読の雑誌でも待つように(また、同時に他のグループや新たに登場するニュー・アーチストやニューグループを含めて)好みのアーティストの新曲を心待ちにした。そして気に入ればそのレコードを購入し、それがヒット・チャートの1票となる。次の曲が出るまではひたすらそのレコードを聴きまくり、また他のアーティストの魅力的なサウンドにも耳傾ける。ラジオも新曲が出るまではチャートの順位に比例するように「現在形」のそれらの曲を流しまくり、そのサウンドやメロディー、また歌詞はどんなTVや雑誌や映画や広告以上に若い音楽ファンへの強いインパクトと影響力を持っていた。ようするに(多くの幼いファンには)(ましてや堅気の大人たちには)何のことだかサッパリわからないながらも、ローリングストーンズのレコードがラジオから流れるたびに(ファンも世間も)ミック・ジャガーの声でこういう歌詞を喚き立てられていたのである(笑)。

しかし、このストーンズサウンドと演奏はかなり凄い!



当時のストーンズの快進撃ぶりを彼らのシングル盤のディスコグラフィーに拾ってみると、



・1965/03 The Last Time  「ラスト・タイム」

・1965/05 (I Can't Get No) Satisfaction 「サティスファクション」

・1965/09 Get Off Of My Cloud 「一人ぼっちの世界」
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050310

・1965/12 As Tears Go By 「涙あふれて」
      http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070109

・1966/02 19th Nervous Breakdown 「19回目の神経衰弱」
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050325

・1966/04 Paint It Black 「黒く塗れ!」
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050127

・1966/06 Mother's Little Helper 「マザーズ・リトル・ヘルパー」
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050120

・1966/09 Have You Seen Your Mother Baby Standing In The Shadow
       「マザー・イン・ザ・シャドー」

・1967/01 Let's Spend The Night Together / Ruby Tuesday
      「夜をぶっとばせ / ルビー・チューズデー」(両面A面扱い)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041207
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050111



まさにアルバム・タイトルにある "Big Hits & Fazed Cookies" (ビッグ・ヒット、そして物騒なクッキー)が言いえて妙といったところである。
いずれも、サイケデリック以前の、イメージが巨大化する以前の等身大のローリング・ストーンズ、いいかえれば、まだ(イギリスで)「ポップ・グループ」と呼ばれ、そのように扱われていた時代のストーンズである。



そして、この「マザー・イン・ザ・シャドー」のB面に収められていたのが、
次の「フーズ・ドライビング・ユア・プレーン」だ・・・・。