Mrs. Robinson

Words & Music by Paul Simon.
(1968年発表)




(原題直訳 「ロビンソン夫人」)



From Simon & Garfunkel album, "Bookends".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「ブックエンド」 (サイモン&ガーファンクル



Also you can listen to the movie soundtrack album,"The Graduate".
名作アルバム度 ☆

「卒業」 (サイモン&ガーファンクル




歌詞は、次のURLから
http://frogcircus.org/simon_and_garfunkel/bookends/mrs_robinson




名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「ミセス・ロビンソン」 (サイモン&ガーファンクル






And here's to you, Mrs. Robinson
ということで、
ロビンソンの奥様に乾杯を。
Jesus loves you more than you will know, wo wo wo
エス様は、あなたご自身がいずれおわかりになる以上に
あなたのことを愛していらっしゃるのです、ウォーウォー。
God bless you please, Mrs. Robinson
神様、ロビンソンの奥様にどうぞ思し召しを。
Heaven holds a place for those who pray, hey hey hey
天は祈りを捧ぐる者に報いてくださいます、ヘイヘイ。
Hey hey hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ。




We'd like to know a little bit about you for our files
あなたについてもう少し知っておきたいんですよ、
こちらにあなたの記録があるんですがね
We'd like to help you learn to help yourself
あなたがご自分でご自分を助けることを覚える、
そのお手伝いをわたしたちはしたいのです
Look around you, all you see are sympathetic eyes
まわりを見渡してごらんなさい、好意的な目つきしか目に入らないでしょう
Stroll around the grounds until you feel at home
歩き回ってごらんになるとよろしいですよ、
グランドのあたりを、
おくつろぎになれますよ。




And here's to you, Mrs. Robinson
ですから、
こちらにあなたのためにご用意いたしましたよ
ロビンソンの奥様。
Jesus loves you more than you will know, wo wo wo
エス様は、あなたご自身がいずれおわかりになる以上に
あなたのことを愛していらっしゃるのですよ、ウォーウォー。
God bless you please, Mrs. Robinson
神様、ロビンソンの奥様にどうぞ思し召しを。
Heaven holds a place for those who pray, hey hey hey
天は祈りを捧ぐる者に報いてくださいます、ヘイヘイ。
Hey hey hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ。




Hide it in a hiding place where no one ever goes
誰も行かない隠し場所に隠しておくといいですね
Put it in your pantry with your cupcakes
食品貯蔵棚にカップケーキと一緒にしまっておきなさい
It's a little secret, just the Robinsons' affair
ちょっとした秘密ですね、ロビンソン家の醜聞ってとこかな
Most of all you've got to hide it from the kids
くれぐれもお子さんたちには見つからないようにしておかなくてはいけませんよ




Coo coo ca-choo, Mrs. Robinson
ふむ、ふむ、ふむ、ミセス・ロビンソン
Jesus loves you more than you will know, wo wo wo
エスはあなたがいずれおわかりになる以上に
あなたのことを愛していますよ、ウォー、ウォー、ウォー
God bless you please, Mrs. Robinson
神よ、どうぞロビンソン夫人にお恵みを
Heaven holds a place for those who pray, hey hey hey
天は祈りを捧げる者には報いてくれるのさ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey hey hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ




Sitting on a sofa on a Sunday afternoon
ソファーにすわって日曜の昼下がり
Going to the candidates' debate
立候補者の討論集会に行って
Laugh about it, shout about it
そこで笑ったり、声を張り上げたり
When you've got to choose
いざ選ぶとなると
Every way you look at it you lose
あなたが目を向ける人は
いずれも負けそうな人ばかり




Where have you gone, Joe DiMaggio?
ジョー・ディマジオ*1よ、
あなたはどうしてしまったのだろう
Our nation turns its lonely eyes to you, woo woo woo
ぼくらのこの国はその孤独な視線をあなたに向けているのですよ
ウォー、ウォー、ウォー
What's that you say, Mrs. Robinson?
何でございますか、ロビンソンの奥様?
Joltin' Joe has left and gone away, hey hey hey
どきどきジョー*2は引退して、
もう消えてしまいましたね、ヘイヘイヘイ
Hey hey hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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この歌からわかること、

まず歌の主人公は、その地域の名士の奥様であること。
そして薬物中毒の治療施設に連れてこられたばかりであること。
彼女はとあるパーティか何かでクスリの売人から(おそらくコカインだろう)手に入れたブツをキッチンのどこかに隠しておいた。

地方の有力者の奥様の公的な暮らしの退屈。
昔とはすっかり違ってしまったアメリカ。



もちろん、
違ったドラマ、違った文脈、違ったシチュエーションのもとに、
この歌のこれらの言葉を聴くことだってできる。
げんにこの歌は、他のサイモン&ガーファンクルの名曲とともに、
映画「卒業」のサウンドトラックに使われている。
また、ふだんの暮らしにおいても、
例えば、
クルマを運転していてカーラジオから流れるこの歌の、
ふと耳に止まったこんな歌詞のフックに
しばし頭の片隅を占拠されてしまうこともよくあることだ。



Look around you, all you see are sympathetic eyes
まわりを見てごらん、同情的な目つきしか目に入らないだろ


とか、あるいは、



We'd like to help you learn to help yourself
きみが自分で自分を助ける、そのことを学ぶ、
その手助けを、ぼくらははしたいのさ



という具合に、リハビリ施設の担当者だか、
取調べにあたる刑事の言いそうな言葉も
文脈から切り離して、自由に聴く者の日常に取り入れることができる
それがポップ・ミュージックの大きな愉しみのひとつだろう
現に(駄洒落ばやりの日本のスポーツ新聞と違って)あちらの新聞や雑誌や(それこそインターネットのサイトにも)50年代以降のロックの名曲の歌詞や題名や、そのもじりが溢れ返るほどだ。
「ニューズ・ウィーク」の日本語版などその大半を(無知なのか面倒なのか)無視扼殺してしまっている。残念〜ン!

(いわば人生のサウンドトラックとしてのポップ・ミュージックというべきか・・・)
それがどんなにかぼくら(そして彼らの)の暮らしを豊かにしてくれているものか。






この曲「ミセス・ロビンソン」は、ロックのクリエティヴィティが時代の風を加速度にそのピークに昇りつめようとしていた1968年にサイモン&ガーファンクルが発表した(当時はやりの「トータル・アルバム」(アルバム全体がひとつの and/or ひとつづきの世界になっている)とか「コンセプト・アルバム」(何らかのあるひとつの統一的なテーマの下に歌が集められたアルバム)という作りになっている)彼らの第4作にあたる「ブックエンド」というアルバムに収められている。
この曲のほかにも「アメリカ」「旧友」「動物園にて」など名曲がひしめく彼らの最大の傑作アルバム。

いずれ、この名作アルバムについてたっぷりと語るときもあるに違いない。


では、このアルバム「ブックエンド」からもう1曲・・・・・・・。

*1:ベーブ・ルース後のニューヨーク・ヤンキーズの主力バッターとして、13シーズンに渡り平均打率 .325、361本塁打首位打者2回、MVP3回などの成績を残したメジャー・リーガー。1941年には56試合連続ヒットの記録を残した。優雅で力強い雰囲気があり女性に人気があり、マリリン・モンローと結婚していた時期もある。

*2:上記ジョー・ディマジオのニックネーム。上品で力強い雰囲気から女性の心をかき乱すという意味でこの「Joltin' Joe」は「ドキドキ・ジョー」といった感じになるだろうか。