Wishful Sinful

Words & Music by Robby Krieger.
(1969年発表)







(原題直訳 「願い強く、罪深く」)







歌詞は、次のURLから、
http://www.lyricsbay.com/wishful_sinful_lyrics-doors.html






From The Doors album, "The Soft Parade",

名作アルバム度 ☆☆



アルバム「ソフト・パレード」(ドアーズ)より








名曲度 ☆☆








邦題「ウィッシュフル・シンフル」 (ドアーズ)








Wishful
願い強く
Crystal water
水晶のごとき水

Covers everything in blue
何もかもをブルーに覆う
Coolin' water
冷やしの水




Wishful,
望み強く
Sinful
罪深く
Our love is beautiful to see
ぼくたちの愛は目に麗しい
I know where I would like to be
ぼくは自分が居たいところがわかっている
Right back where I came
まさにこのぼくが出て来たところだ




Wishful, sinful, Wicked blue
願い強く、罪深き、邪(ルビ=よこしま)な青

Water covers you
水がおまえを覆ってしまう
Wishful, sinful, wicked you
望み深く、罪深く、邪なおまえ

Can't escape the blue
その憂鬱(ルビ=ブルー)を逃れられない




Magic risin'
魔法が 立ち起こり、
昇りゆく
Sun is shinin' deep beneath the sea
太陽は、海の下 深くで輝いている
But not enough for you and me and sunshine
しかし、きみにもぼくにも物足りず
そして、陽の光も
Love to hear the wind cry
風が泣き叫ぶのを聞くのが好きなんだ




Wishful sinful
望み深く、罪深く
Our love is beautiful to see
ぼくらの愛は見るに麗しく
I know where I would like to be
ぼくには、この自分が居たいところがわかっている
Right back where I came
まさにこのぼくが出て来たところへと




Wishful, sinful, wicked blue
願い強く、罪深く、邪なブルー

Water covers you
水がおまえを覆う
Wishful, sinful, wicked you
望み大きく、罪深き、邪なおまえ
には
Can't escape the blue
その憂鬱(ルビ=ブルー)は逃れられない




Love to hear the wind cry
風が叫ぶのが聞きたいんだ
Love to hear you
おまえの声が聞きたいんだ
Cry, yeah,
泣き喚くのが、あゝ
Yeah
そうなんだ









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 082910











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I know where I would like to be
Right back where I came

ぼくには自分が居たいところがわかるんだ
まさにこのぼくが出て来たところに戻るのだ




というのは、これを もっとも過激に極端なところまで解釈するならば、
おそらく、それは(故郷だの出自だのをはるかに超えて)(いわゆる)母胎への、「胎内回帰」願望にまでなるだろうか。
かりに、そこまで行かず、ダイアルの目盛りをそのワンステップ手前で止めておくならば、
それは、彼らの代表作のひとつである(12分の長さに及ばんとする大作)「ジ・エンド」の終盤でジム・モリソンが歌う・・・・・




Mother, I want to ........

母さん、ぼくは・・・・・・・(絶叫!)




という、人類における大きな禁忌の侵犯行為ともなることで、 *1
それこそは、まことに「望み深く、罪深き」Wishful Sinful なことになりますね。 *2








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【Years Ago−Go!】








(1年前のエントリーを Playback♪)







・「ホンキー・トンク・ウィメン」 (ローリング・ストーンズ
  (Honky Tonk Woman)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070407







(2年前のエントリーも Playback♪)





・「ゴン・トゥー・アメリカ」 (スティーライ・スパン)
  (Gone To America)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060407








(3年前のエントリーも Playback♪)







・「メモ・フロム・ターナー」 (ミック・ジャガー
  (Memo From Turner)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050407

*1:その直前の歌詞は「Father」(父さん、)「Yes, son」(何だね、せがれよ)、「I want to kill you」(ぼくはあんたを殺してしまいたんだ)となっていて、いわゆるオイデプス的な「父を殺して、母と寝る」という古典的な主題が明示されています。

*2:もちろん、べつにそこまで話の軸を(そして字句をもw)厳密に垂直に固定せずとも、多少の弛緩を導入して軸を傾けてやるならば、それはまた、より世俗的な、別種の恐怖や危険を伴うはるかに軽度の禁止事項への侵犯願望となるだろうか。そもそも人の「恋=愛」というものがこうした禁忌と侵犯のメカニズムに支えられたものではないのか。自然な恋は(その自然さのゆえに、自然度の高さにおいて非社会的であり)どこかで故意にその自然を進展させ、行為と化し、社会化せざるをえなくなる、ないしは、それを要請される。まあ、(いわゆる)「善悪の此岸(ルビ=しがん=このかた=こちら側)」の話であって、(いわゆる)「善悪の彼岸(ルビ=ひがん=向こう側)」にあっては、それは(けっして)禁忌とされることはないでしょう。そう言えば、ドアーズは、最初のアルバムの最初の曲で「突破せよ(彼岸へと)」Break On Through (To The Other Side) http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050129#p2 と歌っていたのでありました。そして、最後の曲があの「ジ・エンド」であり、アルバムの第2作では「音楽が終わったら」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050320 がラストの長尺のナンバーとなっていましたね。