Wind On The Water

Words & Music by Graham Nash.
(1975年発表)







(原題直訳 「水上の風」)







歌詞は、次のURLから、
http://www.sing365.com/music/lyric.nsf/Wind-On-The-Water-lyrics-Crosby-Stills-Nash-and-Young/314E95478D088FD8482570C800150B73







From the Crosby & Nash album, "Wind On The Water". *1

名作アルバム度 ☆☆☆



アルバム「ウインド・オン・ザ・ウォーター」(デヴィッド・クロスビー&グラハム・ナッシュ)より







名曲度 ☆☆☆








邦題「ウィンド・オン・ザ・ウォーター」 (クロスビー&ナッシュ)









Over the years you have been hunted
長年にわたって、おまえたちは獲られてきた
By the men who threw harpoons
銛を投ずる男らによって
And in the long run he will kill you
そして、長き追走の内に おまえたちを殺戮していくのだ
Just to feed the pets we raise,  *2
ぼくらが飼っているペットたちを養うために




Put the flowers in your vase *3
あなたがたのところの花瓶に花を活け、
And make the lipstick for your face. *4
そして、あなたがたの化粧のための口紅をつくる
Over the years you swam the ocean
長年にわたり、この海原をおまえたちは泳いでいる
Following feelings of your own
おまえたちのその自分の気分にしたがって




Now you are washed up on the shoreline
いま、そのおまえが海岸線に打ち上げられている
I can see your body lie
おまえの体がよこたえられているのが、ぼくには見えるよ
It's a shame you have to die
おまえが死ななくてはならないなんて、それは恥ずべきことだ
To put the shadow on our eye
ぼくたちのこの瞳が暗くなってしまう




Maybe we'll go
きっと、ぼくたちは行ってしまうのだろう
Maybe we'll disappear
きっと、ぼくたちはいなくなってしまうことだろう
It's not that we don't know
これは、ぼくたちが知らないということじゃない
It's just that we don't want to care.
ぼくたちは、ただ気にかけたくないという、それだけのことなのだ




Under the bridges
いくつもの橋の下を
Over the foam
泡立つ海原の上を
Wind on the water
水面(ルビ=みなも)に吹く風よ
Carry me home.
ぼくを連れて帰っておくれ











Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 (2006年6月27日分の再掲載)










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(先日まで、さんざんここで吹きまくっていた「変化の風」を受けて、それに応えることにもなもあり、
(以下の文も、4年前(2006年6月27日掲載)のものを
(あらためて、きょうここに(その註をも含めて)そっくりそのままリエントリーすることにしました。



(以下、http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060627 よりの再掲載)



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きょうのこの曲でいちばん鋭いメッセージを発しているのは、このくだりだろう、




It's not that we don't know
It's just that we don't want to care.

ぼくたちは知らないわけじゃないんだ
ただ、気にかけたくない、そういうことなんだ





これはべつに「鯨」のことにかぎらず、世の中のあらゆる問題について言えることだろう。パレスチナのことも、核廃棄物のことも、その他、まだまだいろんなことについても・・・・*5
わたしたちは、けっして全然知らないわけじゃない、ただ、それを「問題」として掘り下げたり、(自分たちに関わることとして)気にするのがいやなのだ。
なぜか? おそらく、それは気にすることによって、その問題に目を向け、そこに見えてくるものによって、何らかの変更を(ないしは態度決定を)わたしたちが迫られることになるからだろう。つまり、考えねばならず、その結果、何らかの姿勢の表明や行動の必要が自覚され、うながされる、そして、それは(いまある)自分たちのこの暮らしにある何らかの変化ないしは変更を迫ってくるものだということが(いやでも)予測されてしまうからだ(もしくは、かたくなに拒否の姿勢をとるなど、何らかの態度なり姿勢の表明が迫られることになる)、(ようするに)(そうしたことの、あるいは、それによる)困難を(できることなら)(わたしたちは)(いつまでも)回避していたいからだ。
これは、あらゆる社会的な「ムーブメント(=運動)」がまず最初に直面する大きな「壁」となることだろう。*6
そして、社会はこのようにして「変化」を(たえず)回避しつづけているのだ。
わたしは、先日、「全速力で静止している」というようなことを書いたが、それはつまり、人は(このように)日々、無数の葛藤を生きながら「変わること/変えること」を回避しているということでもあるのだと思い至る。
そして、ロックは(しかしながら)(さまざまなケースで)こうした「壁」(つまり、わたしたち自身)に向けて、いくつもの力のある呼びかけをしてきていることは、これまでにもよく知られているとおりだ。
例えば、独立直後のバングラディッシュの飢饉の救済を訴えたジョージ・ハリスンの呼びかけである「バングラデッシュ」、そして、アフリカの大規模な飢餓救済を呼びかけたボブ・ゲルドフらの「ライヴ・エイド」などが思い出されるだろう。



・「バングラデッシュ」
  (Bangladesh)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050708



・「ウィー・アー・ザ・ワールド」
  (We Are The World)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050707









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【Years Ago−Go!】








(1年前のエントリーを Playback♪)






・「ひとりぼっちの夜」 (クリス・クリストファーソン
  (Help Me Make It Through The Night)
・「ヘルプ・ミー・メイク・イット・スルー・ザ・ナイト」 (サミー・スミス)
  (Help Me Make It Through The Night)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070330







(2年前のエントリーも Playback♪)







・「アメリカ」 (映画「ウェストサイド物語」サウンドトラック盤より)
  (America)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060330






(3年前のエントリーも Playback♪)







・「ドゥ・ザ・ストランド」 (ロキシー・ミュージック
  (Do The Strand)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050330

*1:きょうのこの歌の初出作品であるこのアルバムにおける この歌の発表時の形態としては、この歌「水面の風」は「最後の鯨へ」To The Last Whale http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060627 というタイトルの下に2部形式の歌としてアルバムの最後にラインナップされ、その第1部であるデイヴィッド・クロズビーの作曲による素晴らしいアカペラによるスキャット「危機のミサ」A Critical Mass につづいて、第2部として聴こえてくる。

*2:かつてペットフードの原料として鯨肉が多く用いられていた。

*3:花瓶にも鯨骨が用いられていたのだろう(<未確認)

*4:口紅やその他の化粧品に鯨脂が用いられていたのもよく知られていることだろう。

*5:一時代まえには(北朝鮮の金体制による)「日本人拉致被害者」のことも、そうした「壁」によって解決が(いま以上に)大きく阻まれていたことは、わたしたちがいまよく知る事例だろう。)

*6:いわゆる「拉致家族」の長年にわたるその「運動」には頭が下がる思いがする。ほとんど誰にも相手にされずにここまで来たその「運動」というものの力は人が学んでおかねばならないことだと(わたしは)思う。(以下、2010年8月20日注記分>>そして「運動」(ルビ=ムーヴメント)とは、(それが芸術上のものであれ 社会的なものあれ、はたまた信仰や道徳などをめぐる精神的なものにかかわるものであれ、何であれ)まず、その人間たちが動き、それによって人を動かし、そして、その人たちとともに、さらに多くの人々を動かして(声を合わせ、また力を合わせて)「風」を起こし、(その目指すところの)「山」を動かす(!)、その「動かす」こと、それが(あたりまえの話だが)ムーヴメント(=運動)ということだろう。もちろん「抵抗」運動というのもあるだろうケドモナナ wink。))