Sixty Years On

Words by Bernie Taupin. Music by Elton John.
(1970年発表)






(原題直訳 「60年もずっと」)






歌詞は、次のURLから、
http://www.sing365.com/music/lyric.nsf/Sixty-Years-On-lyrics-Elton-John/4801AA7F73B0049648256876002E9B19






From the Elton John album, "Elton John". *1

名作アルバム度 ☆☆☆☆☆



アルバム「僕の歌は君の歌」(エルトン・ジョン)より




Also on the Elton John live album, "17-11-70",   *2

名作アルバム度 ☆☆☆




アルバム「ライヴ!!(17−11−70)」(エルトン・ジョン)より






Also on the Elton John live album,
"Live In Australia With The Melbourne Symphony Orchestra".  *3

名作アルバム度 ☆☆☆



エルトン・ジョンメルボルン交響楽団)より







名曲度 ☆☆☆






邦題「60才のとき」 (エルトン・ジョン








Who'll walk me down to church
誰がわたしを
教会まで歩いて連れて行ってくれるのだろう?
When I'm sixty years of age
わたしが60歳になったときに。
When the ragged dog they gave me
世の中がこのわたしに与えてくれた あのくたびれきった犬も
Has been ten years in the grave
墓場に入ってから10年がたっている
And senorita play guitar,
そして若い女(ルビ=セニョリータ)がギターを奏でる
Play it just for you
ただ、あなたのためだけに奏でている
My rosary has broken
わたしのロザリオ(ルビ=ずじゅ)が解けてしまった
And my beads have all slipped through
そう、珠(ルビ=ビーズ)が全部バラバラにこぼれ落ちてしまったのだ




You've hung up your great coat
あなたはご自分のあの大いなるコートを脱いでしまわれた
And you've laid down your gun
そう、あなたはご自分の銃を下ろしてしまわれたのです
You know the war you fought in wasn't too much fun
あなたはご自分が参戦されたあの戦争(ルビ=いくさ)が
これっぽっちも楽しいものでなかったことはご存知ですね
And the future you're giving me holds nothing for a gun
そして、あなたがこのわたしにお与えになられたこの未来は
銃などとはまるで無縁のものでしかないことも
I've no wish to be living sixty years on
わたしは60年もずっとこのかた生きていることなど望んだりはしなかったのです
Oh, oh
おゝ・・・、あゝ・・・・・




Yes, I'll sit with you and talk
よろしい、あなたと腰を下ろして、わたしは語るとしましょう
Let your eyes relive again
あなたのその眼差しを いま一度、呼び戻されるがよい
I know my vintage prayers would be very much the same
わたしには、自分のこの永年の祈りが
まるでそっくり同じものになっていくのがわかっています
And Magdelena plays the organ,
そう、マグダレーナがオルガンを奏でるのです
Plays it just for you
ただ、あなたのためだけに奏でているのです
Your choral lamp that burns so low
あなたの聖歌隊の灯(ルビ=ともしび)は、ごくごく微かな光を放ち
When you are passing through
あなたは通り過ぎて行ってしまうのです




And the future you're giving me holds nothing for a gun
そう、あなたがこのわたしにお与えくださったこの未来は、
銃などとはまるで無縁のものなのです
I've no wish to be living sixty years on
わたしは60年間もずっとこのかた生きているなど
ちっとも望みやしなかったのです









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 070810










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はっきりとそう歌われているわけではないのだが、
この歌に歌われているのは、いまは遠い昔のこととなった「戦争」と、その重い傷。
"セニョリータ"とか "マグダレーナ"とか "ロザリオ" とか "聖歌隊" とか
ところどころにスペインやカトリックを想わせる語がいくつか聴こえることから、
その「戦争」とは、おそらくは歴史が「スペイン人民戦争」と呼んでいるその戦いのことだろう。
ヨーロッパに育った人間ならそれを連想するにちがいない。
そして、いまはもう60歳になっているのだろう、この歌の主人公(にしてこの歌の語り手(=歌い手))は、
おそらく、その戦争で失明してしまったのだろう(・・・?)。
ほかにもまた身体的な不自由を被る羽目になっているのかもしれない。
それが彼が受けた戦争の重い傷だ。そして、それはけっしてそのすべてではないのだろう・・・・。
傷が、また、身体的なものばかりではないのは、歌の途中からもうかがえる。
いうずれにせよ、わたしたちは、すでに この歌の冒頭のところで、そんな彼の姿をわたしたちのこの耳を介して目にしている。
墓に入って久しいという "くたびれきった犬" は彼の盲導犬がわりの役を果たすそれだったのかもしれない(・・・?)
そして、この歌の主人公は、実際にそこにいるのか、あるいは「そこ」が彼の脳内に、思いの中にやって来ているのか、
あるいは呼び寄せられ、召喚されているのか
この歌の主人公は「教会」で「神」に「あなた」と呼びかけ話しているのだ。
おそらく、いまだにやり場のない思いを自らの内に抱え込んだままなのだろう。
この世に生を受けて60年の後の孤独な戦傷老人のその姿だ。
それが(サード・イア・バンドにチェロとベースで参加していた)ポール・バックマスターの斬新な♪オーケストレーションとともにエルトン・ジョンの歌とピアノで切々と歌われる。
作詞:バーニー・トーピン、作曲:エルトン・ジョン、編曲:ポール・バックマスター、プロデュース:ガス・ダジオン。

いいチームだ。すばらしい仕事をしている。









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【Years Ago−Go!】






(1年前のエントリーを Playback♪)







・「グラジュエーション・デイ」 (フォア・フレッシュメン)(ビーチボーイズ
(Graduation Day)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070224







(2年前のエントリーも Playback♪)





・「ヴェリー・ラスト・デイ」 (ホリーズ)(ピーター・ポール&マリー)
(Very Last Day)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060224







(3年前のエントリーも Playback♪)






・「ビューティフル・ボーイ」 (ジョン・レノン
(Beautiful Boy)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050224

*1:このアルバムからは、すでに「僕の歌は君の歌」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041225 がここで紹介されていますので、よろしければどうぞ♪

*2:このライブ・アルバムでは、エルトンのピアノに(元スペンサー・デイヴィス・グループの)ディー・マレーとナイジェル・オルスンのベースとドラムスというシンプルなトリオ編成によるきょうのこの歌が聴ける。なお、このアルバムからは(カバー曲ながら)すでに「ホンキー・トンク・ウィメン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070407 と「ゲット・バック」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20071213 がここで紹介されていますので、よろしければどうぞ♪

*3:このアルバムからは、すでに「土曜の夜は僕の生きがい」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20051110 、「僕の歌は君の歌」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041225 、「キャンドル・イン・ザ・ウインド」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20051006 がここで紹介されていますので、よろしければどうぞ♪