Old Man
Words & Music by Neil Young.
(1972年発表)
(原題直訳 「老人」) *1
歌詞は、次のURLから、
http://www.azlyrics.com/lyrics/neilyoung/oldman.html
From the Neil Young album, "Harvest". *2
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆
アルバム「ハーヴェスト」(ニール・ヤング)より
Akso on the Neil Young live album, "Live at Massey Hall 1971". *3
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆
アルバム「ライヴ・アット・マッシー・ホール」(ニール・ヤング)より
名曲度 ☆☆
Old man look at my life,
老人がぼくの暮らしを見ている
I'm a lot like you were.
ぼくは、とっても、かつてのあなたのようなのです
Old man look at my life,
老人がぼくの暮らしを見る
I'm a lot like you were.
ぼくは、とってもあなたがそうだったみたいでしょ
Old man look at my life,
老人がぼくの暮らしを見る
Twenty four and there's so much more
24歳、
そう、まだまだもっとたくさんあるんです
Live alone in a paradise
楽園にひとりで暮らして
That makes me think of two. *5
そのことがぼくにこの両者を考えさせるんだ
Love lost, such a cost,
失ってしまった愛、そういう代償
Give me things that don't get lost.
なくなったりしないものをぼくにおくれ
Like a coin that won't get tossed
トスされたりすることがない硬貨みたいなものを
Rolling home to you.
クルマを走らせ家に戻る、あなたのもとへ
Old man take a look at my life
老人がぼくの暮らしに目を向ける
I'm a lot like you
ぼくはとってもあなたみたいです
I need someone to love me
ぼくには、このぼくのことを愛してくれる人が
誰か必要なんです
The whole day through
丸一日ずうーっとね
Ah, one look in my eyes
あゝ、ぼくの瞳を覗き込む人
and you can tell that's true.
そう、あなたなら、それが本当のことだとわかるはずです
Lullabies,
子守唄、
Look in your eyes,
あなたの瞳を覗き込む
Run around the same old town.
いつものこのお馴染みの古い町を走りまわることは
Doesn't mean that much to me
ぼくにはそんなに大事なことじゃないことは
To mean that much to you.
あなたには大きな意味があることだ
I've been first and last
ぼくは最初からずっと
Look at how the time goes past.
この時間というものがどんなふうに過ぎていくのかを見てるんだ
But I'm all alone at last.
だけど、ぼくはとうとう まるっきりのひとりっきり
Rolling home to you.
クルマを走らせ家に戻る、あなたのもとへ
Old man take a look at my life
老人がぼくの暮らしに目を向ける
I'm a lot like you
ぼくはとってもあなたみたいです
I need someone to love me
ぼくには、
誰かこのぼくのことを愛してくれる人が必要なんです
The whole day through
丸一日中、ずうーっと
Ah, one look in my eyes
あゝ、このぼくの瞳を覗き込んでくれる人が
And you can tell that's true.
そう、あなたなら、それが本当だってとわかるはずです
Old man look at my life,
老人がぼくの暮らしを見ている
I'm a lot like you were.
ぼくは、とっても かつてのあなたみたいなんですよ
Old man look at my life,
老人がぼくの暮らしを見ている
I'm a lot like you were.
ぼくはとってもあなたがそうだったみたいでしょ
Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 070410
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「老人」という他者の視線を介して自分の暮らしに目を向けてみると・・・・・
というそういう歌だろう。
ニール・ヤングのこの歌の意味は(そして、また学ぶべき点は)
その(まあ、)絶対的とも言える他者の目を導入したというその一点に尽きるだろう。
(歌詞というものは音韻に縛られて(というよりのその力に乗せて、導かれて)紡がれていくもので、
その意味では(まったく異質の響きの体系である日本語に移してしまうと)
その響きはすっかり失われ、やたらと響きを欠いた言葉の意味だけが剥き出しになって露呈するばかりで、
意味のとおりはいまいち(いやそれ以上に)鈍くなってしまうのだけれども、
もともと「歌」(の歌詞)というのは、
(この歌に限らず)「韻」という響きの上での「なるほど!」という納得であり、共鳴であり、
また、その響きを介した語のイメージという閃きであって、
(それさえあれば、それが「意味(あること)」となって)
耳を介して、また喉を通して、通ってしまう、そういうものなのだ。
聴き終わって、歌い終わって、心地よさの中に、さっぱり何のことだかわけわからん(!)という歌はいくらでもあるのをわたしたちは(そして彼らも)知っている。 *6
歌詞というのが、意味という(筋道だった、論理的な、また心情的な)つながりを第一義にしたものではないのは、
これまでにもここで再三にわたり触れてきたことだ。
すなわち、「歌」は「散文」ではない、ということ。 *7
さてさて、
同じニール・ヤングの歌には、
路上死している老人の姿が登場する「ブリング・ユー・ダウン」(アルバム「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」所収)
という歌もありますね。
・「ブリング・ユー・ダウン」 ((ニール・ヤング)
(Don't Let It Bring You Down)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050919
【※お知らせ※】
なお、昨日分の「オールマン・リバー」に
本日、その歌の1927年のオリジナル・バージョンを追加しましたので どうぞそちらもご覧ください。
・「オールマン・リバー」(1927年オリジナル・バージョン)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20080219#p2
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【Years Ago−Go!】
(1年前のエントリーを Playback♪)
・「ロックンロール・ハイ・スクール」 (ラモーンズ)
(Rock 'n' Roll High School)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070220
(2年前のエントリーも Playback♪)
・「いつまでも若く」 (ボブ・ディラン)
(Forever Young)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060220
(3年前のエントリーも Playback♪)
・「アーティスト・オンリー」 (トーキング・ヘッズ)
(Artists Only)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050220
*1:ニール・ヤングの個人史、つまり彼の伝記的な事実に照らし合わせると、この老人は、1970年にヤングが北カリフォルニアに若くして24歳で購入した(当時の額で35万ドルという)広大な農場にいた管理人の老人のことで、彼は農場のこの新たなオーナーになったみすぼらしく薄汚いかっこうをした若者をジープに乗せると、ひとまわりその敷地を案内して、湖が見渡せる一番高い丘の上までジープを走らせると、そこにクルマを駐めて、彼にこう訊ねたという、「アンタ、若いのにこれだけのところを買うなんて、正直、何やってつくったカネなんだね?」と。このエピソートを彼はしばしばきょうのこの歌を歌うまえにそのMCとして披露している。
*2:このアルバムからは、すでに「孤独の旅路」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20071221と「アラバマ」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060423 がここで紹介されていますので、よろしければどうぞ♪
*3:長く海賊盤でしか聴けなった1970年前後のニール・ヤングのアコースティック・ギター、ボーカル、ハモニカによるソロ・ステージのライブが2007年になって正式なかたちで発表されるようになりました。胸を打つすばらしい歌の連続のステージです♪ なお、このライヴ・アルバムに収録されている歌のうち、「テル・ミー・ホワイ」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050202 、「孤独の旅路」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20071221 、「カウガール・イン・ザ・サンド」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070625 、「ブリング・ユー・ダウン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050919 、「オハイオ」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060429 、「アバウト・トゥ・レイン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050703 、「アイ・アム・ア・チャイルド」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070120 がここで紹介されていますので、よろしければアルバムのお伴にどうぞ♪
*4:アルバム「ライヴ・アット・マッシー・ホール」では「老人」という邦題になっている。
*5:この「two(ふたつ)」というのは、老人と自分というその「両者」という意味で聴いてもよいかもしれない。
*6:例えば、スペンサー・デイヴィス・グループの名曲「ギミ・サム・ラヴィン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20051031 なんて英語を母国語とするヒトたちでもほとんど何のことかわからないのですけど、(ほんのひとつの聴き方として)一語、一語を確認しながら、それらの言葉が映し出す(おそらくは作者も思いもしなかった)(そこに生まれてくる)意味を説き明かしてみることは可能だろう。しかし、歌を聴くヒトたちは(どの言葉の国のヒトでも)心地よい響きのその向こう側は(皆さん)あまり気になさらないようです(もちろん、このわたくしも)。ですから、ここでのわたしの訳詞も(日本語の訳詞としての)完成度の高いものなどは、まるで目指すこともせず、ただ、できるだけもとの歌詞へと耳を向けるあくまでもその補助としてのものを心がけています。(外国語からはいささか空しくはあるけれども)歌は音韻なのです。
*7:両者は、その働きも役割も特性もまったく異にするものなのだ。