Rock 'N' Roll Stew

Words & Music by Ric Grech and Jim Gordon. *1
(1971年発表)








(原題直訳 「ロックンロール・シチュー」) *2







歌詞は、次のURLから、
http://www.metrolyrics.com/rock-and-roll-stew-lyrics-traffic.html








From the Traffic album, "The Low Spark of High Heeled Boys".  *3

名作アルバム度 ☆☆☆☆



アルバム「ザ・ロウ・スパーク・オブ・ザ・ハイヒールド・ボーイズ」(トラフィック)より *4





名曲度 ☆






邦題「ロックン・ロール・シチュー」 (トラフィック







Sitting in a transit all night long
トランジットで、一晩中、座ってるんだ
Playing clubs and rocking right on
クラブで演奏して、しっかりロックして 次へ向かう
The road's much too long since I've been wasting my time
道行きのこのあまりの長さも
おれが無駄な時間を過ごしてきたせいだ
Wish I was home again sipping my wine
願わくば、家にいておれはワインでも口にしてたらと思うんだ




And I'm gone, gone, gone,
そして、おれは意識が飛んでしまう
I don't care
かまうもんか
'Cause I'm gone, gone, gone,
どうせ、おれはブッ倒れてしまってたんだ
I don't care
かまうもんか
It's where I'm from,
おれはここからはじめたんだ
I'm on the road again
おれはまた旅回り(ルビ=ロード)に出てるんだ




LA to London is a mighty long time
ロスからロンドンってのはかなりの長時間だ
Eight hours flying can bring you down
8時間のフライトなんて まったくメゲてくるぜ
Sitting near a suit who's a red-neck going,
スーツ姿の男のそばにすわって、
偉そうなケチな話を聞かされる
His eyes are moving but there's no life showing
そいつの目ときたら、
動いてはいるんだが、生気がまるでうかがえない




And I'm gone, gone, gone,
そして、おれの意識はこと切れてしまう
I don't care
かまうもんか
'Cause I'm gone, gone, gone,
どうせ、おれはブッ倒れちまったんだ
I don't care
かまいやしない
It's where I'm from,
おれはここからはじめたんだ
I'm on the road again
おれはまた旅回り(ルビ=ロード)に出てるんだ




Now that I'm home again
いまは、また家に戻ってる
Things seems much better,
いろいろと はるかに楽なもんだぜ
Biding my time with my little go-getter
やりくり上手なかみさんと一緒になんとかしのいでる
No matter what they say,
世間が何を言おうと
No matter what they do,
やつらが何をしようと
Gonna end up in the middle of that rock & roll stew
そのうち
あのロックンロール・シチューのど真ん中でくたばっちまうんだ
And I'll be gone, gone, gone ...
それでおれは
ブッ倒れて、わけわかんなくなって、こと切れてしまうんだ




I don't care
かまうもんか
'Cause I'm gone, gone, gone,
どうせ、おれはブッ倒れちまったんだ
I don't care
かまいやしないさ
It's where I'm from,
おれはここからはじめたんだ
I'm on the road again
おれはまた旅(ルビ=ロード)に出てるんだ
Oh
おゝ




Gone, gone, gone........
行っちまったよ
行っちまったぜ
行っちまったんだ




Gone, gone, gone........
行っちまったよ
Gone, gone, gone........
行っちまったぜ
Gone, gone, gone........
行っちまったのさ







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 052110










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【Years Ago−Go!】







(1年前のエントリーを Playback♪)






・「チャイルド・イン・タイム」 (ディープ・パープル)
  (Child In Time)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070123






(2年前のエントリーも Playback♪)





・「バタフライ」 (ホリーズ
  (Butterfly)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060123







(3年前のエントリーも Playback♪)





・「カラーズ」  (ドノヴァン)
  (Colours)
・「霧のマウンテン」 (ドノヴァン)
  (There Is A Mountain)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050123

*1:このふたり、いわばこの時期のトラフィックの雇われメンバーのベースとドラムスといったところだが、さしていいとも思えないこのふたりの書いた作品を敢えて新作アルバムに採り上げたのは、おそらくトラフィックの3人が(すなわちスティーヴ・ウィンウッドとジム・キャパルディとクリス・ウッドが)この2人とさらにはコンガやジャンベなどパーカッション全般のリーバップ・カァクバとともに6人編成のバンドとしてやっていく気持ち、というか心づもり、いや、意志を持っていたからだろう。つまり、ふたりの作品をアルバムに収録することで(それもレコード盤にしてB面のトップにラインナップしている)正規のメンバーとして遇しているのだ。ふたりにはそれだけのキャリアも技量も冴えもあるし、実際、このアルバムのジム・ゴードンの素晴らしさにはとんでもないものがあるし、リック・グレッチのヴァイオリンもあのブラインド・フェイス(の「歓喜の海」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050528#p5 )以来のそれ以上のこの世界を超えたものを見せてくれるように聴かせてくれている。しかし、トラフィックの次作アルバムにはこのふたりの名前はクレジットされていない。アルバムのプロモーションを兼ねたアメリカ・ツアー中に解雇されてしまうのだ。ドラッグが原因だった。ふたりのキャリアはその後もつづき、ジム・ゴードンは、スティーリーダンのアルバム「プリッツェル・ロジック」でも素晴らしいドラミングを聴かせている。ゴードンは明らかに 凄い人間と組めば組むほどそれに連れて冴えわたるというタイプのミュージシャンだったのだろう。シングルの「リキ・ドント・ルーズ・ザット・ナンバー」もゴードンのドラミングだ。しかし、ふたりのミュージック・シーンでのキャリアは長くはつづかなかった。グレッチは1977年に音楽界を退き、故郷のレスターに戻るが重度のアルコール依存で1990年に脳梗塞で世を去っている。ゴードンもまたアルコールとドラッグで神経を病み(医師はそれを認めるのにしくじってしまう(単なる(と言ってはいけないのかもしれないが)アルコール中毒としての処置を施し)1980年代を待たずに彼はミュージシャンとしての失速状態に陥り、精神を病み(法廷もそれを認めるのにしくじってしまうのだが)1983年に実母を惨殺してしまう。ふたりとも ある意味でトラフィック時代に自分たちが書いた きょうのこの歌のとおりになってしまったと そう聴くこともできるだろう・・・・。

*2:「シチュー」というコトバには、わたしたちにはお馴染みの 肉や野菜をとろ火で "グツグツ" と煮込むほかにも(おそらくそのイメージから来ているのだろうが)大酒をくらって "グデングデン" に酔っ払うという(意味がある/わけでもないのが、そういう)ことにも使われる。また、シチューのゴッタ煮的なイメージからは「混雑」とか「混乱」とか「混迷」とか「イライラ」と、そういうことにもこの「シチュー」という語が当てられる。実際、辞書には慣用句として「in a stew」(シチューの中に)を「混乱して」とか「めちゃくちゃになった」という使用が説明がある。つまり、それに(ロックンロールで)輪をかけたのが(おそらくは)この「ロックンロール・シチュウ」なのだろう。ロック・バンドのツアーの重圧については(彼らの多くが異常な聴覚の持ち主であるだけに)ほとんど常人の理解を超えるところのものなのがあるのだろうが、多くのグループの幾多のエピソードから わたしたちはその幾ばくかをうかがい知ることができるかもしれない。

*3:このアルバムからは、すでに「ヒドゥン・トレジャー」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050128#p2 と「レインメーカーhttp://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050624 がここで紹介されていますので、よろしければどうぞ♪

*4:このジャケットのあなたの目の錯覚をどうぞお楽 see 見ください。