Diamonds And Rust

Words & Music by Joan Baez.
(1975年発表)







(原題直訳 「ダイヤモンドと錆」)*1







歌詞は、次のURLから、
http://www.lyricsmode.com/lyrics/j/joan_baez/diamonds_and_rust.html







From the Joan Baez album, "Diamonds And Rust".

名作アルバム度 ☆☆☆



「ダイヤモンド&ラスト」 (ジョーン・バエズ




Also on the Joan Baez live album, "Ring Them Bells".

名作アルバム度 ☆☆☆



ジョーン・バエズ





Also on the Judas Priest album, "Sin After Sin". *2

名作アルバム度 ☆☆☆



背信の門」 (ジューダス・プリースト








名曲度 ☆☆☆








邦題「ダイヤモンド&ラスト」 (ジョーン・バエズ








Well I'll be damned
そうよ、わたし、いやになってしまうわね
Here comes your ghost again
あなたの亡霊がまた現れたりして
But that's not unusual
だけど、これって普通じゃないわね
It's just that the moon is full
月もちょうど満月で
And you happened to call
それで、あなたがたまたま電話してきたなんて
And here I sit
そう、わたしはここにすわって
Hand on the telephone
電話を手にして
Hearing a voice I'd known
A couple of light years ago
2光年も昔にわたしが知っていた声を耳にしながら
Heading straight for a fall
落とし穴に向かって まっしぐら




As I remember your eyes
あなたの瞳を思い出してるの
Were bluer than robin's eggs
コマドリの卵よりも青かったわ
My poetry was lousy you said
わたしの詩なんてクズだって、あなた、言ったのよ
Where are you calling from?
あなた、いま、どこから電話してるの?
A booth in the midwest
中西部の電話ボックスからだった
Ten years ago
10年も昔
I bought you some cufflinks
わたしはあなたにカフスボタンを買ってあげたわ
You brought me something
あなたも わたしに何かを買ってくれたわ
We both know what memories can bring
思い出が何をもたらすことができるのか
わたしたちはふたりともわかってる
They bring diamonds and rust
それはダイヤモンドと錆を持ってくるのよ




Well you burst on the scene
そうよ、あなたは忽然とシーンに登場してきたの
Already a legend
もはや伝説になってるわ
The unwashed phenomenon
よからぬ出来事
The original vagabond
元祖、放浪者
You strayed into my arms
あなたはわたしの腕の中にさまよい込んで来て
And there you stayed
そして、あなたはそこに居ついてしまった
Temporarily lost at sea
洋上で一時的に行方知れずになって
The Madonna was yours for free
マドンナたちはタダであなたのものだった
Yes the girl on the half-shell *3
そうよ、あの二枚貝の女が
Would keep you unharmed
あなたが傷つかないように守ってくれたのよね




Now I see you standing
With brown leaves falling around
いま、わたしの目に浮かんでいるのは
茶色くなった葉があたりに散る中に立っているあなたの姿
And snow in your hair
そして、あなたの髪には雪が見えるわ
Now you're smiling out the window
Of that crummy hotel
Over Washington Square
今度は、ワシントン広場を臨む薄汚いホテルの窓から
微笑んでる あなたよ
Our breath comes out white clouds
わたしたちの息が白い雲になって
Mingles and hangs in the air
混じり合い、空気中へと漂っていき
Speaking strictly for me
しっかりとこのわたしのために物語ってくれている
We both could have died then and there
わたしたちは、どっちも、あのとき、あそで、
死んでしまえていればよかったのよね




Now you're telling me
いま、あなたがわたしに言ってるのは
You're not nostalgic
べつに自分は昔が懐かしくなってるわけじゃないということ。
Then give me another word for it
それなら、もっとほかの言葉で
そのことをわたしに言ってよね
You who are so good with words
あなたは、言葉がすごく得意な人じゃない
And at keeping things vague
それに物事を曖昧なままにしておくこくもお上手よね
Because I need some of that vagueness now
だって、いまのわたしは何だかハッキリさせずにでおきたいのよ
It's all come back too clearly
すべてがあまりにまざまざと蘇って来てしまっているわ
Yes I loved you dearly
そう、わたしは心からあなたのことを愛してるわ
And if you're offering me diamonds and rust
だから、もし、あなたg
ダイヤモンドや錆やらをこのわたしに差し出しているのだとするなら
I've already paid *4
わたしは、もう 払いなら済ませてるわよ










Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 122409









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最近はふと思い出すぐらいで、そんなこともなくなってしまったが、
昔の女に(と呼ばせてもらうが) うっかり電話をしてしまいそうになるのは、
あれは何なのだろうか?
誰にでも心当たりがあることだと思うが、
もちろん、べつに「昔が懐かしくなって」るばかりではけっしてないだろう。
あれは何を期待して、電話するのだろうか?
心理学や精神分析で説明のつくようなことなのだろうか?

いずれにせよ、きょうのこのジョーン・バエズの歌で
電話を受けたのは、バエズ本人、
そしてバエズの伝記的な諸々の事実に通じているヒトなら誰もがこく自然に思い浮かべてしまうように、
彼女が手にしている受話器の向こうにいるのはボブ・ディランだ。
もちろん、いくらかのデフォルメは加えられているものの
フォークの女王と呼ばれたジョーン・バエズボブ・ディランのロマンスのある些細な後日談をこの歌は歌っているように心に響く。
このときディランは(歌の中にあるように)「自分はべつにノスタルジックになって」電話しているわけではないとバエズに告げたようで、そのことに歌の中のバエズは(ちょっと失望したように)もうちょっとロマンチックな言い方をして欲しいと(?)その不満を(歌の中で)漏らしている。そんなにハッキリ言っちゃわないでよ、もうチョット気を揉ませてくれてもいいじゃない、「わたしには、いま、何らかの曖昧さが必要なのよ」と鮮烈にふたりで過ごした日々を胸の中に(あるいは瞼の中で)思い浮かべながら口にしている。
それがこの歌だ。
そして、バエズによってひとつの大人の歌としてデフォルメされて歌になったこのときの電話は、(ディランの(そしてバエズの)この時期の伝記的事実に照らし合わせるならば、それは「ローリング・サンダー・レビュー」と銘打った1975年から76年にかけてのボブ・ディランの他のビッグ・ネームを含む大規模な全米ツアー(といっても小さな町や小さな会場ばかりを選んでスケジュールが組まれた大規模な小規模なツアー)とそのツアーの記録をベースや背景としながら組み立てられたボブ・ディラン自身の監督・脚本(ツアーに同行したサム・シェパード(!)との共同脚本)による映画「レナルドとクララ」(1978年公開)へのバエズの参加を要請する(おそらくは事務的な用件をメインとする)電話だったのだろう。
そして、その成果は(1本のマイクをシェアするかたちで)バエズとディランがデュエットするフォークソングの名曲「ザ・ウッォーターイズ・ワイド」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060621 として(すでにここでわたしたちは)それに耳傾けているいるはずだ。






                ☆
Merry Christmas !!!
             ♪♪♪♪♪Rock’n’Roll
            !!!!!!!
                DD
                EE
                CC         

              20091224
              20091225









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【Years Ago−Go!】







(1年前のエントリーを Playback♪)







・「ダイアナ」 (ポール・アンカ

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060927






(2年前のエントリーも Playback♪)






・「インナー・シティー・ブルース」 (マーヴィン・ゲイ
・「ホワッツ・ゴーイン・オン」 (マーヴィン・ゲイ

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050927

*1:こういう慣用句なり諺があるのかどうか知らないが、きょうのこの歌を聴けば、その意味が見えてくるように、ここでは。時間を経ても、その輝きに変わりないもの、あるいはその輝きがますます増すものと、逆に輝きを損ね、まったく失くしてしまうものの喩えとして、このふたつが並置され、対置されているようだ。

*2:彼らのステージではお約束の曲にもなっているようで「イン・ジ・イースト」Unleashed in the East をはじめとするライブ・アルバムやDVDでも必ずと言っていいほど採り上げられている。なお、彼らにおいては、邦題は「ダイヤモンズ・アンド・ラスト」と表記されている。

*3:ボティチェリのあの名画「ヴィーナスの誕生」が思い浮かんで来るのですが・・・・・? 「half-shell」という語にはとくにべつの意味があるあけでもなく、また、そこから連想するのが筋というべきコノテーションもないようですが、(この歌のモデルとされているボブ・ディランの伝記的事実からすれば、ディランと結婚することになったセーラ・ラウンズ(「サラ」(ボブ・ディランhttp://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060913 )のことだろうか。

*4:この部分の歌詞を、バエズは、1995年にニューヨークのボトムラインで録音されたライブ・アルバム(でディランの作品をタイトル・トラックとした)「Ring Them Bells」では「Well, I'll take diamonds.(そうねえ、わたしはダイアモンドをとるでしょうね)」と歌っている。