Moon Over Bourbon Street

Words & Music by Sting.
(1985年発表)






(原題直訳 「バーボン・ストリートの月」) *1






歌詞は、次のURLから、
http://www.lyricsfreak.com/s/sting/moon+over+bourbon+street_20132085.html








From the Sting album, "The Dream Of The Blue Turtle".  *2

名作アルバム度 ☆☆☆☆☆



「ブルー・タートルの夢」 (スティング)







名曲度 ☆☆☆








邦題「バーボン・ストリートの月」 (スティング)








There's a moon over Bourbon Street tonight
月が出ている
今宵、バーボン・ストリートに
I see faces as they pass beneath the pale lamplight
青白いランプの明かりの下を往来する人たちの顔が見える
I've no choice but to follow that call
ぼくには、あの呼び声に従う以外に選ぶ道はないのだ
The bright lights, the people, and the moon and all
明るい光、人間たち、そして月や諸々のすべて
I pray everyday to be strong
ぼくは、毎日、強くなれるようにと祈っている
For I know what I do must be wrong
というのも、このぼくには
自分がしていることが よくないことだとわかっているからだ
Oh, you'll never see my shade or hear the sound of my feet
あゝ、あなたたちには、このぼくの影を目にしたり、
このぼくの足音を聞いたいるすることは けっしてないだろう
While there's a moon over Bourbon Street
このバーボン・ストリートに月が出ている時間には




It was many years ago that I became what I am
わたしが、こんな自分になってしまったのは、
もう遥か何年もまえのこと
I was trapped in this life like an innocent lamb
罪を知らない羊のようにして
わたしは、この生きざまの罠にはまってしまったのだ
Now I can only show my face at noon
いまでは、自分の顔を見せられるのは真昼だけで
And you'll only see me walking by the light of the moon
そう、あなたがたには
月明かりの中を行くわたしの姿が見えるだけだろう
The brim of my hat hides the eye of a beast
わたしのこの帽子のつばが、獣(=けだもの)の目を隠してくれる
I've the face of a sinner but the hands of a priest
わたしは罪人(=つみびと)の貌(=かお)をしているが、
しかし、僧侶の手を持っているのだ
Oh you'll never see my shade or hear the sound of my feet
おゝ、あなたがたがこのわたしの影を見たり
また、わたしの足音を耳にすることは けっしてないだろう
While there's a moon over Bourbon Street
このバーボン・ストリートに月が出ている間には




She walks everyday through the streets of New Orleans
彼女は、毎日、このニューオーリンズの街路を歩いている
She's innocent and young from a family of means
資産家の家に生まれた、汚れを知らぬ若い人
I have stood many times outside her window at night
わたしは、何度も何度も、夜中、彼女の窓の外に立ち
To struggle with my instinct in the pale moon light
青ざめた月明かりの下で自分の本能と葛藤していた
How could I be this way when I pray to God above
天高き神に向かって祈っているのに
どうしてわたしはこんなふうになってしまうのか?
I must love what I destroy
わたしは自分が破壊してしまうものを愛さなくてはならないのだ
And destroy the thing I love
そう、自分が愛する者を壊してしまうのだ
Oh you'll never see my shade or hear the sound of my feet
あゝ、おまえにはこのわたしの影を目にすることも
わたしの足音も聞こえやしないことだろう
While there's a moon over Bourbon Street
このバーボン・ストリートに月が出ている時間には










Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 111309








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きょうは、(ここでの日付は、8月30日ではあるけれども)
13日の金曜日なのですねえ、どうぞ、ご用心。
きょうのこの歌は(それにふさわしく?)吸血鬼の歌なのですね。*3
そう思って、この歌を聴いてみると(あらためて)この歌の語り手(=歌い手)であり、また主人公である人物の姿が(なるほどと)蒼ざめた月明かりの中に冷たい像を結ぶことでしょう。



さてさて、
今夜でここもオープン以来、
(途中、2年以上もの長い中断をはさみながらも)
第999日目の夜を迎えることになりました。
「ロックの一千一夜物語」ということではじめたようなところもあったのですが、
とくに何かに到達するとか、何かを達成することもなく
1001回を迎えることになりそうですね。
そして、きょうのこの歌を含めて、選曲のコントロールも(あくまでも流れ優先で)けっして全面的にわたしの掌中にあるわけではなく、(むしろ、わたしは無数の歌たちに奉仕するというかたちとなっているw、いわば聖職者風の忠実さにも似た隷属の悦びか?)(したがって、いささか不本意なチョイスでこの3日間を迎えることにもなっているわけですが)(自分でもどうなるのかあまりプランニングができないところがやっていて面白ところでもあり、また、長くつづいてる理由でもあるのでしょう)ここでの流れにしたがい、できるだけ流れの方向を見定めるようにして歌の宇宙に耳傾けて次なるナンバーを紡ぎだしてくるというのが毎日の塩梅です。
そして、きょうはこうなり、明日は(おそらく)ああなり、(当初は最終回と目されてた)
1001夜は、また、新たなる次回へのただの一夜となることでしょう。



ところで、きょうのこの歌、どこかで聴いたような覚えのある曲だと思っている方も少なくないでしょう。
実は、この曲、おそらくは クルト・ワイルっぽくってことでスティングは意識してこれをつくっているのではないかと思います。同じ時期にたしかワイルのトリビュート・アルバムにルー・リードらと参加していましたし、どことなく歌の中の人物も(その正体が吸血鬼だと気づかなければ)ブレヒト=ワイルの「三文オペラ」にでも登場しそうな(わけありの)小悪党といったイメージがありますものね。
そういえば、ここでも紹介した(ドアーズによる)クルト・ワイルの作品もまた、いまのここでの流れにふさわしい「月」が印象的に歌われている歌でしたネ♪


・「アラバマ・ソング」 (ドアーズ)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050129#p3









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【Years Ago−Go!】








(1年前のエントリーを Playback♪)







・「イヴニング・ブルー」 (トラフィック

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060830








(2年前のエントリーも Playback♪)







☆ ピンク・フロイドザ・ウォール」アルバム全曲訳(第17回) ☆





・「ストップ」 (ピンク・フロイド
・「ザ・トライアル」 (ピンク・フロイド

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050830

*1:バーボン・ストリートは、ニューオーリンズの有名な通りのひとつで、その一画は古くからの歓楽街であり、また、ジャズ発祥の地ということで昔ながらの街並とともにほとんど観光名所となっているようですね。

*2:このアルバムからは、すでに「ラシアンズ」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060509 がここで紹介されていますので、よろしければ どうぞ♪

*3:きょうのこの歌は、スティング自身の語るところによると(アンディ・ソマーズが持っていた)アン・ライスの小説「夜明けのヴァンパイア」Interview With the Vampire (1976年刊)(を借りて読んで、それ)に触発されて書いた歌だという。(この「夜明けのヴァンパイア」については、(わたし自身は未読のままにしてしまっているが)この小説を原作とした1994年のアメリカ映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(ニール・ジョーダン監督、トム・クルーズブラッド・ピット主演)が公開されたときに、ある信頼できる小説読みの友人がたいそう褒めていたのを記憶している。