Ladder Of Success

Words & Music by Raymond Douglas Davies.
(1985年発表)





(原題直訳 「成功への梯子段」)





No album avairable.*1





邦題 「(不明)」 (ミュージカル・キャスト)






歌詞は、次のURLから
http://www.pcplanets.com/lyrics-text-215897-.shtml






名曲度 ☆☆






邦題 「(不明)」 (レイ・デイヴィスほか)









Now the race has begun
さあ、競走がはじまった
You are strong and you are young
おまえは強く、そして、おまえは若い
It's your choice, it's up to you
選ぶのはおまえだ、おまえ次第なのさ
Be good to us and we'll be good to you
われわれによくしたまえ
ならば、われわれもおまえによくしてやろう
And you will be rewarded for conforming to our plan
そして、おまえは
わたしたちの計画に従うことで、その報酬を受けるのだ
The system will accept you
体制はおまえを受け入れるだろう*2
Because we understand
なぜなら
わたしたちにはわかっているのだ
You'll be up there with us on the pinnacle of success
きみがわれらとともに成功の頂上に立つだろうことが
Winning, climbing on the ladder of success
勝利することが
成功という階段を昇っていくことが




Why take less,
少ない取り分を得ることはない
Now you're on the ladder of success
きみはいまや成功への階段の上にいるのだ




Now we've reached the end of another school year
いま、わたしたちはまた新たなる学年度末を迎えました
And those of you who are leaving us
そして、ここにいるきみたちも
わが校を去っていくことになりました
We wish you well in your chosen careers
われわれは
諸君がみずから選んだ仕事で
うまくやることを願っています*3




I see you got a job with a well established firm
きみが定評のある実績のある会社に職を得たのは
わたしも見ているよ
You'll be earning a 3 pound 10 shillings a week
きみは週に3ポンド10シリングを稼ぐことになるだろう
Plus luncheon vouchers
それプラス昼食券もだな
Well my boy it looks as though you're heading
Straight for the top
そうだね、わが生徒よ
kimiさながら、きみは真っ直しぐらに
頂上を目指しているかのごとくであります




And your efforts will be noted
そして、諸君の努力は
人の目にとまるものとなることでしょう
But you must always compete
だが、諸君は
つねに競争していかなくてはならないのです
Stick it out the sky's the limit
大空の限界を突き破るのです
And you'll be part of the elite
そして、きみは
選ばれし者たちの仲間入りをすることになるだろう




You'll be up there with us
わたしたちとともに
きみはそこに上がっていくのです
Competing with the best
最善を尽くして競い合い
Achieving, winning on the ladder of success
成し遂げるのです、勝利するのです
成功という階段の上で




My commitment join us game
きちんと誓約をして
われわれのゲームに参加にしたまえ
Now you're really in the team
これでもう、きみは実際にチームの一員なのだ
Part of the plan, don't make a fuss*4
計画の一部なのだ、文句を言ってはならん
Play the game and you'll be one of us
ゲームをするんだよ
そして、きみもわれわれの一員となるんだ
And your efforts will be noted
そう、きみの頑張りは
目に留まるものとなるだろう
You'll be part of the elite
きみはエリートの一員となるのだ
Pay your money make your choice now
あとは運を天に任すのだ、さあ
Your commitment is complete
これできみも完全に参加したことになる
Now you're up there with us
いまや、きみは
わたしたちとともにここに上がって来ているのだ
Competing with the best
最善を尽くして競い合い
Achieving, winning on the ladder of success
成就するのだ
成功という階段の上で勝利するのだ




Stand in line, join the queue
行列を作って立て、列に並ぶんだ
Play the game with the right attitude
ゲームはきちんとした態度でするものだ




Now you've made the reputation
いまや、きみの評価も確立された
There's so much that you can lose
きみが失ってしまうかもしれないものは
実ににたくさんあるのだ
What a struggle to get up there
そこまでのぼりつめるのは何と大変な苦闘だろう
You've really paid your dues
きみは自分のやるべきことは
しっかりとやってきた
Now you're up there with us on the pinnacle of success
いまや、きみは、われわれとともに
成功の頂上にのぼってきたのだ
Still you're climbing on the ladder of success
それでもまだ
きみはこの成功という梯子段を上っていくのだ




Now you're up there with us
さあ、きみはわたしたちとともにここに上った
Competing with the best
最善を尽くして競い合い
Winning, climbing on the ladder of success
勝利し、成功という階段を上っていく
On the ladder of success
成功という階段の上で
Achieving, winning on the ladder of success
達成し、勝利していく
成功という階段の上を











Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞









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不動産のディーラーを生業とするどこにでもいるようないかにもロウアーミドルクラス風の中年の男が郊外のテラスハウスらしき自宅で妻とふたりの朝食の席で朝のTVの天気予報を見て、家を出て、駅に向かい、ウォータールへの往復切符を買い、汽車でロンドンのロンドンの自分のオフィスに向かう。
その通勤列車の駅や車中で目にするさまざまな乗客の表情や耳にする言葉の端々に触れて、彼の意識に映し出されてくるのは、現在の彼の日常における懸念や不安の数々だ・・・・・、それはまず第一に家出中の年頃の娘のこと(車中で目にした新聞の一面には大きく連続婦女暴行殺人犯の似顔絵が掲載されている)、そして、どことなくぎくしゃくとしてきた妻との間柄、かつては幼い娘と幸せを絵に描いたような生活を送ってきた、さらにまた自分が若い頃とはすっかり変わってしまったこのイギリスという国の社会が抱え込んだ現代の諸問題など、さまざまな思いが通勤列車の車中で次々に彼の意識を駆け巡る、そうした主人公の意識の流れや気まぐれな空想を(とても監督第1作とは思えない)見事な映像表現と構成で画面に映し出す1985年公開のレイ・デイヴィス監督の知られざる大傑作「Return To Waterloo」(「ウォータールー往復」)*5
の中でも一、二を争う印象的な場面を展開することになるのがこの歌の場面だ、見るからにフレッシュマン然とした若者が向かいの席にすわっている、その彼の両脇にはこれまた見るからに有能そうな年長のビジネスマンがふたり、その3人を目にして主人公は、いつしか自分がまだ若く前途有望だった頃のことを思い出し、その想念がこの歌に乗せて主人公のこれまでがミュージカル・シーンのようにして繰り広げられる・・・・・・・・



※本日の関連曲Playlist



・「リターン・トゥー・ウォータールー」 (レイ・デイヴィス)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20051016








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【Years Ago−Go!】






(1年前のエントリーを Playback♪)




・「キサナドゥーの伝説」 (デイヴ・ディー・グループ)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060127







(2年前のエントリーも Playback♪)






・「黒くぬれ!」 (ローリング・ストーンズ
・「シルヴァー・ブルー・アンド・ゴールド」 (バッド・カンパニー

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050127

*1:レイ・デイヴィスが自ら脚本と監督を手がけた1985年発表の映画「Return To Waterloo」(「ウォ−タールー往復」)のミュージカル・シーンで歌われた、作中でももっとも印象に残る曲のひとつだが、残念ながら同映画のサウンドトラック盤には収録されておらず、(ジャケットは上に掲載したものの)正式な音源としては(現在のところ同映画のDVD以外では))聴くことができない状態となっている。

*2:「体制」(と訳した)「the system」とは(すなわち)「世の中の仕組み」ということでの「システム」でもある。

*3:おそらくレイ・デイヴィスと同世代と思われるこの映画の主人公が、自分が世の中に出ていくときのことを回想するその当時のイギリスでは大半の子供たちが15歳で就労し、18歳で(イギリスでは第二次大戦後になって初めて実施された徴兵制により)2年間の兵役義務に就くという時代だった。もちろん、この歌に歌われているような「エリートの仲間入り」など万にひとつもないケースだったろう。しかし、戦後復興期を経て好景気がつづいた1956年から1958年あたりにかけて、義務教育を終えて、とくに勉学の意志のない子供でも(ビートルズジョン・レノンストーンズのキース・リチャードや)(この歌の作者である(キンクスのレイ・デイヴィスのように)美術学校をはじめとする各種の専門学校に進学する経済的な余裕がイギリスの大都市の労働階級(ワーキングクラス)の子弟にも出て来たのだった。そして徴兵制もその時期から撤廃論議が高まり、1960年になって全廃されることになる。

*4:レイ・デイヴィスの歌声が聴こえて来るのはこのラインから

*5:イギリスでは1985年に(この映画の制作会社である)チャンネル4で放映され、アメリカでもニューヨークなど一部の大都市で単館公開された。なお、映画監督としてのレイ・デイヴィスは、その後も1991年にチャーリー・ミンガスをめぐるドキュメンタリー映画を撮ってる。