Prodigal Son

Words & Music by Rev. Robert Wilkins.
(1968年発表)*1









(原題直訳 「放蕩息子」)*2






From The Rolling Stones album, "Beggar's Banquet".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「ベガーズ・バンケット」(ローリングストーンズ)




And you can listen to Robert Wilkins compilation,
"Memphis Blues 1928-1935".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆ *3


(ロバート・ウィルキンズ)





Also you can isten to Reverend Robert Wilkins on the omnibus live album,
"Blues At Newport Recorded Live At The Newport Folk Festival 1959-1964"
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

(ロバート・ウィルキンス師ほか)*4






歌詞は、次のURLから
http://www.keno.org/stones_lyrics/prodigal_son.htm








名曲度 ☆☆






邦題 「放蕩むすこ」 (ローリング・ストーンズ










Well a poor boy
そうよ、けちな小僧っこが
Took his father's bread
そいつの親父のカネを持って
And started down the road
それで旅に出ちまったんだ
Started down the road
どこへともなく出かけたんだ
Took all he had and started down the road
親父の持ってたすべてを奪って
それであてのない旅に出たんだ
Going out in this world,
この世の中へと出て行ったってわけよ
Where God only knows
どこへなんて、神さまのみがご存知のこと
And that'll be the way to get along
そう、こんなふうにしてお話は進んでいくのです




Well poor boy
んでまあ、バカな坊やは
Spent all he had,
自分が持ってたすべてを
使い果たしてしまったんだ
Famine come in the land
国中に飢饉がやって来て
Famine come in the land
国中に飢饉がやって来てたんだ
Spent all he had and famine come in the land
ありガネ全部使い果たして
しかも国中に飢饉が来てた
Said,
言いやがったぜ
"I believe I'll go and hire me to some man"
「どうにかなると思うんだ
そう、どっかにおれのこと雇ってくれる人がいるだろう」ってな
And that'll be the way I'll get along
そう、そういうふうにしてお話は進んでいくのです




Well, man said,
んで、まあ、ある人が言ったんだ
"I'll give you a job
「おれがおまえに仕事をやるとしよう
For to feed my swine
おれの豚に餌をやるんだ*5
For to feed my swine
おれの豚に餌をやるのさ
I'll give you a job for to feed my swine"
おれの豚に餌をやる仕事を、おれがおまえにやるとしよう」と
Boy stood there and hung his head and cried
そのガキはそこに立ち尽くして
頭をうなだれて泣きやがったぜ
`Cause that is no way to get along
なぜって、こんなことになるはずじゃあなかったからさ




Said,
言いやがったぜ
"I believe I'll ride,
「おれ、出て行くことになると思うんだ
Believe I'll go back home
おれ、家に帰ろうと思ってるんだ
Believe I'll go back home
おれは家に帰ることになると思う
Believe I'll ride, believe I'll go back home
おれはここを出てくことになると信じてる
おれは家に帰るだろうって信じてるぜ
Or down the road as far as I can go"
っていうか、できるだけ遠くまでこの道を行ってみるさ」
And that'll be the way to get along
そして、こんなふうにしてお話は進んでいくのです




Well, father said,
それでまあ、父親が言ったんだ
"See my son coming home to me
「見ろ、わしのせがれが
このわしのもとに帰って来たぞ
Coming home to me"
家に戻って来たぞ、このわしのもとに」
Father ran and fell down on his knees
父親は駆け出すと、膝から崩れ落ちて
Said,
言ったんだ
"Sing and praise, Lord have mercy on me"
「歌い、そして讃えるんだ、主がこのわたしに情けをくだされた」、


(spoken)
(セリフ)
Mercy
お情けをな




Oh poor boy
あゝ、駄目な少年が
Stood there,
そこに立っていた
Hung his head and cried
頭をうなだれて、泣いていた
Hung his head and cried
頭をうなだれて、そして、泣いていた
Poor boy stood and hung his head and cried
哀れな小僧がつっ立って、そして頭をうなだれて泣いていた
Said,
言ったぜ
"Father will you look on me as a child?"
「お父さん、あんた、おれのこと自分の子供だって見てくれるかい?」


(spoken)
(セリフ)
Yeah
まったくよお




Well father said,
それでまあ、父親は言ったよ
"Eldest son,
「上の息子はいるか*6
Kill the fatted calf,
よく肥えた牛を屠ってこい*7
Call the family round
家族の者ら呼び集めるんだ
Kill that calf and call the family round
牛を屠って、家族の者たちを呼び集めなさい
My son was lost but now he is found
わが息子は、いなくなっていたが、いま、やつが見つかったぞ」*8
'Cause that's the way for us to get along"
なぜって、わしらにとっては、こうなることこそ
然るべきことなのだからな」


(spoken)
(セリフ)
Hey
だとよ









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞













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【Years Ago−Go!】








(1年前のエントリーを Playback♪)




1年まえのこの歌も
(きょうのこの「放蕩息子」と)よく似た語り口を持った寓話的なつくりになった歌ですよー。



・「花はどこへ行った」 (キングストン・トリオ)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060122







(2年前のエントリーも Playback♪)




・「青い影」 (プロコル・ハルム

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050122

*1:オリジナルは、のちに(「Church of God in Christ」という)キリスト教プロテスタントの一宗派の宣教師になったブルースマン、ロバート・ウィルキンズが1929年に発表した「That's No Way To Get Along」(「こんなふうになるはずじゃない」)を原曲としたもので、後年、宣教師となり「ロバート・ウィルキンズ師」が(歌詞の一部と題名を替えて)「Prodigal Son」として歌ったもので、ローリングストーンズ(が(当初、自分たちの作品としてクレジットして)1968年発表のアルバム「ベガーズ・バンケット」(「乞食の晩餐」)で発表したこと)によって広く世界に知られるようになった。(裁判ではストーンズ側は、これを発売直前になってのジャケット変更に伴うミスとしたが、レコード盤のレーベルにも「Jagger-Richards」とクレジットされていた)ストーンズは(この件での賠償の意味もあってか(<未確認ですが))(その後、1971年発表の「スティッキー・フィンガーズ」で)ウィルキンズの「You Gotta Move」も採り上げている。ストーンズは、そのグループ名もウィルキンズの名作「ローリング・ストーン」からつけたようなので、結構、いろんなものを彼に負うかたちになっている。

*2:新約聖書」の「ルカによる福音書」第15章11節ー32節でイエスによって語られる(「放蕩息子の帰還」としてよく知られる)(罪ある者が悔い改めることを神が喜ぶという)寓話に基づいた歌となっている。

*3:きょうのこの歌の原曲である「That's No Way To Get Along」のほかにも、ローリングストーンズが(マディ・ウォーターズ経由で)自分たちのグループ名をつけることになったブルース・ナンバー「Rolling Stone」や、(やはり、ストーンズのアコースティックなデルタ仕立てのブルース・レパートリーでアルバム「スティッキー・フィンガーズ」の中の)「You Gotta Move」も聴けますよー。

*4:後年、宣教師になったロバート・ウィルキンズが、「Reverend Robert Wilkins」として往年の自作曲「That's No Way To Get Along」の歌詞の一部を替えて、曲名も「Prodigal Son」と変えて歌っている1964年の「ニューポート・フォーク・フェスティヴァル」のステージが収録されています。(なお、(1960年代末のフーテナニー・ブームの中から生まれた)「ニューポート・フォーク・フェスティヴァル」は(白いアメリカン・フォークソングのリヴァイヴァルばかりでなく、広く)ブルースの復興に大きな役割を果たし、すで故人と思われ(また歴史上の人物とさえ思われ)ていた(サン・ハウスやスキップ・ジェームズやミシシッピィ・ジョン・ハートなど)ブルースマンたちの生存を南部の奥深くで確認し、彼らを1960年代のアメリカのミュージック・シーンに甦らせる功績も残しています。

*5:「聖書」の世界である古代ユダヤでは豚はもっとも下劣な生き物ととされている。したがって、その豚のお世話をする仕事とは最低よりもさらに最低の境遇を意味することになる。(現代でも、この「豚」への蔑視は(英語にも反映されているようで)「警官」の蔑称には(日本の「イヌ」同様に)「pig」という語が(とりわけ1960年代には)一般的であるようだ。(で、いま、これを書いていて思いついたことで あくまでも余談になるのだが、警官を豚と呼ぶならば、その「豚に餌をやる仕事」とは(サツのスパイ)(例えば、麻薬取引などの)「密告者」ということになるのかもしれませんね、なるほど、最低リーグの世界になりますなー。(仏教でもそうですが、心や精神や霊性や魂には(何段階もの)「格」というものがあるようですから、実社会にもそのあたりは反映するのかもしれません。このへんは(きょうの歌の主人公のように)「家」を出てみなければ、わかりませんね。上を見ることになるにせよ、下を見ることになるにせよ、・・・・あるいは、限りなく漸進的に横滑りをしながらいつしか堕ちていくことになるにせよ・・・・・・・・ほっほー

*6:聖書では、後半はこの兄をめぐる物語となっていく。

*7:もちろん祝宴のためである。

*8:「道に迷っていたわが息子だが、いま、見い出されたぞ」とより宗教的に聴いてみてもいいかもしれない。