Where Have All The Good Times Gone?

Words & Music by Raymond Douglas Davies.
(1965年発表)






(原題直訳 「あのよき時代はすべてどこへいってしまったのだろう?」)






You can listen to The Kinks album, "The Kink Kontroversy".
名作アルバム度 ☆☆

「キンク・コントラヴァーシー」 (キンクス




And you can listen to David Bowie album, "Pin Ups".
名作アルバム度 ☆☆☆

「ピンナップス」*1 (デヴィッド・ボウイ




Also you can listen to Van Halen album, "Diver Down".
名作アルバム度 ☆☆

「ダイヴァー・ダウン」*2 (ヴァン・ヘイレン
Date: 1982






歌詞は、次のURLから
http://kinks.it.rit.edu/discography/showsong.php?song=447





名曲度 ☆☆☆





邦題 「ホエア・ハヴ・オール・ザ・グッド・タイムズ・ゴーン」 (キンクス










Well, ln my life and never stopped to worry 'bout a thing
そうだよな、おれの人生
心配事がひとつとして止まったことがなかったぜ
Opened up and shouted out and never tried to see
あけっぴろげで、大声張り上げて
それで全然考えたりしようなんてしなかった
Wondering if I'd done wrong
何か自分が
間違ったことをしてたんじゃないかと
考え込んじゃって
Will this depression last for long?
この意気消沈した気持ちは
ずっとつづいていくんだろうか?




Won't you tell me?
きみたち、ぼくに教えてくれないか?
Where have all the good times gone?
あのいい時代はいったいどこに行ってしまったんだい?
Where have all the good times gone?
あのよき時代はいったいどこに消えてしまったんだろう?




Well, once we had an easy ride and always felt the same
まあね、かつてはぼくらも気楽にやって
それで、いつも同じ気持ちになってたよ
Time was on our side and I had everything to gain
時代はぼくらの味方で
持つべきものは、ぼくは何でも持っていたんだ
Let it be like yesterday
以前のようにはいかないものだろうか
Please let me have happy days
どうか、ぼくに幸福な日々を過ごさせてくれよ




Won't you tell me?
きみたち、教えてくれないか
Where have all the good times gone?
あのよき時代はいったいどこに行ってしまったんだい?
Where have all the good times gone
あのいい時代はいったいどこに行ってしまったのだろう?




Ma and Pa look back at all the things they used to do
ぼくも親父も、いろいろとみんながどうやってたのかを懐かしむ
Didn't have no money and they always told the truth
カネなんかなかったけど、人々はいつもちゃんとしたことを口にしてた
Daddy didn't have no toys
親父にはオモチャなんか必要なかったし
And mummy didn't need no boys
オフクロだって若いオトコなんて必要じゃなかったもの




Won't you tell me?
きみたち、ぼくに教えてくれないか?
Where have all the good times gone?
あのいい時代はどこに行ってしまったんだい?
Where have all the good times gone?
あのよき時代はどこに消えてしまったんだい?




Well, yesterday was such an easy game for you to play
そうだよな、むかしっていうのは
ぼくらにとっちゃ実に気楽に楽しめるひとつのゲームだったのさ
But let's face it things are so much easier today
だけど、正面きってちゃんと考えてみようぜ
物事はいまのほうがずっと楽になってるんだ
Guess you need some bringing down
思うんだけど
みんな、何かちょっと滅入ってみることが必要なんじゃないか
And get your feet back on the ground
それで、自分たちの足を地につけてみることがね




Won't you tell me?
きみたち、教えてくれないかい?
Where have all the good times gone?
あのよき時代はいったいどこへ行ってしまったんだろう?
Where have all the good times gone?
あのいい時代はいったいどこに行ってしまったんだ?
Where have all the good times gone?
あのいい時代はいったいどこに行ってしまったのだろう?









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞









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きょうのこの歌は、べつに幼年時代への郷愁というわけではなくて、むしろ、時代的、歴史的なものだろう。レイ・デイヴィスがこの歌を書いた1965年ごろというのは、イギリスで(すでに1957年の総選挙の保守党のスローガン「こんなによい時代がわれわれにあったろうか?(Never had it so good)」によって確認を求められた)豊かな大量消費社会の到来の兆しがいよいよ本格化しはじめた時期で、当時のイギリスでは(俗に)(世界から)「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれるようになる(音楽やファッションやコスメやインテリアなど)新興のサービス業の企業化、実業化が進行し、それが(物質的にも精神的にも)イギリスの経済成長の大きな推進力となっていた。それによって、人々は(若い(非熟練の)労働者たちも)豊かになり、可処分所得も大きく増えていき、ファッションや音楽や美容、インテリアなどライフスタイルにもその収入の多くを使うことができた(それが(いわゆる)(この時期の)「モッズ」であったりするのだが)、しかし、それによって失われてしまったものにも(当時イギリス社会の)人々は(もちろん)気づいていた・・・・・。キンクスが(初期のハードなサウンドから)(ときには保守的で)(また、ときにはいくらか神経症気味(というか心配性気味に)物事を憂い、またノスタルジックで、とても「イングランド」的になっていったのは、この時期の歴史を反映してのものだということは(きわめてわかりやすいこく)、すでにそれはロック史のひとつの定説にもなっている。


ということはべつにしても、
しかし、きょう、この曲をここで(つまり最近のこの一連の「子供」の流れの中で)紹介したのは、ほかでもない、このフレーズによるものだ




Daddy didn't have no toys
And mummy didn't need no boys


パパにはオモチャなんかいらなかったし
ママには若い男は必要なかった





(Tレックスのきのう歌「20世紀少年」にあった)この「オモチャ」と「坊や」という韻がきょうのこのレイ・デイヴィスの歌ではこういうふうに歌われているというのを、ちょっとここで紹介してみたかったのだ。
(べつに「オモチャ」っていったって「電動のディルド」(!)とかのことじゃないと(わたしは)思いますよー。*3ゴルフ・クラブとかカメラとか((消費社会の中で魅力的に映ってくる)(本来は(ただ、ひたすら働くだけだった)イギリス社会の労働階級には縁のなかった商品の数々を指すものと、わたしはとっているんですけどねー。(それにしても、レイ・デイヴィスの歌はいつも(いろいろと)考えさせてくれますよー。))






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【Years Ago−Go!】






(1年前のエントリーを Playback♪)




・「ビハインド・ブルー・アイズ」 (ザ・フー

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060118







(2年前のエントリーも Playback♪)





・「バレリーナ」 (ヴァン・モリソン

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050118

*1:1960年代のイギリスのヒット曲を集めたカヴァー・アルバムのラストを飾っています。

*2:アルバムのトップにラインナップされて、「グッド・タイムズ」という邦題で記されている。(ロイ・オービソンの「オー・プリティー・ウーマン」やマーサ&ヴァンデラスの「ダンシング・イン・ザ・ストリート」といった名曲のカヴァーも収録されています。

*3:イギリスでそういうのを「大人のおもちゃ」という、そういう言い方があったかどうか(いや、あるのかどうか)は、不覚にもわたしは知らずにいるんで、今度、誰かに訊いてみるなどして、ちょっと確かめてみておきますねー。