Live And Let Die

Words & Music by Paul McCartney.
(1973年発表)




(原題直訳 「生きろ、そして死んでもらおう」)





Performed by Paul McCartney & Wings.

You can listen to Paul McCartney compilation, "At His Best".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

「オール・ザ・ベスト」 (ポール・マッカートニー



And you can listen to the film soundtrack, "Live and Let Die".
名作アルバム度 ☆

「007/死ぬのは奴らだ」 (オリジナル・サウンドトラック)




And you can listen to Guns'N'Roses album, "Use Your Illusion I".
名作アルバム度 ☆☆

「ユーズ・ユア・イリュージョンI」 (ガンズ・アンド・ローゼズ*1
 

歌詞は、次のURLから
http://www.go2lyrics.com/W/Wings/216463.html




名曲度 ☆☆





邦題 「007/死ぬのは奴らだ」 (ポール・マッカートニー&ウイングス)







When you were young and your heart was an open book,
きみが若く、まだきみの心もわかりやすく、あけっぴろげだったころ
You used to say live and let live,
きみがよく言ってたのは
自分が生きて、みんなも生きればいいということだった
(You know you did,
(そうだったよね
(You know you did,
(そうだったよね
(You know you did)
(そうだったよね
But if this ever changing world in which we live in
でも、ぼくらが暮らす
このたえず変動している世界が、もしも
Makes you give in and cry,
きみを屈服させ、涙させるとしたら




Say live and let die!
生きるのだ、みんなは死ねばいい!ってことになる
Live and let die,
生きるんだ、他は死ねばいい
Live and let die,
生きるんだ、他は死ねばいい
Live and let die.
生きるんだ、他は死ねばいい




What does it matter to ya,
きみは何が気になるっていうんだ?
When you've got a job to do
仕事を得たら、人は
You gotta do it well,
それをうまくやらなきゃならないんだ
You gotta give the other fellow hell!
他のやつらには地獄の思いをさせてやるのさ!




You used to say live and let live,
きみはよく言ってたね
自分も生きて、みんなも生きるんだと
(You know you did,
(そうだったよね
(You know you did,
(そうだったよね
(You know you did)
(そうだったよね
But if this ever changing world in which we live in
だけど、ぼくらが暮らしている
このたえず変動している世界が、かりに
Makes you give in and cry,
きみを打ちのめし、そして涙にくれさせるとしたら




Say live and let die!
自分が生きて、他は死んでしまえとなるわけだ!
Live and let die,
生きるんだ、他は死ねばいい
Live and let die,
生きるんだ、他は死ねばいい
Live and let die.
生きるんだ、他は死ねばいい






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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映画の主題歌というのは、ときに映画の劇中やエンディングやあるいはオープニングでその作品に寄与する場合よりも、むしろ歌によるイメージ的な予告編といったかたちで、ラジオなどを通じて作品の外で映画興行の宣伝やプロモーションの役を果たすことを狙いに企画される。最近では、むしろそうしたケースのほうが多いようにも見受けられる。つまり、映画のドラマ世界とはそれほど関係のない主題歌が多いのだ。


007号/ジェームズ・ボンド・シリーズの映画は、毎回、新作の発表と同時に今回は主題歌を誰が歌うのかということが、共演のボンドガールが誰や誰にになるのかということに次いでいつも大きな話題となっている。そして、ボンド・ガールたちが(「PLAYBOY」や「PENTHOUSE」といった男性誌の)グラビアでそのグラマラスな肢体を露わにしてみせるように、映画のメインテーマを歌うアーチストもラジオやヒット・チャートでその新作を大いにアピールすることを求められる。実際、その意味でボンド・シリーズの主題歌は、どの歌をとってみても映画の題名を巧みに(おそらくは)必要以上に連呼しており*2、(きのう紹介した「ゴールドフィンガー」や「ダイヤモンドは永遠に」のように)歌の冒頭からそのタイトルを滔々と歌い上げているものも少なくない。
ポール・マッカートニーのウィングズが映画のメインテーマを歌った*3シリーズ第8作にあたるこの「「007/死ぬのは奴らだ」」(原題「Live And Let Die」)*4もその例に漏れない。
ちょっとそのくだりを聴いてみましょう、




But if this ever changing world in which we live in
Makes you give in and cry,
Say live and let die!


だけど、ぼくらが暮らしている
このたえず変動している世界が、かりに
きみを打ちのめし、そして涙にくれさせるとしたら
自分が生きて、他は死んでしまえとなるわけだ!




お気づきになられただろうか? 歌詞の意味よりも、この音韻展開の見事さにご注耳いただきたい(いや、意味と音を分化して考えるのは外国語としてのアプローチだろう。母国語であれば意味と音は分かちがたく結びついている。それが言葉なのだ。初めに音韻ありき。)ということで・・・・
「(we) live in」が「give in」になり、さらにその「give in and cry」がサビの部分で(映画のタイトルである)「live and let die」へと展開していく。つまり「give-in」が「live-and」に「cry」が「die」となり、つづけて「live and let die」と繰り返されることで映画のタイトルがさらに強調されるのだ。
「Live And Let Die」というお題をもらって、ポールなりに張り切って工夫を凝らして作ったのがよくわかる(と言ったら、きっとポールはあの顔で頷きながらウィンクでもして嬉しそうな顔を見せてくれることだろう)。

彼は昨年2005年の全米注目のスーパーボールのハーフタイムのステージに登場して往年のビートルズの名曲とともにこの「Live And Let Die」を歌いを演奏したというが、なるほど、スーパーボールの会場では、まさにこの「ヤツらをやっつけろ!」というこの歌は(試合の後半へ向けて)さぞやピッタリとはまったことだろう。







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【A Year Ago−Go!】



(1年前のエントリーを Playback♪)



・「恋のカルーセル」 (ホリーズ

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050512

*1:ガンズの1991年発表のアルバムでは邦題は「リヴ・アンド・レット・ダイ」

*2:唯一の例外は、ルイ・アームストロングが歌う「愛はすべてを越えて」We Have All The Time In The World という古い既成の名曲を使った「女王陛下の007」で、これは(映画を見ていないので確かなことは言えないが)おそらく劇中のドラマに深くコミットするかたちで選ばれた曲なのではないかと思う。

*3:おそらく(ビートルズのプロデューサーとして名を馳せた)ジョージ・マーチンがその音楽を担当していることとは無縁ではないだろう

*4:原題に忠実ななかなか考えたうまい邦題がついているが、この「死ぬのは奴ら」というタイトルは、映画以前の小説の邦題として使われていたものだ。