Panic In Detroit

Words & Music by David Bowie.
(1973年発表)



(原題直訳 「デトロイトのパニック」)*1



From David Bowie album, "Aladdin Sane".
名作アルバム度 ☆☆☆

アラジン・セイン」 (デヴィッド・ボウイ



歌詞は、次のURLから
http://www.bowiewonderworld.com/songs/dblyrics.htm#panicindetroit




名曲度 ☆




邦題 「デトロイトでのパニック」 (デイヴィッド・ボウイ)






Ow!
アウッ!



He looked a lot like Che Guevara,
チェ・ゲバラにすっげえそっくりな人だった
Drove a diesel van
ディーゼルのバンを運転してたよ
Kept his gun in quiet seclusion, such a humble man
人知れぬ隠れ家に銃を隠してた、そういう目立たない人だった
The only survivor of The National People's Gang
あの「国民ギャング団」の唯一の生き残りさ*2
Panic in Detroit,
デトロイトのパニック
Asked for an autograph
サインを頼んだんだ
He wanted to stay home,
家にいたがってたよ
I wish someone would phone
誰かが電話しといたらいいと思うぜ
Panic in Detroit
デトロイトのパニックを




He laughed at accidental sirens that broke the evening gloom
夕闇を破る不意の警報を彼は笑いとばした
The police had warned of repercussions
警察当局は事後の攻勢を予告していた
They followed none too soon
そのどれにも人々はすぐには従わなかった
A trickle of strangers were all that were left alive
見ず知らずの人間たちのまばらな動きだけが、生きた動きのすべてだったぜ
Panic in Detroit,
デトロイトのパニック
I asked for an autograph
ぼくはサインを頼んだんだ
He wanted me to stay home,
彼はぼくに家でおとなしくしていてほしがってたよ
I wish someone would phone
誰か電話しといたらいいと思うぜ
Panic in Detroit
デトロイトはパニックだ




Putting on some clothes I made my way to school
適当に着込んで学校までの道を行ったよ
And I found my teacher crouching in his overall
そしたら、作業着姿でがかがみ込んでる先生の姿があった
I screamed and ran to smash my favourite slot machine
ぼくは大声で叫んで駆け出していき
自分が大好きなスロットマシンの台を叩き壊した
And jumped the silent cars that slept at traffic lights
それから
信号で眠りこけてる無言のクルマの列を跳び越えていったんだ




Having scored a trillion dollars,
1兆ものドルをふんだくり
Made a run back home
家まで逃げて戻ったら
Found him slumped across the table,
彼がテーブルに突っ伏すようにして倒れてた
A gun and me alone
銃があり、そして、ひとりぼっちのぼくがいた
I ran to the window, looked for a plane or two
窓まで走って、ぼくは
飛行機が1、2機、見えないものかと見てみたよ
Panic in Detroit.
デトロイトはパニックだ
He'd left me an autograph
彼はぼくにサインを残してくれていた
"Let me collect dust"
「おれにゴミ拾いをさせてくれ」だとさ
I wish someone would phone
誰かが電話しといたらいいと思うよ
Panic in Detroit
デトロイトのパニックを
Panic in Detroit
デトロイトはパニックだ
Panic in Detroit
デトロイトのパニックだ
Ow!
アウッ!







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞







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(何もこの曲ばかりというわけではないが)(どことなくウィリアム・バロウズの小説世界を髣髴とさせるような)この歌「パニック・イン・デトロイト」が入ったデイヴィッド・ボウイのアルバム「アラディン・セイン」には*3、その収録曲の大半に(主にアメリカをはじめとするさまざまな土地の)地名が(サブタイトルのようにして)付されている*4が、これは(1972年から73年にかけて前作「ジギー・スターダスト」で)惑星規模の大スターとなったデイヴィッド・ボウイが、その次回作のアルバム・コンセプトとして「アメリカにおけるジギー・スターダスト」(すなわち「ジギー・スターダストがアメリカに行ったら・・・」)という発想から、自らがジギー・スターダストとなって行った彼の1973年の全米ツアー*5アメリカ各地の印象をもとに書いた曲を集めたところからきたクレジットなのだそうだ。



(なお、ボウイのアルバム「ジギー・スターダスト」については、
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050709 
より11日間にわたって全11曲を連続掲載しています。)





(混信〜in form of such a ノイズ・ジャミング・マインド・ダブ・ミックス)
・・・・・・・・・よく、(あんまり自分でものを考えたことのなさそうな)(日本語を知らない)ロック好きのオヤジどもとかが、「やー、きみねえ、あれは歌詞が抽象的すぎて難解でわかんないよねえ」とか言うのを耳にすることがあるが、そのたんびにわたしは(相槌を求められているのかもしれないが)、「いや、そうじゃないんだ」とついついいつも心の中で思ってしまう。(例えば、きょうのこの歌「パニック・イン・デトロイト」でもそうなのだが)ちっとも抽象的などではなく、逆にむしろ、あまりに具体的すぎて(そのため)(概念化できずに)(あるいは一般化できずに)*6(勝手にテメエの)頭の中がパニックになってしまう(ことを忌避する、そこから逃げる)という、ただそれだけのことなのだ。手持ちのありきたりのパターンに(都合よく)はまってくれない(あまりに)具体的なイメージをまえにして*7そこから(それに合わせて(そんなにたいしたものでもない)「自分」という(けっこう)虚ろな構えをさっさと解いて)そのイメージとサウンドの中に自分を解体し、生命を広げるように溶かしてみて、存分にその中を生きてみるがよい、きょうのこの歌なら(ボー・ディドリーの専売特許ともいうべきロックンロールの古くからのビート・パターン(それはわれらが引き継いだ大いなる文化遺産だ)にのって)「デトロイトのパニック」を生きてみたらいい、そして、そこからまた日々を生きる自分を新たに作り変えていくこと、組み替えていくこと、それをすればいい、それを怠り、「やー、きみねえ、あれは歌詞が抽象的すぎて難解でわかんないよねえ、音だって、あれはボー・ディドリーだしなァ・・・・」とかいいながら、サウンドや演奏さえをも含めて(いつまでも自分の見知った手持ちの(乏しい)パターンや類型のみに頼って(ひどい場合は知識や情報、それも実にいい加減で薄っぺらなもので)(けっして)(「聴く」のではなく)(ひたすら)判断の類や物語ることばかりを試みて、いつまでも自分が変わることも解体することもなく、ひとえにつまらん自我にしがみついているロック好きのオッサンたちの(嘆かわしき)醜態、自分なんかなくなってしまってもちゃんと自分はしっかりとそこにいるのだという、たしかな手ごたえ、そういうスピリチュアルな地平を(ひとつの実体験として)教えてくれるのが優れた音楽なのだと思うが・・・・・・・・・・・・・・




(業務連絡)


蕎麦屋の出前ではありませんが、グレアム・ナッシュの「シカゴ」のバックグラウンドの解説文は現在もなお進行中です。
なにせ、諸々の史実や事実や各種の固有名詞などのデータの類をすべて(裏をとった上で)無理なく(わかりやすく)(また無駄なく)体系づけて列挙するという(何だか、まるで)プログラムを書くような(作為の極みといった)(不自然な)作業になってしまっていて、それで難航しているわけです。ったく、およそ歌うように即興的に(自分の声で)書くのとは、あらゆる面で対照的なオーケストラの(緻密な)スコアを書いた上でスタジオのミクシング・コンソールの上でさらに作業をするようなかっこうになってしまっていて、えらく時間がかかる疲れる作業になっております。(いわゆる「打ち込み」的な文章ですなー)
(でも、できあがりは、そうは見えないものにするのが(欲張りなわたくしの)狙いなんですワンワン)






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【A Year Ago−Go!】



(1年前のエントリーを Playback♪)



1年まえにもしっかりと取締りの対象になるようなことしてた人がいたようですなー。


・「アイ・フォート・ザ・ロー」 (ボビー・フラー・フォア)
・「アイ・フォート・ザ・ロウ」 (デッド・ケネディーズ

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050504

*1:デトロイト・イン・パニック」ではないことに留意しておくべきなのかもしれない。

*2:名前からすると何かの伝説的な義賊団か何かであったように思われる。(あるいは、ただの略奪集団か)。もちろん作中の架空の団体だ。

*3:このアルバム・タイトル「Aladdin Sane」(「アラジンの正気」)を、「A Lad In Sane」(「正気の青年」)もしくは「A Lad Insane」(「発狂した青年」)と読み替えることは(べつにどうというようなことではないのだが)発表当時からしきりに取り沙汰されてきたことだという。

*4:いちおうアルバムの各曲について記しておくと、"Watch That Man" (New York)、 "Drive-In Saturday" (Seattle-Phoenix) 、この曲"Panic in Detroit" (Detroit) 、 "Cracked Actor" (Los Angeles) 、 "Time" (New Orleans) 、"The Jean Genie" (Detroit and New York) 、他にイギリスのロンドン市内ということで"The Prettiest Star" (Gloucester Road)、 "Lady Grinning Soul" (London)があり、アルバムのタイトル・トラックの "Aladdin Sane" については(地名でなく)"(1913-1938-197?)" という3つの年号が記されているが、これはいずれも世界大戦がはじまる前年の年号ということになっているわけで、「197X」年は遂に到来することなくわたしたちは現在に至っているわけだwink。

*5:その延長上に1973年に行われた「ジギー・スターダスト」の日本ツアーが組まれていた。

*6:もっと言えば、あなたのレベルにまで引きずりおろしてくることができずに・・・となるだろうか、音楽を聴くとは、音楽にあなたが同調(チューン・イン)するのであって、音楽をあなたに同調させることではないですよーだ。ねッ、マスター・ヨーダ

*7:(日常で起こることも、起こること自体はいずれも具体的なことだろう、はたして抽象的なことというのは、起こりえることなのだろうか、起こりうるものなのか、起こることは、起こったことで、いずれも具体的な現実なのではないだろうか、そうした現実のものやことが狭小な自我による抽象化を拒んでいるだけのことではなかろうか、そして、それにしくじったところから(ひとつの代償行為として)矮小化がはじまり、現実は卑小なものとされてしまうのではないか、わたしには見たところそう映るのだが)