Memphis Tennessee

Words & Music by Chuck Berry.
(1959年発表)



(原題直訳 「テネシー州メンフィス市」)




Performed by Chuck Berry.

You can listen to Chuck Berry compilation, "Anthology".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

チャック・ベリー




Also you can listen to Johnny Rivers album,
"At The Whiskey-A-Go-Go".
名作アルバム度 ☆☆☆

(ジョニー・リヴァーズ)




歌詞は、次のURLから
http://www.bluesforpeace.com/lyrics/memphis-tennessee.htm




名曲度 ☆☆☆☆☆





邦題 「メンフィス・テネシー*1 (チャック・ベリー








Long distance information, give me Memphis Tennessee
長距離電話の案内係を、テネシー州のメンフィスをおれに頼む
Help me find the party trying to get in touch with me
こっちに連絡を取りたがってる一団がいるんだ
そいつを見つけるのに手を貸してくれ
She could not leave her number, but I know who placed the call
彼女、番号は言わなかったんだが、かけて来たのが誰かは、おれにはわかるんだ
'Cause my uncle took the message and he wrote it on the wall
というのも、叔父貴が伝言を受けて、それを壁に書きつけといてくれたんだ




Help me, information, get in touch with my Marie
案内係さん、おれに力を貸してくれ、マリーに連絡をとりたいんだ
She's the only one who'd phone me here from Memphis Tennessee
テネシー州のメンフィスなんかから、こっちまで電話をかけてくるなんて
彼女ぐらいしかいないんだ
Her home is on the south side, high up on a ridge
その子の家はサウスサイドにあって、峠の上にあるんだ
Just a half a mile from the Mississippi Bridge
ミシシッピー・ブリッジからほんの半マイルのとこなんだ




Help me, information, more than that I cannot add
案内係さん、おれの力になってくれよ
このぐらいしか、あとは何にも言い足すことはないんだ
Only that I miss her and all the fun we had
彼女に会えなくなってしまって
一緒に楽しくやることもできなくなった
But we were pulled apart because her mom did not agree
なのに、おれたちははなればなれにされちゃってねえ
彼女のオフクロが許してくれなくってな
And tore apart our happy home in Memphis Tennessee
そう、おれたちの幸せな家庭が引き裂かれてしまったんだ
テネシー州のメンフィスでな



Last time I saw Marie she's waving me good-bye
最後にマリーに会ったときに、あの子、おれに手を振ってくれてな
With hurry home drops on her cheek that trickled from her eye
頬には、早く帰って来てねって、あの子の瞳からこぼれた涙があったよ
Marie is only six years old, information please
マリーってのはまだほんの6歳なんだ、案内係さん、頼むぜ
Try to put me through to her in Memphis Tennessee
何とか彼女に繋いでくれよ、テネシー州メンフィスにいるんだ







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞







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歌の最後で「彼女」がまだ6歳の幼い自分の娘だとわかるというのが、この歌のオチになっているわけだが、
この歌の主人公の男と(そのマリーという娘の)「オフクロ」(の間が)が離婚なのか、別居状態なのか、歌の焦点を娘のマリーに合わせることで、歌のすべての背景はすっかりぼやけてしまっている。
遠くからある一点に焦点を合わせると背景はすっかりぼやけてしまうという、ちょうど超望遠レンズで撮った映像と同じ効果がこの歌にも顕れているわけだ。
そして、ピントが合わされたその彼女の姿すらポピュラー・ミュージックの常套的な発想が(聴く者には)すっかり先入観となって、わたしたちはまんまとチャック・ベリーの巧妙な仕掛けにはめられてしまうのだ。
長距離電話のオペレーターという(まず、めったなことでは歌の登場人物とはなりえないような)存在の歌の冒頭から気をとられてしまい、歌の主人公は、このオペレーターを相手にひたすら事情を説明しているだけの歌詞なのだ。
ちょっとこのチャック・ベリーという人は(言わば)ロックのヒッチコックみたいな(かなり)クレバーなトリック(の開発に)長けたところのある人だ。






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【A Year Ago−Go!】



(1年前のエントリーを Playback♪)



ロックにおける家庭の崩壊は、(やがて)さらに恐ろしい段階にまで進行していく・・・・。



・「イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク」 (ロキシー・ミュージック

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050419

*1:1959年に「Back In The U.S.A.」のB面としてシングルで発売された当時は「Memphis Tennessee」というタイトルだったが、1964年にジョニー・リヴァーズがこの曲を「メンフィス」というタイトルでシングルとして発売(ロスのクラブ「ウィスキー・ア・ゴーゴー」のライブ録音という設定の擬似ライヴ版だったが)、これが全米2位になる大ヒットとなり、以後、チャック・ベリーのオリジナルも(しばしば)「メンフィス」という簡略化したタイトルで扱われているようだ。(なお、「Back In The U.S.A.」は、http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060405