Who Are The Brain Police?

Words & Music by Frank Zappa.
(1966年発表)





(原題直訳 「頭脳警察とはどいつらなんだ?」)




From The Mothers Of Invention album, "Freak Out!"
名作アルバム度 ☆☆☆


「フリーク・アウト」 (マザーズ・オブ・インヴェンション)




歌詞は、次のURLから
http://www.science.uva.nl/~robbert/zappa/albums/Freak_Out/03.html



名曲度 ☆





邦題 「フー・アー・ザ・ブレイン・ポリス?」 (マザーズ・オヴ・インベンション)









What will you do if we let you go home,、
おれたちが家に返してやったら、
おまえ、何をするねえ?
And the plastic's all melted,
そう、プラスチックが全部溶けちゃって
And so is the chrome?
ローム鍍金も剥げちゃうとしたらだよ?
WHO ARE THE BRAIN POLICE?
誰が頭脳警察なのか?




What will you do when the label comes off,
レッテルが剥がれてしまうとしたら
あんた、何をするつもりだい?
And the plastic's all melted,
そして、プラスチックが全部溶けちゃって
And the chrome is too soft?
あとクローム鍍金も
ひどくグニャグニャになっちゃうんだとしたら?




Think I'm very tired and I'm going to die
ぼくはひどく疲れてて
死んでしまいそう
I think I'm going to die,
ぼくは自分が死んでしまうように思えるんだ
I think I'm going to die
自分が死んでしまいそうに思うんだ
WHO ARE THE BRAIN POLICE?
誰が頭脳警察なのだね?




What will you do
あんた、どうする?
If the people you knew
もしも、あんたが知ってる人たちが
Were the plastic that melted,
溶けたプラスチックになって
And the chromium too?
鍍金もクローム塊に戻ってしまうとしたらばさあ?
WHO ARE THE BRAIN POLICE?
頭脳警察とはどいつらなのか?







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮






頭脳警察とは何者なのか?」、「誰が頭脳警察なのか?」、

歌の感じ、そのサウンドの印象からは、わたしには精神病院が連想される。
精神病院の(仮)退院(まえ)といおうか。

それにしてもインパクトのある語だ、「頭脳警察」という言葉は。
(太平洋のこちら側でその名を冠したバンドが生まれたのは、よく知られていること)


頭脳警察とは何者なのか?」、「誰が頭脳警察なのか?」、
(ここでは(われらが頭脳警察の)PANTAは関係ない、としておこう、TOSHIもだ)


頭脳警察とは何者なのか?」、「誰が頭脳警察なのか?」、

しかし、この歌はそういう「問い」の歌であって、「答」の歌ではない。


だが、わたしは「頭脳警察」というこのフランク・ザッパの造語(だろ?)のインパクトによって
自分の頭の中にセットされてしまっている警察というすぐれてウィリアム・バロウズ的な主題にも思い当たる。
(それはよく言われるような「思想警察」や「知の警察」とは別物であり、次元を異にするものだろう)
How’s Your Brain Plice Workin’?


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


あなたの頭の中にも、だが、確実にその駐在所がありはしないか?
(あなたのそれはいかに機能し、いかに作用しているか?)


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


「ポスト=インダストリアル・ソサエティ」というコトバ(それは日本語では「脱工業化社会」という語があてられていたようだ)が時代のキーワードとなっていた人類の歴史上の一時期の歌であること。


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


「インフォメーション・ソサエティ」(言うまでもなく、日本語の「情報化社会」のことだが)、その「管理社会」的な側面ばかりが(未知への恐怖感からか)いたずらに強調されていた時代の歌であること。


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


そう、いまだコンピューターは巨大で(何らかの)組織、機構、団体のものであり、支配と管理の具であって、あらゆる未知なる悪を、弊害を人々にもたらすと多くの芸術家をはじめとする人々によってイメージされていた時代の歌であること。


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


誰もまだ小さな自分ひとりで使えるコンピューターをイマジンしていなかったころの歌であること。
(そう、まだエド・ロバーツの「アルテア8800」もできてくるまえのことだ)
(マイクロプロセッサの開発さえもされていなかったころの歌だ)


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


イメージの氾濫、イメージの流通、イメージの交換の中で、いまだ「イマジン!」と動詞でイメージの世界に立ち向かう歌が生まれてきてはいなかった時代の歌であること。*1
(たしか彼は「ヘルプ!」と叫んでいたのではなかったか?w)


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」



What will you do if the people you knew 
Were the plastic that melted, and the chromium too?

あんた、どうするね?
あんたの知ってる連中がプラスチックで溶けちゃって、
めっきも元のクローム塊になっちゃうとしたらさあ?



頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


この歌のキーワードとなっている「プラスチック」というのは(言うまでもなく)(日本語にすれば、さながら)「合成樹脂」(といったところにでもなろうが)ということになるが、英語圏の(そしてまた1960年代という時代的な)方言という意味での(意味の)共示作用(=コノテーション)として(当時、人々のこころに)流通していたものとして挙げられるのが、

プラスチック>(極端に)人工的なもの/つくりもの/ニセモノ/まがいもの/まやかし/安物/表面的なもの/浅薄なもの/こと/軽薄なもの/こと/薄っぺらなもの全般/価値のないもの/こと/人間味のないもの>(総合的に)「(大量生産)大量消費(大衆)社会」>アメリカの(当時の)「現代」、それ(に対する印象)が「プラスチック」に喩えられ、「プラスチック」とされていたようだ。で・・・・



頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」



しかし、プラスチックは否定的にばかりとらえられたわけではない、かといって積極的、肯定的にとらえられたわけでもなかったのだろうけれど、まさにいやおうなく(否定も肯定もなく)そこにある現実として、風景として、当時のすぐれたアメリカの(20世紀最大の)風景画家、あの一連のキャンベルのスープ缶や洗剤ブリロの函やマリリン・モンローやエルヴィスといったアメリカの風景を繰り返し反復形で複写し描いた、そう、あのアンディ・ウォーホル
(彼の名前は固有名詞ではなく、普通名詞、そして、ときに動詞形で「And We Warhol」となるだろう)
の(ヴェルヴェット・アンダーグラウンドらによる)
「The Exploding Plastic Inevitable」
なるタイトルのキャンプでプラスチックなマルチ・メディア・ステージ・イヴェントを忘れてはならない。キャンプでプラスチックな側に転移 and/or 転位してしまうというオルタナティヴ。
そして、(調べたら、うまい具合に)きょうのこの(ロサンジェルスでできた)歌とこの(ニューヨーク・シティからスタートした)ハプニング・イヴェントのツアーは、同じ1966年のことだった。どちらも、おそらくアメリカの「Brain Police」の捜査対象となったことだろうwink
そして、あらためて、


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


というすぐれてウィリアム・バロウズな主題、
(当時の)「現=在」する「近未来」像だ(った)と言えるだろう。


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」



「現=在」する「近未来」。
これを、ドラムス、ギター、ベース、ターンテーブル、キーボード、パーカッション、アルトサックス、バスクラリネット、ヴォーカル&ステートメント(by komasafarina)の9人編成ぐらいで、「場」を形成すべく集まるできるだけ多くの人たちの意識や心や視線とともに、きょう付けのここのエントリーに書いてあることをすべて(音や事物や映像や言葉や身体を用いて)パフォームするステージをやってみたい。そして、それをもって


頭脳警察とは何者なのか?」
「誰が頭脳警察なのか?」


という「問い」の更新、ならびに交信としたい。

誰かプロデュースを、

発信中、発振中、発振中、フリフリ、フリー、フリフリ、フリー、いいリフかまして、フリフリ、フリー、発信中、発振中、フリフリ、フリー、2006
FreakOut
FreeCrowd
BreakOut
BreakOn




∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮





【A Year Ago−Go!】



(1年前のエントリーを Playback♪)


(ウーム、きょうは来てるなぁー、これだったかァ)

      ↓↓↓

・「おしゃべり魔女」 (トムトム・クラブ)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050306

*1:「「イメージする」という動詞的なかたちは、総じて単に「イメージしてしまう」という受動的な(あらかじめ刷り込まれたイメージに基づく)仕向けられた没主体的、反射的、被誘導的、消極的な動作なのではないだろうか。