Eve Of Destruction


Words & Music by P.F. Sloan and Steve Barri.*1
(1965年発表)




(原題直訳 「破滅の前夜」)




Performed by Barry McGuire.*2


You can llisten to Barry McGuire album, "Eve Of Destruction".
名作アルバム度 ☆


「明日なき世界」 (バリー・マクガイア)




And you can listen to the writer's own version
on P.F. Sloan compilation, "Anthology".
推奨アルバム度 ☆☆☆

(P・F・スローン)



歌詞は、次のURLから
http://www.leoslyrics.com/listlyrics.php?hid=7obdZP4dy3w%3D こっち





名曲度 ☆☆




邦題 「明日なき世界」 (バリー・マクガイア)*3








The Eastern World
東の世界は
It is explodin'
いまや炸裂している
Violence flarin'
暴力が猛威をふるい
Bullets loadin'
銃弾が装填される
You're old enough to kill
おまえは十分に人を殺せる年齢だ*4
But not for votin'
だが、投票はまだできない*5
You don't believe in war
戦争なんか本気にしていないおまえ*6
But what's that gun you're totin'?
だが、おまえが担いでいるその銃は何なんだ?
And even the Jordan River has bodies floatin'
そして、ヨルダン河にさえ*7死体が浮いているのだ




But you, tell me over, and over, and over again my friend
だが、友よ、おい
何度でも何度でも、繰り返し繰り返し、おれに聞かせてくれ
Ah, you don't believe we're on the eve of destruction
あゝ、おまえは
ぼくらが破滅の前夜にいるのだとは思っていないんだな




Don't you understand
おまえにはわからないのか?
What I'm tryin' to say
おれが言おうとしてることが
And can't you feel
それに、おまえは感じないのか?
The fears I'm feelin' today
きょうのこの日におれが感じているこの恐怖を
If the button is pushed,
もしかりにボタン*8が押されたら
There's no runnin' away
逃げ隠れするところなどどこにもないんだぜ
There'll be no one to save
助かる人間はひとりもいないんだぜ
With the whole world in a grave
世界中が丸ごと墓場になってしまうんだ
Take a look around you boy,
あたりを見回してみろよ、おい
It's bound to scare you boy
きっと、おまえは
震え上がってしまうことだろうよ




And you tell me over, and over, and over again my friend
だから、おい、友よ
何度でも何度でも、繰り返し繰り返し、おれに聞かせてくれ
Ah, you don't believe we're on the eve of destruction
あゝ、おまえは
ぼくらが破滅の前夜にいるのだとは思っていないんだな




Yeah, my blood's so mad
そうよ、おれの血潮はかくも狂おしく
Feels like coagulatin'
凝血させてしまいたいぐらいの気分だぜ
I'm sittin' here, just contemplatin'
おれはここにすわって
ひたすら黙りこくって考え込んでる
I can't twist the truth
おれには真実を捻じ曲げることはできない
It knows no regulation
真実には軍務規程なんかありゃしないんだ
Handful of senators don't pass legislation
法案を却下するのは、ひとつかみの上院議員であり
And marches alone can't bring integration
また、ひとりでデモをしてみたところで
人種差別が撤廃されることになるわけでもない
When human respect is disintegratin'
人間へのリスペクトというものが崩壊しているのだから。
This whole crazy world
この狂った世界全体が
Is just too frustratin'
まさに過度の欲求不満になっているのだ




And you tell me over, and over, and over again my friend
そう、友よ、おまえ
何度でも何度でも、繰り返し繰り返し、おれに聞かせてくれ
Ah, you don't believe we're on the eve of destruction
あゝ、おまえは
ぼくらが破滅の前夜にいるのだとは思っていないんだな




And think of all the hate t
そう、すべての憎しみというものを考えてみるんだ
Here is in Red China
まず赤い中国がある
Then take a look around to Selma, Alabama
それからアラバマ州のセルマの街に目を向けてみろ*9
Ah you may leave here for four days in space
あゝ、人は4日間この地上を離れて宇宙にいることもできるだろう*10
But when you return it's the same old place
だが、戻って来ても
そこはまったく変わらぬ昔ながらのところなのだ
The poundin' of the drums
太鼓の響き
The pride and disgrace
誇りと汚辱
You can bury your dead,
おまえたちが殺した死者を埋めることはできるだろう*11
But don't leave a trace
だが、その痕跡を残してはならない
Hate your next door neighbor,
汝のすぐ隣りにいる隣人を憎むのだ*12
But don't forget to say grace
だが、祈りの言葉を忘れちゃいけない




But you tell me over, and over, and over, and over again my friend
だが、おい、友よ
何度でも何度でも、繰り返し繰り返し、おれに聞かせてくれ
You don't believe we're on the eve of destruction
おまえは、ぼくらが破滅の前夜にいるのだとは思っていないんだ
No, no, you don't believe we're on the eve of destruction
そうだ、そうだ、おまえは
おれたちが破滅の前夜にいるのだとは思っていないんだ







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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【A Year Ago−Go!】


(1年前のエントリーを Playback♪)



・「リリーの面影」 (ザ・フー

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050226

*1:1960年代に活躍したロサンジェルスをベースとしたプロのソングライター&プロデューサー・チーム、サーフィンからホットロッドと何でも来いの幅広い作風でグラスルーツ、タートルズ、ハーマンズ・ハーミッツ、サーチャーズなどに歌われ、数々のヒット曲の中には、この歌「明日なき世界」やジョニー・リヴァーズの「秘密諜報員」,タートルズの「ユウ・ベイビー」などがある。ふたり名義の(パフォーマーとしての)録音もある。P・F・スローン (フィリップ・フリップ・スローンPhilip Flip Sloan)は、後にシンガーソングライターとしても活躍、「孤独の世界」From A Distance などのヒットがある。

*2:ランディ・スパークスが結成したニュークリスティーミンストレルズのオリジナル・メンバーのひとりで大ヒット曲「グリーン・グリーン」でリード・ヴォーカルをとっているのが、このバリ・マウガイア。また、キングストン・トリオでヒットしたフォーク・ソングの名曲(で1ドル紙幣を歌った)「グリーンバック・ダラー」の作者としても知られている。この歌の後、まったくヒット曲はなく、1970年代にはドラッグ中毒に苦しみ、やがて(いろいろと悔い改めるところがあったのだろう)敬虔なキリスト教として生まれ変わり、クリスチャンの世界でシンガー&ソングライターとして活躍をつづけ、1980年代中頃にはニュージランドに移住して現在もクリスチャンとしての歌を歌っているようだ。

*3:ヒットはしたが(聴けばわかるとおり)その歌声にも真実味はないし、曲自体もフォーク・ロックのブームに便乗して手だれた職人ライター・チームが(それっぽく)作り上げ、ディラン風のサウンドとヴォーカルであざとく仕上げた巧妙なポップ・ソングで、まさにバリー・マクガイアのような(当時、ロックに転じた)(実はただのエンタテイナーでしかなかった)フォーク・ソングのスターがそのソロ・デビューとして歌うにはうってつけの曲だったのだろう。プロジェクトは見事に功を奏して(ヒット・チャートからビートルズの「ヘルプ!」を追い落として)全米のナンバー・ワンに輝きはしたが、時の流れに見事なまでに色褪せ、いま聴けば単なる懐メロ(オールディーズ)でしかない曲全体のその貧しさ、みすぼらしさばかりが耳につき、けっして名曲(ゴールディーズ)とはなりえなかったのがよくわかるトラックだ。とはいえ、当時のポピュラー・ミュージック・シーンにおいては衝撃的な内容の歌であったことは確かで、その後、バリー・サドラーの「グリーン・ベレー」やレン・バリーの「123」などの反動的なヒット曲も登場したほか、とくにこの「明日なき世界」にその標的を絞ったスポークスマンズというグループ(その実体はソングライター・チームのジョン・マダーラとデイヴ・ホワイトの匿名希望のグループでした)の(「明日なき世界」をもじった)「訂正の夜明け」Dawn Of Correction という曲も(いわゆる)アンサー・ソングとして登場したという。どうしようかな、その歌も(ちょっと予定が狂うが)どこかにうまく押し込んでみようか。

*4:この歌の当時、すべてのアメリカ合衆国市民の男子は18歳になった時点で兵員登録を行わなければならない制度があったが、1973年、ヴェトナム戦争終結後に合衆国のこの制度は廃止され、志願制一本に切り替えられた。

*5:この歌の発表当時、アメリカ合衆国の選挙権は21歳からだったが、(この歌がきっかけとなって法改正の呼び声が起こり)1971年に18歳に引き下げられた。

*6:その戦争が掲げた美名を信じて本気でその戦争に加わった者は、(この歌で歌われているヴェトナム戦争の場合)圧倒的に少なかったはずと思う。

*7:モーゼに率いられてエイジプトを出た人々が長い苦難の末にようやくたどり着いた最後の難関。この河の向こう岸には「約束の地」が広がっているのだ。

*8:言うまでもなく、核爆弾を搭載した大陸間弾道ミサイルの発射ボタンである。1960年の(いわゆる)「キューバ危機」以来、(米ソいずれかの)(囚人のジレンマ的)ミサイル発射ボタンのワン・プッシュでこの世界の破滅が到来するという恐怖が、かなり現実的な強迫観念となって全地球規模で人類に蔓延したのだった。

*9:黒人の(白人と変わらぬ)アメリカ市民としての諸権利を求める「公民権運動」Civil Rights Movement の昂揚の中で行われた全米注目の大規模なデモ行進のスタート地点となった町。デモは3度行われたがもっとも大規模なものは1965年3がつ9日、マーチン・ルーサー・キング牧師を先頭にアラバマ州の州都モンゴメリーまで行われた。

*10:たぶん、この時期にNASAによる有人宇宙飛行が成功でもしたんでしょう、たぶん。<未確認だけどネ<各自さんばじー・ぷりーじゅ

*11:以下のラインは、当時、ミシシッピー州の田舎町で起きた公民権運動活動家3人の失踪事件が実は警察官による殺害だったことが暴露された事件を連想させるのだが、詳しくはアラン・パーカー監督、ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォ主演の映画「ミシシッピー・バーニング」などを参照されるとよろしいでしょう。http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD8712/story.html?flash=1

*12:合衆国における黒人差別(ならびに白人と黒人、両者の憎しみに満ちた反目)を指しているのだろう。