With God On Our Side

Words & Music by Bob Dylan.
(1964年発表)




(原題直訳 「神の加護で」)



From Bob Dylan album, "The Times They Are A-Changin'".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「時代は変わる」 (ボブ・ディラン



And you can listen to Joan Baez album,
"Joan Baez in Concert, Part.2".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

ジョーン・バエズ



歌詞は、次のURKから
http://www.bobdylan.com/songs/withgod.html




名曲度 ☆☆





邦題 「神が味方」 (ボブ・ディラン







Oh my name it is nothin'
あゝ、ぼくの名前なんて何でもありゃしない
My age it means less
ぼくの年齢だって、たいして意味がない
The country I come from
ぼくが出て来た田舎は
Is called the Midwest
中西部と呼ばれているところで
I's taught and brought up there
ぼくはそこで教えられ、育ってきた
The laws to abide
守るべき法律や
And that land that I live in
ぼくが生きているこの国には
Has God on its side.
神のご加護があるのだと




Oh the history books tell it
あゝ、歴史の教科書が言ってるぜ
They tell it so well
実にうまく伝えてるぜ
The cavalries charged
騎兵隊が突撃し
The Indians fell
インディアンが倒れたのだと
The cavalries charged
騎兵隊が突撃し
The Indians died
インディアンたちが死んだのだ
Oh the country was young
あゝ、この国は若く
With God on its side.
神のご加護があったのだ




Oh the Spanish-American War had its day
あゝ、米西戦争はうまくいった*1
And the Civil War too
そう、南北戦争もまた
Was soon laid away
やがて収まっていった
And the names of the heroes
そして、英雄たちの名前を
I's made to memorize
ぼくは憶えさせられた
With guns in their hands
その手に銃を持った者たち
And God on their side.
そう、彼らには神のご加護があったのだ




Oh the First World War, boys
おゝ、第一次世界大戦さ、坊やたち
It closed out its fate
あれもまた終わっていったのだ
The reason for fighting
戦いの理由は
I never got straight
ぼくにはどうしてもピンとこなかったが*2
But I learned to accept it
しかし
それを受け容れるようにとぼくは教わった
Accept it with pride
誇りをもって受け容れるようにと
For you don't count the dead
というのも
死んだ者のことなど考えることはないのだ
When God's on your side.
神のご加護があるのであれば




When the Second World War
第二次世界大戦
Came to an end
終結となったそのときに
We forgave the Germans
われわれはドイツ人たちを赦してやった
And we were friends
そう、ぼくらは友達になったのだ
Though they murdered six million
600万人も殺したやつらであるのにだ*3
In the ovens they fried
あいつらは焼却炉で油をかけて焼き捨てたのだ
The Germans now too
そのドイツ人たちにも、いまや
Have God on their side.
神のご加護があるのである




I've learned to hate Russians
ぼくはロシア人を憎むようにと教わった
All through my whole life
ぼくが生きてきた間ずうっとだ
If another war starts
もし、次の戦争がはじまるとしたら
It's them we must fight
ぼくらが戦わなきゃならないのはあいつらなのだ
To hate them and fear them
やつらを憎み、やつらを恐れ
To run and to hide
逃げ、そして隠れるのだ
And accept it all bravely
そして、すべてを果敢に受け容れるのだ
With God on my side.
神のご加護があるのだから




But now we got weapons
しかし、われわれにはいまや兵器がある
Of the chemical dust
化学的な埃*4を出すものが
If fire them we're forced to
もし、そういうものを爆発させるのであれば
ぼくらはどうしてもやらなくてはならないのだ
Then fire them we must
そのときは、このぼくら側がそれらを爆発させなくてはならない
One push of the button
ボタンの一押しが
And a shot the world wide
そう、全世界規模の一撃なのだ
And you never ask questions
そして、けっして問うてはならぬのだ
When God's on your side.
神のご加護があるときには




In a many dark hour
陰鬱な多くの時間
I've been thinkin' about this
ぼくはこんなことを考えてきた
That Jesus Christ
イエス・キリスト
Was betrayed by a kiss
接吻とともに売られたのだ*5
But I can't think for you
だが、ぼくには人の分まで考えられやしないのだ
You'll have to decide
あなたたちが決めるべきことなのだ
Whether Judas Iscariot
はたしてあのイスカリオテのユダにも
Had God on his side.
神のご加護があったかどうかということを




So now as I'm leavin'
だから、いま、自分が立ち去るにあたって*6
I'm weary as Hell
ぼくはひどく物憂い気持ちでいる
The confusion I'm feelin'
ぼくが感じているこの混乱は
Ain't no tongue can tell
どうにも口では言いがたいものだ
The words fill my head
ぼくの頭の中には言葉が満ち
And fall to the floor
ゆかに倒れてしまわんばかりだ
If God's on our side
もしも、このぼくらに神のご加護があるのなら
He'll stop the next war.
神は次の戦争を阻止してくださることだろう







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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【A Year Ago−Go!】


(1年前のエントリーを Playback♪)



・「サンフランシスコの夜」 (エリック・バードン&アニマルズ)*7

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050209

*1:1898年、キューバ自治独立をめぐるスペインとの現地の争いにアメリカが干渉し、スペインとの戦争となり、6ヶ月間で大勝利。パリ条約によりスペインはキューバの独立を認め、アメリカはプエルトリコフィリピン諸島、グァム島をゲット。カリブの覇権と太平洋方面への勢力拡大への足がかりを獲得した。とゆーよーなことが教科書には書いてあるはずです

*2:「欧州大戦」(ヨーロッパの戦争)と言われた第一次世界大戦アメリカが参戦するようになったのは開戦後4年たった1917年になってからのことで、ドイツ海軍の潜水艦による無限定な海路封鎖を直接の口実としたものだったが、それまでの「(遠くのことには)不干渉」という(いまではとても信じがたい)当時のアメリカの外交方針や世界戦略からは逸脱したものがあった。

*3:ディランが東欧系のユダヤ人であることはよく知られている。

*4:死の灰

*5:エスを裏切った弟子のユダは、事前に反対派の人間に自分が口づけする相手がイエスなので、その人間を捕えればよいと伝えていた。福音書マタイ伝第26章47節以降、マルコ伝第14章43節以降、ルカ伝第22章47節以降に詳しい。

*6:(具体的には)(つまり)この歌を終えるにあたって」とそう聞くべきだろう。

*7:この1年まえのアニマルズに限らず、やはり何か1年まえというのは自然と何らかのかたちで(進行中のこの流れに)(意識や計算をせずとも)(無意識に?)(影響)力を及ぼしているのを感じざるをえない。歌の威力、言葉の力、言霊、ロゴスといったものでしょうか。そういうことも力になって、この仕事はつづいていきます。まあ、いちばん愉しんで震えてるのはわたくしなのでしょうけどw。