Swing Low, Sweet Chariot

Words & Music unknown.
(1975年発表)*1




(原題直訳 「揺れよ、静かに、心地よい馬車よ」)*2



Performed by Eric Clapton.

You can listen to Eric Clapton album, "There's One In Every Crowd".
名作アルバム度 ☆

「安息の地を求めて」 (エリック・クラプトン




And you can listen to The Staple Singers album,
"Swing Low, Sweet Chariot".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

(ステイプル・シンガーズ)




Also you can listen to B.B. King gospel album,
"Swing Low Sweet Chariot".
名作アルバム度 ☆☆

(B・B・キング)




歌詞は、次のURLから
http://behindthelyrics.net/browse/e/Eric_Clapton/SWING_LOW_SWEET_CHARIOT/



名曲度 ☆☆☆☆




邦題 「揺れるチャリオット」 (エリック・クラプトン








Swing low, sweet chariot
揺れよ、静かに、心地よき馬車よ
Coming for to carry me home
やって来たのだ
わたしを家に連れ戻そうと
Swing low, sweet chariot
揺れろ、静かに、心地よい馬車よ
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れて行くのに
やって来たな




I looked over Jordan
ヨルダン河にわたしは目をやり
And what did I see?
そして、わたしは何を見たのか?
Coming for to carry me home
わたしを家まで送り届けようと
やって来た
A band of angels
天使たちの一団が
Coming after me
わたしのあとについてきている
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れ帰ろうと
やって来たのだ




Swing low, sweet chariot
静かに揺れる、すてきなこの馬車
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れ戻そうと
やって来たのだ
Swing low, sweet chariot
静かに揺れる、すてきなこの馬車
Coming for to carry me home
やって来たのは
わたしを家まで連れて行くため




If you get there before I do
もしも、あなたが
わたしよりも先に向こうに着くなら
Coming for to carry me home
やって来たのだ、わたしを家に連れ帰ろうと
Tell all my friends
わたしの友らに伝えておくれ
I'm coming too
わたしも向かっているところだと
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れ帰ろうと
やって来たのだ




Swing low, sweet chariot
揺れよ、静かに、心地よい馬車よ
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れ帰ろうと
やって来たのだ
Swing low, sweet chariot
揺れよ、静かに、心地よい馬車よ
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れて帰るのに
やって来たのだ




Sometimes I'm up
わたしには
上機嫌のときもあれば
And sometimes I'm down
そう、わたしには
滅入ってしまうときもある
Coming for to carry me home
やって来たのだ
わたしを家まで連れて行こうと
But still my soul
しかし、まだ、わたしの魂は
Feels heavenly bound
天への旅路を感じているよ
Coming for to carry me home
わたしを家まで送ろうと
やって来たのだな




Swing low, sweet chariot
揺れよ、静かに、心地よき馬車よ
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れ帰ろうと
やって来たのだ
Swing low, sweet chariot
揺れよ、静かに、心地よき馬車
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れ帰ろうと
やって来たのだ




Swing low, sweet chariot
揺れよ、静かに、心地よき馬車
Coming for to carry me home
わたしを家まで連れて行くのに
やって来たのだ
Swing low, sweet chariot
揺れろ、静かに、心地よき馬車よ
Coming for to carry me home
やって来たのだ
わたしを家まで連れ戻すのに






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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歌を聴けば、これを死出の旅路を歌ったものだと聴くのはきわめて自然なことだろう。
ひとつの安息としての死、救いとしての死だ。
天国へと自分を運んでくれる、えらく乗り心地のよい馬車、
あるいは棺を乗せた立派な霊柩用の馬車か。
かりに、この(静かに揺れる)馬車を「ゆりかご」と考えれば、
同じこの歌を、心優しく眠りに誘うひとつの子守唄として幼子に歌ってやることも可能だろう。
また、声高々に力強く歌うことで神のよき知らせ(=福音)を告げるゴスペル・ソングとして歌うこともできるだろう。
実際、この歌はそのようにして歌われることがもっとも多いのではないだろうか。
日本でも(なぜか)「ゆれるよ幌馬車」という(いかにも先入観に捉われた)タイトルで「黒人霊歌」として紹介されている。
この歌に(確かに)感じられる「黒さ」(それを「negritude」とでも言おうか)は、ゆえのないことではない。
今回、初めて知ったことだが(英語版の)「Wikipedia」にはこの歌の項目があり、
http://en.wikipedia.org/wiki/Swing_Low,_Sweet_Chariot
それによると、この歌には(宗教的でも、スピリチュアルでもない)ある歴史的な裏の意味があり、南北戦争前の南部諸州の奴隷たちによって歌われていたという。
その記事によると、この「馬車」chariot1 は、南部の未解放奴隷を北部の自由諸州に逃亡させる秘密組織のネットワーク*3のことをいい、奴隷たちはこの歌を歌うことでいつか自由の身になること思い、自らを励ましていたという。
(という、わたしには少々眉唾に思える解説がつけられている。そりゃ一部にはそういう人たちもいたにはいたと思うが、それにしてはこの歌のイメージの広がりはあまりに大きく豊かで(かつ普遍的=宇宙的=ユニヴァーサルでは)ありはしないか。)*4
(とはいえ、ゴスペルやブルースを経由してロックへといたるひとつの主題としての「汽車」(列車)train という形象には、(大恐慌時代の失業者を乗せた貨物列車の失望や絶望と並んで)(奴隷解放以前の時代の)この「アンダーグランド・レイルロード」からの流れを引いた「希望」や「自由」が込められたケースも少なくないのはしっかりと頭に叩き込んでおく必要はあるだろう。*5








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【A Year Ago−Go!】

(1年前のエントリーを Playback♪)



・「アメリカン・パイ」 (ドン・マクリーン)*6


http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050203

*1:エリック・クラプトンのレイドバックしたレゲエ風味のヴァージョンは1975年のヒット曲。ステープル・シンガーズの同タイトルのアルバムは1963年の発表。B・B・キングのゴスペル色の強い同タイトルのアルバムについては(いまのところ、わたしには)不明。

*2:「chariot」というのは、本来はローマ時代の馬に引かせる一人乗りの「戦車」のことで、そのイメージは映画「ベンハー」を通じて広く行き届いているだろう。アレがこの「チャリアット」である。他にも「チャリオット」といえば「遊覧馬車」でもあるし、また立派な装飾をほどこした「馬車」もまた「チャリオット」である。(くれぐれもどうか「自転車に乗った夫」などとは言わんといてや、おカミさん。

*3:この組織には「地下鉄道」The Underground Railroad という名称があり、1810年から1850年の間に逃亡させた奴隷は3万とも10万とも言われている。組織に主力となっていたのは、やはり教会で、なかでもクェーカー教、会衆派教会、メソジスト系のウェズレイ派教会などが積極的な役割を果たしていたようだ。ネットワーク全体が「鉄道」網に喩えられることからもわかるように、奴隷を導く案内役のメンバーを「車掌」、逃亡ルート上の隠れ家を「駅」、そうした隠れ家を提供し、自宅に一時的に逃亡者をかくまう人を「駅長」、逃亡する奴隷を「乗客」とか「貨物」というなど、鉄道関係の用語が隠語として使われていたことは、この際、ついでなので頭の片隅に留め置いておくと案外どこかで役に立つこともあるかもしれないので、どうぞメモメモ。なお、この運動をはじめたウィリアム・スティルという人物が自ら著した「The Underground Railroad」という本が1872年に刊行されているそうだ。暇な女子大生の卒論には面白いテーマかもしれませんね。教授どももちっと一目置くかもしれない。お手伝いいたしますよー。

*4:Wikipedia」には、さらにこの歌が「性交」(主として前戯)のプロセスをことこまかに示したその暗喩であるといった解説もフレーズごとに述べられていて面白かったヨ。

*5:たとえば、その系列の汽車としては、ヴァニラ・ファッジやロッド・スチュワートで有名になった「ピープル・ゲット・レディ」とか、キャット・スティーヴンスの「ピース・とレイン」あたりがすぐに思い浮びます。

*6:バディは、きょうのこの歌をすティープルズで紹介してほしかったかもしれないナ。