Promised Land


Words & Music by Chuck Berry.
(1964年発表)




(原題直訳 「約束の地」)




Performed by Chuck Berry.

You can listen to Chuck Berry album, "St.Louis To Liverpool".
名作アルバム度 ☆☆

チャック・ベリー



And you can listen to Chuck Berry compilation, "The Anthology".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆


チャック・ベリー




Also you can listen to Elvis Presrey album, "Promised Land".
名作アルバム度 ☆☆

「プロミスト・ランド」 (エルヴィス・プレスリー





Also you can listen to The Band album, "Moondog Matinee".
名作アルバム度 ☆☆☆☆


「ムーンドッグ・マチネー」 (バンド)



歌詞は、次のURLから
http://www.rockabilly.nl/lyrics3/p0006.htm




名曲度 ☆☆





邦題 「プロミスト・ランド」 (チャック・ベリー









I left my home in Norfolk Virginia
おれは
ヴァージニア州ノーフォークの故郷をあとにした
California on my mind
カリフォルニアを胸に思い描いて
Straddled that Greyhound,
あのグレイハウンドにふんぞり返って
Rode him past Raleigh
そいつに乗ってローリー*1を過ぎて
On across Caroline
カロライナの地を縦断していった




Stopped in Charlotte
シャーロット*2は停車駅
And bypassed Rock Hill
バイパスでロックヒル*3を迂回して
And we never was a minute late
1分たりとも遅れることなく、おれたちは
We was ninety miles out of Atlanta by sundown
日が沈むころにはアトランタ*4から90マイルも離れて
Rollin' 'cross the Georgia state
転がるようにジョージア州を横断していった




We had motor trouble it turned into a struggle
エンジンが不調になって、おかげでみんな大変な目に遭った
Half way 'cross Alabam
アラバマ州
真ん中あたりまで来たところで
And that 'hound broke down
そう、バスがオシャカになっちまって
And left us all stranded in downtown Birmingham
ほんで、おれたち全員
バーミンガム*5ダウンタウンで立ち往生




Straight off, I bought me a through train ticket
すかさず、おれは直通列車の切符を買って
Ridin’cross Mississippi clean
見事にミシシッピーを縦断し
And I was on that midnight flyer out of Birmingham
深夜特急バーミンガムを抜け出した
Smoking into New Orleans
機関車は煙を吐いて
一路ニューオーリンズへと驀進した




Somebody help me get out of Louisiana
誰か、お助け、おいらがルイジアナ州を出て
Just help me get to Houston town
ヒューストンの町*6に行くのにちょっくら力を貸してくれ
There’s people there who care a little 'bout me
いるところにはいるもんで
おいらなんかにちょっとばかりかまってくれるやつがいた
And they won't let the poor boy down
そう、世間は
このみすぼらしいガキをガッカリさせはしなかったんだ




Sure as you're born, they bought me a silk suit
まるで生まれ変わったようなもの
連中、おれにシルクのスーツを買ってくれ
Put luggage in my hands
手には荷物を持たせてくれた
And I woke up high over Albuquerque
んで、おれは
アルバカーキ*7上空で上機嫌で目を覚ましたさ
On a jet to the promised land
約束の地へと向かうジェット機の中




Workin' on a T-bone steak a la carte
Tボーン・ステーキ・アラカルトに舌鼓を打ちながら
Flying over to the Golden State
一路、黄金州*8へと飛んでいく
The pilot told me in thirteen minutes
操縦士がおいらに言ったよ
13分もしないうちに
We'd be headin' in the terminal gate
ぼくらは発着ゲートに向かってるだろうってな




Swing low sweet chariot, come down easy
静かに揺れろよ、きれいな馬車よ
そおっとやって来るがよい
Taxi to the terminal zone
滑走でターミナル・ゾーンに向かったよ
Cut your engines, cool your wings
おいらのエンジン切って、おいらの翼を休めて
And let me make it to the telephone
んで、ちょっくら電話をかけさせてくれ




Los Angeles give me Norfolk Virginia
ロサンジェルス
おいらにヴァージニア州ノーフォークを呼んでくれ
Tidewater four ten O nine
タイドウォーター*9の41009番だ
Tell the folks back home this is the promised land callin'
故郷のやつらに言っとくれ、こちら約束の地からのお電話ですと
And the poor boy's on the line
そして、この哀れなガキが電話に出るのさ




Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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はるばるアメリカ南部をまわって西の果てのカリフォルニアへ・・・・、
「ジョニー・B・グッド」同様のサクセス・ストーリーの歌なのだが、
おい、おい、「約束の地」という希望に満ちた曲名とは裏腹に、
もしかしたら、この歌は飛行機が墜落する歌でもあるんじゃないのか?
というのが、きょうのドッキリ




The pilot told me in thirteen minutes
We'd be headin' in the terminal gate

操縦士がおいらに言ったよ
あと13分で、わたしたちは最後の門に突入します*10




って歌ってるぜ(!?)
じゃないですか? そう聴こえませんか?
 
「13分」っていう「13」という数字にも不吉な胸騒ぎを覚えるし、
「ターミナル・ゲート」の「terminal」は「末期の/致命的な」などの意味となる。
死とは(天国の門)、たしかにこの世からあの世への乗り換えゲートでもあるわけだし・・・・
しかも、パイロットのアナウンスの後に聴こえるこの歌詞です・・・・




Swing low sweet chariot, come down easy

静かに揺れろよ、きれいな馬車よ




これは(日本でも「ゆれろよ幌馬車」という題で知られる)黒人霊歌風のアメリカのフォークソングの一節で、安楽の地への(つまり死出の)旅路を歌った歌で、エンジェルなんかも登場します。ですから、安らかな眠りに誘う子守唄としても歌われる有名な歌「Swing Low, Sweet Chariot」の引用なのです。
やりますねえ、チャック・ベリーも、なかなかです!*11
そして、確かに人間にとっては「死」後の世界こそが「約束の地」なのかもしれない。*12


ということで、どうも、ぼくにはこの歌「約束の地」が飛行機が墜ちる歌に聴こえてなりません(苦笑)。
そして(どういうことなのか、いまだによくわからないのですが)ロックにはひとつの伝統のようにして(というか(ほとんど)サブジャンルのようにして)飛行機の墜落を主題とした歌がけっして少なからずあるのです。



ビビビビビビ、で、いま、突如として閃きの交信が入ったのですが、
きょうのこの日付、2月2日がやがて3日に替わって2時間もしないそんな時間帯、
いまから47年前の1959年2月3日午前1時50分、
アメリカ合衆国アイオワ州メイソン・シティの空港から1機の自家用の小型プロペラ機*13悪天候の中を離陸していく、
乗っていたのは、クリアレーク市でのステージを終えて、次なる公演先であるミネソタ州ムアヘッドめざして、その対岸の町であるノースダコタ州ファーゴの空港へ向かうバディ・ホリー、リッチー・バランス、ビッグ・バッパーの3人のロックンロール・スター・・・・・、
普段は連日バスでの長時間の陸路の移動がつねだったが、この日に限って寒さの中での移動を避けて、軽飛行機をチャーターしたのだ*14、チャーターした飛行機に乗れるのは(操縦士を除くと)僅か3人だけ・・・・
そして、離陸から僅か数分後・・・・・・・*15
やがて、その日は長く「音楽が死んだ日」として歌われるようになったのでした。








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【A Year Ago−Go!】

(1年前のエントリーを Playback♪)



・「テル・ミー・ホワイ」 (ニール・ヤング

・「テル・ミー」 (ボブ・ディラン


http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050202

*1:ノースカロライナの州都。

*2:ノースカロライナ州の都市

*3:サウスカロライナ州の都市

*4:ジョージア州アトランタ

*5:アラバマ州バーミンガムは、この歌が発表された当時、(リチャード・ファリーニャの歌にもなった(俗に)「バーミンガムの日曜日」と言われる)1963年9月15日のK.K.K.による同市の黒人居住区のバプチスト教会爆破事件で4人の黒人の子供が死亡するなど多数の負傷者が出し、公民権運動の大きな高まりの中でひとつの焦点ともいえる注目の土地となっていた。いずれにせよ黒人にとっては実にしんどい南部の町である。

*6:テキサス州の都市

*7:ニューメキシコ州リオグランデ河に臨む都市

*8:カリフォルニア州の異名

*9:ヴァージニア州の東部の海岸地域

*10:もちろん、これはあまりに考えすぎというものですが

*11:ベリーは(実は)この「約束の地」という歌を(未成年者女子(14歳のヒスパニック系アパッチの娼婦)を州外に連れ出そうとして(かつてのチャップリンと同じマン法違反容疑で)逮捕されたロックンロール潰しのスキャンダルで1959年に逮捕され、2年に及ぶ裁判の後、2年の実刑判決を受けて投獄されていたその服役中に)獄中で書いている。つまり、この曲は1964年の彼の一連の復帰作のひとつであり、ヒットチャートこそチャック・ベリーにとっての「約束の地」でもあるわけだが、る獄中こそが「約束の地」であるかのような貧しい黒人たちは、かつてもいまも、かのアメリカ合衆国には多数存在しているのだ。

*12:そのあたり、この曲は、明日、エリック・クラプトンにでも歌ってもらって、あらためて詳しく紹介してみることにしましょう。

*13:ビーチクラフト・ボナンザ機

*14:前日、一行はウィスコンシン州グリーンベイから凍てついたハイウェーを寒さの中350マイルのバスの旅でクリアレークに到着していた。

*15:機はひどい吹雪の中、墜落し、操縦士を含め乗っていた4人は全員即死。