Amazing Journey


Words & Music by Pete Townshend.
(1969年発表)





(原題直訳 「驚きの旅」)






From The Who album, "Tommy".
名作アルバム度 ☆☆☆☆


「トミー」 (フー)



歌詞は、次のURLから
http://sing365.com/music/lyric.nsf/Amazing-Journey-lyrics-The-Who/26179261BAA90B884825697A0010EC6F




名曲度 ☆☆☆☆ 






邦題 「すてきな旅行」







Deaf, dumb and blind boy
耳が聞こえず
口がきけず、目が見えない男の子
He's in a quiet vibration land.
この子は静かな波動の世界に住んでいる
Strange as it seems,
ご覧のとおり、奇妙なもので
His musical dreams 
音楽めいた彼の夢の国は
Ain't quite so bad.
それほどまったくひどいものではない




Ten years old with thoughts as bold as thoughts can be.
10歳児ともなれば考える力もちゃんとある
それもあらんかぎりの突飛な考えを
Loving life and becoming wise in simplicity.
人生を愛し、賢くなっていく




Sickness will surely take the mind
Where minds can't usually go.
病というものは
たしかに普段は心が向かわないところへと
心を連れて行ってしまうものだ
Come on the amazing journey
さあ、驚くべき旅に出かけよう
And learn all you should know.
そして、皆さんも知るべきことを学ぶのです




A vague haze of delerium
ぼんやりと霞んだ朦朧とした幻覚が
Creeps up on me.
ぼくに忍び込んで来て
All at once a tall stranger I suddenly see.
突如として背の高い見知らぬ人間をぼくは見た
He's dressed in a silver sparked glittering gown
その男は銀色に輝くきらびやかなガウンで着飾り
And His golden beard flows
垂れるように伸びた黄金の顎鬚が
Nearly down to the ground.
ほとんど地面につかんばかりになっていた




Nothing to say and nothing to hear
何も言わず、何も聞かず
And nothing to see.
そして何も見ない
Each sensation makes a note in my symphony.
ひとつひとつの感覚
ぼくのシンフォニーの中で音を作り出していく




Sickness will surely take the mind
Where minds can't usually go.
病というものは
たしかに普段は心が向かわないところへと
心を連れて行ってしまうものだ
Come on the amazing journey
さあ、驚くべき旅に出かけよう
And learn all you should know.
そして、皆さんも知るべきことを学ぶのです




His eyes are the eyes that transmit all they know.
あの子の瞳は
その瞳が知っていることをすべて伝えずにはいられない目だ
Sparkle warm crystalline glances to show
優しくきらめく透明な眼差しでわかるだろう
That he is your leader
そうです、彼はあなたの指導者なのです
And he is your guide
そして彼は皆さんの案内人
On the amazing journey together you'll ride.
この驚嘆すべき旅にあなたもご一緒に参加しましょう







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞







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この曲の歌い手が誰なのかについては、オリジナルではとくに指定はなされていないが、舞台の進行役的なナレーターによって歌われるとする解釈や演出がまず妥当なところだろう。*1



そして、この歌が(ナレーターとして)(聴衆に)伝えているのは、




Deaf, dumb and blind boy
He's in a quiet vibration land.

耳が聞こえず
口がきけず、目が見えない男の子
この子は静かな波動の世界に住んでいる




視覚も、聴覚も、言語による意思の疎通も欠いたトミーのいる世界、
それは波動(ヴァイブレーション)からなる世界なのだ。
その波動が織りなす(音のしない)音楽のような夢の世界、それがトミーにとっての世界であるようだ。




Strange as it seems,
His musical dreams 
Ain't quite so bad.

ご覧のとおり、奇妙なもので
音楽めいた彼の夢の国は
それほどまったくひどいものではない*2




Nothing to say and nothing to hear
And nothing to see.
Each sensation makes a note in my symphony.

何も言わず、何も聞かず
そして何も見ない
各感覚が
ぼくの交響曲の中で音を作り出していく




そして、そのトミーのいる波動世界のこのシンフォニーの一大ページェントが次の曲で繰り広げられていく。
トミーにふさわしく(言葉も声も欠いた)次の曲は(歌ではない)演奏のみによる器楽曲で、これには「スパークス」(生気)というタイトルがつけられている。

*1:実際、デイヴィッド・ミーシャム指揮のロンドン・フィルの演奏による多くのロック・シンガーを招いて上演されたステージの際には、MC役のピート・タウンゼンド自身がこの曲を歌っていたが、いちばん新しいブロードウェー版のミュージカル・ヴァージョンでは成長したトミーが幼いトミーの魂に語りかえるという演出になっていると聞いたことがある。ケン・ラッセルの監督・脚本の映画版でも(歌詞が大きく改変され、加筆されてはいたが)画面外のフーの演奏によって歌われ、親子で遊園地で遊ぶシーンがこの歌をバックに展開され、そこにさまざまなイメージが交錯するシーンになっている。

*2:そして、この彼の特異な感覚世界は、やがてひとつの驚くべき彼の特技となって発揮され、彼にちょっとした名声をもたらすことになるだろう・・・・・・だが、それはまだ先のお話・・・・