This Time Tomorrow


Words & Music by Ray Davies.
(1970年発表)





(原題直訳 「今回の明日は」)




From The Kiniks album,
"Lola Versus Powerman And The Moneygoround Part One".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組 第1回戦」 (キンクス



歌詞は、次のURLから
http://www.go2lyrics.com/K/Kinks/73849.html




名曲度 ☆☆






邦題 「ディス・タイム・トゥモロウ」 (キンクス







This time tomorrow where will we be?
今度は、明日、ぼくらはどこにいるのだろう?
On a spaceship somewhere sailing across an empty sea
からっぽの海を渡ってどこかを航行していく宇宙船に乗って
This time tomorrow what will we know?
今度は、明日、ぼくらは何を知るのだろう?
Well we still be here watching an in-flight movie show
そう、ぼくらはじっとここにいて機内上映の映画を見ている




I'll leave the sun behind me
ぼくは太陽をあとにするだろう
And watch the clouds as they sadly pass me by
そして、悲しげに去って行く雲を眺めるだろう
Seven miles below me
ぼくの足の下7マイルのところに
I can see the world and it ain't so big at all
ぼくには世界が見えるけど、それはちっとも大きくない




This time tomorrow what will we see?
今度は、明日、ぼくらは何を見るのだろう?
Field full of houses,
家々でぎっしりとなった地面
Endless rows of crowded streets
果てしなくつづく車の列で混み合う街路




I don't know where I'm going,
ぼくは自分の行き先を知らない
I don't want to see
ぼくはわかりたくない
I feel the world below me looking up at me
ぼくは下界がぼくを見上げている気がする



Leave the sun behind me,
太陽をあとにして
And watch the clouds as they sadly pass me by
そして、悲しげに去り行く雲を見やり
And I'm in perpetual motion
そう、ぼくは絶え間ない動きの中にある
And the world below doesn't matter much to me
そして、ぼくには下界はそんなに気にならない




Well, this time tomorrow where will we be?
そう、今度、明日は、ぼくらはどこにいるのだろう?
On a spaceship somewhere sailing across any empty sea
宇宙船に乗ってどこかの空虚の海を航行していく
Well, this time tomorrow, where will we be?
そう、今度の明日は、ぼくはどこにいるのだろう?
This time tomorrow what will we see?
今度、明日、ぼくは何を目にすることになるのだろう
This time tomorrow
今度、明日は







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞









∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮







これの歌は、何の歌だろう?
「詩ごころ」(・・・といったものがもしあれば)、それがある人なら何か壮大なスケールをふと思うかもしれない。
たとえ、それが単なるフック(=ひっかけ)であるとしても・・・




This time tomorrow where will we be?
On a spaceship somewhere sailing across an empty sea
This time tomorrow what will we know?

今度は、明日、ぼくらはどこにいるのだろう?
からっぽの海を渡ってどこかを航行していく宇宙船に乗って
今度は、明日、ぼくらは何を知るのだろう?




仏教的なセンスがある人なら、霊魂(=生命)の不滅と輪廻転生をにこの歌を重ね合わせるかもしれない。




Well we still be here watching an in-flight movie show

そう、ぼくらはじっとここにいて機内上映の映画を見ている




「映画」というのは、(意識というスクリーンに映る)今生の人生というドラマか、はたまた、いまは前世となった(今生)のそれだろうか?




And I'm in perpetual motion
And the world below doesn't matter much to me

そう、ぼくは永劫の動きの中にある
そして、ぼくには下界はそんなに気にならない




実際にわたしたちの生命もこのようにして(今回の)わたしたち(の肉体)に降臨し、宿ってきている、という。



そして、もっと世俗的な(あたりまえの)スケールでこの歌「This Time Tomorrow」(今度の明日)を聴くならば、これは単なるツアーの歌だ。ツアー中の移動の歌だ。
「ツアー」というのは(言うまでもなく)コンサート・ツアーのこと、(「演奏旅行」などと訳すまでもなく、日本語には伝統的な興行界の用語に)「巡業」という言葉があるが、(まさか「業」(ルビ=カルマ)を巡るという仏教用語でもないと思うがw)これはその「巡業」中に次の公演先へと移る飛行機の中の孤独を歌った歌である。
実際、この曲が入っているキンクスのアルバム「ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組 第1回戦」は、ヒット曲を出して、一躍、スターダムにのし上がったまだうら若きロック・スターがそのめまぐるしい生活の変化や現代という時代の最先端やあくどい音楽業界に翻弄されていく姿を描いた(一種のストーリーを持った)コンセプト・アルバムだが、キンクスには(さらにより広く、また緩い(ルーズな)スケールのコンセプト・アルバム)「この世はすべてショービジネス」*1でも、「新しい日がやって来る」というツアー中の移動のドタバタを歌った歌があるが、是非、あらためて聴きなおしてくださると面白いかと思います。
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041210#p2
そちらを地上編(地の巻)とすれば、この「ディス・タイム・トゥモロウ」は天上編(空の巻)となるだろうか。





こんな具合に、わたしたちは「昨日/今日/明日」の世界を離れて、
そして(しばらくの後*2*3(また、あらためて、どこかの誰かへと)(転生すべく)
降りていくとしよう。






【A Year Ago−Go!】

(1年前のエントリーを Playback♪)



・「フェア・プレー」 (ヴァン・モリソン

・「コンフォート・ユウ」 (ヴァン・モリソン

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041219

*1:オリジナルのレコード盤の時代には2枚組のアルバム・セットで発表され、1枚が実際のキンクスのライヴ・アルバムになっていて、より手の込んだ気の利いたコンセプトが活かされていた。

*2:仏教の教義では49日の後

*3:それについては、ヴァン・モリソンのこの歌があります。http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050917#p2