All Down The Line



Words & Music by Mick Jagger and Keith Richards.
(1972年発表)



(原題直訳 「ライン全域にわたって」)




From The Rolling Stones album, "Exile On Main Street".
名作アルバム度 ☆☆☆☆


「メイン・ストリートのならず者」 (ローリング・ストーンズ




歌詞は、次のURLから
http://www.keno.org/stones_lyrics/all_down_the_line.htm





名曲度 ☆





邦題 「オール・ダウン・ザ・ライン」 (ローリングストーンズ)








Yeah, heard the diesel drumming all down the line.
そうさ、ディーゼルがラインに沿ってゴトゴト音を立ててるのが聞こえるぜ
Oh, heard the wires a humming all down the line.
おゝ、ワイヤーがラインに沿ってギシギシ言ってるのが聞こえるぜ
Yeah, hear the women sighing all down the line.
あゝ、女どもがラインに沿って溜息もらしてるのが聞こえるぜ
Oh, hear the children crying all down the line.
おゝ、ガキどもがラインに沿って喚いてるのが聞こえるぜ




(All down the line.)
(このラインの隅々まで)
We'll be watching out for trouble, yeah.
問題が起きないようにおれたちが見張ってるからな、そうだ
(All down the line.)
(このラインの全域をだ)
And we'd better keep the motor running, yeah.
それにモーターはまわしっぱなしにしとくにこしたことはないんだ、あゝ
(All down the line.)
(ラインの全域にわたってだ)
Well, you can't say yes and you can't say no,
そうさ、おまえたちは「はい」とは言えず
また、「いやだ」とも言えないんだ
Just be right there when the whistle blows.
サイレンが鳴ったらきちんと持ち場につくように
I need a sanctified girl with a sanctified mind to help me now.
おれには即おれの力になる浄い気持ちをもった穢れなき娘が必要だ




Yeah, all the people singing all down the line.
あゝ、みんなが全員、歌ってるぜ、ラインの全域で
Mmmm, watch the men all working, working, yeah.
うーむ、男どもが全員働いてる姿をよく見てろ
そうだ、働いてるのをな
(All down the line.)
(ラインの全域で)




(All down the line.)
(ラインの隅々まで全部)
We're gonna open up the throttle yeah.
おれたちはスロットル全開でいくぞ、いいな
(All down the line.)
(ライン全域で)
We're gonna bust another bottle, yeah.
おれたちはまた1本、瓶を割っちまうだろう
(All down the line.)
(ラインのあちこちで)




I need a shot of salvation, baby, once in a while.
おれには救いのイッパツ*1が必要だぜ、ベイビー、たまにはな
Hear the whistle blowing, hear it for a thousand miles.
サイレンが鳴ってるのが聞こえるぜ、1000マイル離れてたって聞こえてくらあ




(All down the line.)
(このラインの全域にわたって)
We're gonna open up the throttle, yeah.
おれたちはスロットル全開で行くぜ、いいな
All down the line, We're gonna bust another bottle, yeah.
ラインのあちこちで
おれたちはまた1本、瓶を割っちまうだろう、あゝ
Well you can't say yes, and you can't say no,
そうだ、おまえたちは「はい」とは言えず
しかも、おまえたちは「いやだ」とも言えない
Just be right there when the whistle blows.
サイレンが鳴ったらきちんと持ち場につくだけだ
I need a sanctified mind to help me out right now.
おれには即おれの力になってくれる浄らかな心の持ち主が必要だ




Be my little baby for a while.
しばらく、おれの可愛い女になっちくれい
Won't you be my little baby for a while?
しばらくの間、おまえ、おれの可愛い女にならねえか?







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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(タイトルの「All Down the Line」の「line」を(工場の)アセンブリー・ラインと聴くならば)
「工場」は世の中の全域にわたっている。つまり世界の全域にだ。




Hear the whistle blowing, hear it for a thousand miles.
笛が鳴ってるのが聞こえるぜ、1000マイルもの向こうから聞こえてくるぜ




そして、「市場」もまた。
ということは(言うまでもなく)「流通」もまた(といういことだ)。



たとえば、いま(冷蔵庫を開けて)たまたま目に入った「とんかつソース」(イカリソース)にしても、手にとってあらためて見てみると、原材料として表示されている野菜や果実(トマト、リンゴ、ニンジンその他)、醸造酢(これらにもまた原材料があるはずだ)、砂糖(もまた)、食塩(にも製塩過程がある)、香辛料(種類不詳だが複数と考えられるこれらにも生産と市場と流通があってソースの原料となっている)、アミノ酸液(一部、大豆原料であるらしい)、澱粉、漁醤、タマリンドという増粘剤(なんだあのドロドロ感は作りモノだったのか)、カラメル色素、その他、無表示の含有物も当然のことながら想定され、それらは化学工場で生産されているのだろう。また、それらからなるこのとんかつソースの300ccのペットボトル容器、容器のプラスチック・キャップ、プラスチック・ラベルなど、それらプラスチック製品の原料と製造、容器デザイン、ラベル印刷とその印刷インク、ラベル表示のレイアウト、栄養成分表示の検査機関、JASマーク認定機関、メーカーロゴのデザイナー・・・・と気が遠くなるほどの労働、技術/時間を経てきている。
こういうことは小学生どもにトラウマになるぐらい教え込んでおいていいことだろう。いや、(世界への、もしくは現実への)この観点はけっして欠落させてはならないものと考える。それはまず彼and/or女らの幼い世界観や(そういう世界に生きている自分という)自己形成や自己認識に大いに役立つこととなろうし、それはまた自ずと「そういう世界で自分はどう生きていくのか?」(倫理的にも、技術的にも)という問いを彼らの内に生じさせることになるだろう。社会(=共同体)は(実際)そういう問いが幼い心に自然に発生し形成されるべく誘導し、なおかつ、その問いを(彼/女らが)問うていくこと、問い詰めていくことをサポートしていかねばならない。それが教育という(ことの基本にある)ことだ。もちろん、そこにはその時々の時代の意匠や要請や必要が混入してくることとなるだろう。そして、社会には(彼/女らが出した)(暫定的な)答えに応えうる多様な選択肢*2と能力に応じた機会の均等をつねに保証できていなければならない。その保証が社会の(その成員に対する)義務である。(そして言うまでもなく社会とはわたくしたちそれぞれのことなのだ)。ウーム、なかなかコンサヴァティーヴな響きでけっこうすなあ。

*1:注射か、あるいはオンナか?

*2:もちろん(出産、育児、夫や子供のための家事全般に専業する)「主婦」や(愛し愛される男性なら)「主夫」として社会的にはサブ(=従属的)な存在になるという選択もあるだろう。