Honey Pie



Words & Music by John Lennon and Paul McCartney.
(1968年発表)





(原題直訳 「ハニー・パイ」(人名、ニックネーム))




From The Beatles album, "The Beatles".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆


ザ・ビートルズ」 (ビートルズ





歌詞は、次のURLから
http://www.webpak.net/~mrolig/lyrics.htmlGsong_idEhp.html





名曲度 ☆






邦題 「ハニー・パイ」 (ビートルズ








She was a working girl
彼女は若い労働者だったんだ
North of England way
イングランドの北の方のね
Now she's hit the big time
それがいまじゃすごい人気者
In the U.S.A.
あのUSAでだぜ
And if she could only hear me
それでもし彼女にぼくの声が届くなら
This is what I'd say.
ぼくが伝えたいのはこんなこと




Honey pie you are making me crazy
ハニー・パイ、
きみはぼくを夢中にさせる
I'm in love but I'm lazy
ぼくは恋をしてるけど無精者でね
So won't you please come home?
だから、どうか故郷に戻って来てくれないかい?




Oh honey pie my position is tragic
おゝ、ハニー・パイ、
ぼくの立場ときたら、悲劇的
Come and show me the magic
そばに来てぼくにその魔法を教えてくれよ
Of your Hollywood song.
きみのそのハリウッド仕込みの




You became a legend of the silver screen
きみは銀幕の伝説になってしまって
And now the thought of meeting you
いまじゃ、きみに会おうっていうぼくの考えも
Makes me weak in the knee.
弱気になって揺らいでしまう




Oh honey pie you are driving me frantic
あゝ、ハニー・パイ
おかげでぼくは血迷ってしまいそう
Sail across the Atlantic
大西洋を船で渡って
To be where you belong.
きみのいる世界へと。
Will the wind that blew her boat
彼女を乗せた小舟に吹く風のめぐりは
Across the sea
海の向こうから
Kindly send her sailing back to me?
親切にも
ぼくのもとへと彼女を送り戻してくれるだろうか?




Honey pie you are making me crazy
ハニー・パイ
きみはぼくを夢中にさせる
I'm in love but I'm lazy
ぼくは恋してるけどものぐさなんだ
So won't you please come home?
だから、きみぃ、
故郷に帰って来てくれないかい?







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞




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I'm in love but I'm lazy
ぼくは恋をしてるけど無精者でね



というフレーズは特許が取れるぐらいの秀逸なフレーズだが、こういうのはイギリスならではの「ミュージックホール」(音楽寄席)の伝統から来てるものだろう。また、この曲の1930年代のジャズ風のダンス・バンドのサウンドもまたイギリスでは(ロックンロールの温床となったスキッフルのそのまた温床となった*1)トラッドジャズのブームを介してポール・マッカートニーたちの世代のミュージシャンは幼い頃から親しく耳にしていた音楽だった。げんにポールの父親はそういうダンス・バンドのセミプロのミュージシャンだったという。

*1:1950年代中期にスキッフル・ブームを作り出したその立役者となったロニー・ドネガンは(そもそもは)クリス・バーバー楽団のバンジョー奏者で、この楽団のステージ構成に「ルーツ・タイム」というのがあってそこで演奏されていたのが「ロックアイランド・ライン」などのアメリカの古い民謡やカントリー・ブルースでそれがヒットしてイギリス中にスキッフル・ブームが巻き起こり、いわば近所の男の子たちの遊びとしてギターや洗濯板のパーカッション、茶箱に箒をくっつけてそれに1本弦をはったベースなど楽器も曲も(?)手作りのブームとなり、全英に多くのスキッフル・バンドが生まれ、それがエルヴィスの「ハートブレーク・ホテル」に触れることで電気化してロックンロールになっていったというブリティッシュ・ロック草創記の歴史の概略を語り起こすことができる。ジョンやポールやミックやキースがその世代である。また、多くのイギリス人に初めてギターを持たせることになったという意味では、(それから約10年後の)日本の「エレキ・ブーム」とも照応するものだろう。こんな(どちらかというと色物に類する)ビートルズの曲でありながらも、(楽曲に限らず、他のあらゆるものと同様に)歴史性をおびたもの(というよりも歴史的な産物)であることをしっかりと心に留めおきたい。このサイトでは(こと音楽に限らず)単なる(オタク的な)(平板な)(騒がしい)(断片にとどまる)知識や情報や記号の披瀝や交換は(うんざり辟易)どちらかというと退屈や蔑みの対象とされ、ときには平然と無視されるが、こうした立体的・構造的(もしくは)リゾーム的な生命ある知については面白く刺激的かつ=and/or=つまりセクスィであるので大いに顕彰も検証もしていきたい。