Just Like Tom Thumb's Blues

Words & Music by Bob Dylan.
(1965年発表)



(原題直訳 「親指トムのブルース風に」)*1





From Bob Dylan album, "Highway 61 Revisted".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「追憶のハイウェイ61」 (ボブ・ディラン





歌詞は、次のURLから
http://bobdylan.com/songs/tomthumb.html





名曲度 ☆☆☆




邦題 「親指トムのブルースのように」 (ボブ・ディラン








When you're lost in the rain in Juarez
ファレーズで、おまえが雨の中で道に迷ったとき
And it's Eastertime too
そう、あれはイースターのときだった
And your gravity fails
そして、おまえの生真面目さが裏目に出て
And negativity don't pull you through
反対する声もおまえには届かなかった
Don't put on any airs
When you're down on Rue Morgue Avenue
ルー・モーグ・アヴェニュ*2を歩くときには
いかなる気取りも禁物だ
They got some hungry women there
あそこの連中は
腹を空かせた女たちを抱えていて
And they really make a mess outa you
人を本当にひどい目に遭わせる連中なんだ




Now if you see Saint Annie
さてと、もしも、おまえが
聖女アニーに会うんだったら
Please tell her thanks a lot
どうか彼女に
ありがとうを言っといてくれ
I cannot move
おれは
動きがとれないんだ
My fingers are all in a knot
指先も
まるでいわかれたようになってしまっている
I don't have the strength
To get up and take another shot
とても起き上がって
注射をもう1本射つ気力なんて
おれにはありゃしない
And my best friend, my doctor
そして
おれの一番の友達の主治医のやつも
Won't even say what it is I've got
おれのが何なのかは
言おうとさえしてくれないんだ




Sweet Melinda
可愛いミリンダ
The peasants call her the goddess of gloom
農夫たちは彼女のことを陰鬱の女神と呼んでいる
She speaks good English
彼女はちゃんとした言葉を喋る女で
And she invites you up into her room
おまえを自分の部屋に招き入れる
And you're so kind
そう、おまえもやけに親切で
And careful not to go to her too soon
かつ慎重に
そんなにすぐに彼女のところに行きはしない
And she takes your voice
すると彼女はおまえの声を奪い
And leaves you howling at the moon
おまえはひとり取り残され
月に向かって吠えるだけ




Up on Housing Project Hill
公営住宅の丘の上では
It's either fortune or fame
大事なのは財産か評判のどちらかで
You must pick up one or the other
おまえは、そのどちらかを
引き当てなきゃならない
Though neither of them are to be what they claim
とはいえ
そのどっちも人が言うほどのものではないのだ
If you're lookin' to get silly
もしも、自分をバカに見せようというんだったら
You better go back to from where you came
あんたは自分がやって来たもとのところへ
帰ったほうがいいぜ
Because the cops don't need you
なぜって
オマワリどもはおまえなんかに用はないし
And man they expect the same
それに、なあ
みんながアテにしてることは同じなのさ




Now all the authorities
いま、当局のあらゆる連中が
They just stand around and boast
偉そうな顔して突っ立てやがる
How they blackmailed the sergeant-at-arms
あの連中が例の警護官を脅迫して
Into leaving his post
やつをその地位から外し
And picking up Angel who
Just arrived here from the coast
そして
沿岸地方から来たばかりのエンジェルを抜擢した
Who looked so fine at first
そいつは最初のうちは
とても晴れやかな顔をしてたのに
But left looking just like a ghost
ところが
まるで亡霊のようになって去っていったんだ




I started out on burgundy
おれはバーガンディから飲みはじめたんだ
But soon hit the harder stuff
しかし
すぐにもっと強いのをやりはじめた
Everybody said they'd stand behind me
When the game got rough
成り行きが荒れ模様になったときには
みんな、おれの味方をすると言ってたんだ
But the joke was on me
なのに、おれは
おちょくられていたんだな
There was nobody even there to call my bluff
おれのかましに乗ってくるやつは
その場にはひとりとしていなかった
I'm going back to New York City
おれはニューヨークシティに帰ることにするよ
I do believe I've had enough
本当にもうたくさんだって
おれはそう思ってるよ







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞

*1:親指トム」を知らない人はいませんか? (ということで)(忘れてしまっている人も多いだろうから)「親指トム」の物語とは、(ざっとアウトラインだけを述べてみるなら)流浪のさなか、次から次へと身にふりかかる危難をもって生まれたその身の欠陥を利して不思議と次々切り抜けてしまう妖精っぽい男の子の冒険譚。最近は(そういう子供の教養を)各駅停車でいちいち停まることなく、さながら通勤快速大人行きとばかりに素通りしてきちてしまう人がけっこういるの模様ですが、マァ、どっちが可哀相かは言えなくなってきてますよ、ホントに。でも、いつだって贅沢の味方をしたいものだ。贅沢な見方もね。

*2:「モルグ街通り」と訳すこともできるだろう。ポーの小説のあの「Rue Morgue」である。