Young Conservatives

Words & Music by Raymond Douglas Davies.
(1983年発表)




(原題直訳 「若い保守党員」)




From The Kinks album, "State Of Confusion".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆


「ステイト・オブ・コンフュージョン」 (キンクス


歌詞は、次のURLから





名曲度 ☆☆



邦題 「ヤング・コンサーヴァティヴス」*1 (キンクス










Have you heard the word?
噂を聞いたかい
The revolution's over.
革命は終わったんだ
Now the anger's disappeared
いまや怒りは消え失せた
And the rebels are much older.
反逆者たちはかなり年老いた
And the schools and universities are turning out
そして各種学校や大学が輩出しているのは
A brand new breed of young conservatives.
新種の若き保守派たちだ




Get yourself a brand new scene,
新しい状況に乗り遅れるなよ
Keep your collars white and clean,
襟は白で、清潔にしておくんだぜ
It's time to come and join the young conservatives.
いまこそ、若き保守派に参集すべきときだぞ



Revolution used to be cool,
変革はかっこいいものだった
But now it's out of fashion.
だけど、いまじゃ流行遅れの代物で
Politeness is the rule,
礼儀正しさこそが原則さ
And not an angry young man's passion.
怒れる若者の情熱なんかじゃないんだ
And they've used up all the alternatives,
そして、あらゆるべつのやり方は、
やつらに使い捨てられてきた
And they're rushing down the street
それで、あの連中が街を闊歩してるのさ
To join the young conservatives.
若き保守派に加わろうとな
Conservatives.
保守党支持者ども




Ban the bomb, oh how contemporary,
核爆弾廃絶、あゝ、なんて現代的なことだろう
In your parents' car.
両親のクルマに乗って
Another chip off the block, is that all that you are?
親の生き写しがまたひとり、それが、おまえさんのすべてかい?
Look at all the young conservatives
見てみろよ、あの若い保守党の連中を
Hanging out in the bars.
そこらのバーにたむろしてるぜ*2
It's got to stop before it goes to fa-fa-fa-fa-far.
止めないとならないぜ、行きすぎにならないうちにな




Get yourself some new attire,
何か新しいもので盛装するんだ
Set your sights a little higher,
視野をもう少し上に向けろよ
You're going to join the young conservatives.
そうやっておまえも若き保守派に参入するんだ



The establishment is winning,
既成勢力が勝ちを収めてるんだ
Now the battle's nearly won.
戦いはいまやほとんど勝利同然
The rebels are conforming,
逆らう連中も順応してきている
See the father, now the sons.
この父にして、この息子ありだね
All the urgency and energy
切羽詰った危機感やエネルギーは
Have turned into complacency,
すべて自己満足へと向けられた
Now the schools and universities are turning out
いまや各種学校や大学が輩出しているのは
A brand new breed of young conservatives.
新種の若き保守派たちだ
Conservatives.
保守勢力だ




Rebel, rebel found a cause,
反抗、反抗児が理由を見つけた*3*4
Now it's Hampstead not East End
いまやイーストエンドじゃなくてハムステッドだ*5
And now he's such a well respected man.
そして彼も、いまや、かくもたいそうご立派な方*6
The only action that you see
みんなの目につく唯一の動きは
Is in the Sunday Times.
サンデー・タイムズ」に出ているようなこと*7
Content to sit in bed and read between the lines.
ベッドにすわって行間を読むのに適度な内容




Rebel, rebel join the young conservatives.
反逆児よ、反逆児よ、若き保守派に参入せよ
Be a devil join the new conservatives.
悪魔となって新しき保守派に参入するんだ




It's a victory for order
これは秩序の勝利だね
Now they've beaten everyone.
いまや、やつらはみんなを打ち負かした*8
The rebels are too old now,
反逆者たちは
いまやあまりにも年をとりすぎてしまっている
And the young just want to be young.
若者たちは、ただ若くありたがっているだけだ
All the urgency and energy
逼迫した危機感やエネルギーは
Have turned into complacency.
すべて自己満足へと向けられた
Now the schools and universities are turning out
各種学校や大学がいま作り出しているのは
A brand new breed of young conservatives.
新種の若き保守派たちだ
Conservatives.
保守勢力だ




Look at all the young conservatives.
あの若い保守派の連中を見てみろよ
Look at all the young conservatives.
あの若い保守派の連中を見るがいい





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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世界的にあまり注目されることがないが、これは(ことキンクスのキャリアに限らず)世界史的にけっこう重要な歌だと思うんだけどな。とっても1980年代。この歌の風景にはたしかに馴染みがあるのかも。
イギリスでは「サッチャーズ・チルドレン」と呼ばれたニュー・リベラリズムの若者たち、たぶん、おれもこの系列だよ(っと日に日に思うこと多し)って、、、、ん? 若者かって? おれって、前世もどーもおれだったみたいで、前世、地続き、今世紀。人間も 21過ぎりゃー 皆ドボン。Blach Jack Davy♪




あれ、きょうは誰の誕生日だったっけ・・? と考えて、しばらく思い出せなかったわたしがいる。
きょうは人類最初の核爆弾が都市攻撃の実戦で使われた日だった。(あえて「ヒロシマ」という語を回避して意識の共有を遮断して認識をシャッフルしなおしてみた、ぬあんちゃって)
それから60年、中国ふうに言うと暦がひとまわり(還暦)したわけだ。時の車輪、時の環はまわる。



(附録)

WikiPediaで、お手軽サンデー保守」

けっこう面白かった。英語で行ける人はどうぞ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Margaret_Thatcher


http://en.wikipedia.org/wiki/Thatcherism
何で日本の構造改革論者は、こういう明快な説明をちゃんとしないのかというと、たぶん、全部、アメリカからの要請でや

ってるからなんだろうね。アメリカなんかブッ飛ばす超一流の資本大国戦略をハッキリさせて、その実現をめざせーーー、

ニッポン!

これも
http://en.wikipedia.org/wiki/New_liberalism
これも
http://en.wikipedia.org/wiki/W.T.O.
これも
http://en.wikipedia.org/wiki/Neoliberalism




しかし、フルに能力開発されないでいい加減なチューナップとデフォルト設定で街を歩いてる若い子たちって、だいたい顔を見るとわかってしまうが、そんな状態で社会に放り出されて、ひどく気の毒、哀れだね、まあ、消費者として存在してくれれば、世の中(の「やつら」は)それでいいんだろうけども、それだけじゃねーだろうがなあ、って思うヨ。この子だって、本当はもっと賢くなれるんだろうになってよく街を歩いていて思うよ。ようは工夫、工夫で広がるあなたの宇宙、創意工夫ができるようになるための訓練、調教、トレーニング、それが教育のひとつの面、練習、実践、レッスン、プラクティス、お勉強って絶対に不足してるね、いまのこの国のこの世の中には。
「よりよい方へと導く」習慣、その習慣づけ、条件付け、コンディショニング、それが訓練、練習、習慣化、つねによりよい方へ、光の側へとガイド・ユアセルフ(ときには迂回を重ねて遠回りするのがよりよきことも)、あとスタミナも足りなすぎなとこもあるかもしれない。

だけど、下手ななんとか休むにかんとか、で、システムが出来上がってるとこにヘンな手を加えようとするオペレーターは邪魔で不要なのだろうな、やつらにしてみればね。

あなたに課せられた社会的な任務は消費者として消費することです! そのためには(まずは)生産者や販売者側のお手伝

いをしてもらわなければなりません。システムの各ポイントに席を用意してあるので時間が来るまでそこにいるように。そんなふうに誰かの金儲けの末端にしがみついて食いつないでいく人々。そういう人たちは(実は

)この社会、この世の中を「わたしたちの」「自分たちの」社会とは(ほとんど)意識していない*9。だから、メジャーから独立リーグまで(あちこちに)ブル(ジョワにブラ)下がって(なんとなく)あとをついていけば(高度資本主義国では、そこそこ)食えてしまうからね。そうじゃない人たちは裏リーグ(詐欺師や暴力団とかの犯罪者と犯罪予備軍のネットワーク)か諸外国へ転進していく。自分をしっかり開発しないと生きていけない。なぜかこの国はその方法や技術やノウハウを教えようとしないんだよね、なんでやねん? マズイわけ? 秘伝なわけ? ケチるなよ! それとも全然先の見通し利いてないわけ、おっさんたち!?


それにしても「天皇原理主義」を掲げてボロボロになった日本を占領して、「ポツダム宣言」(その内実は(実は)ひとつまえの「カイロ宣言」)に準拠して日本の再プログラミングをしたアメリカ占領軍の総司令部みたいに、いまの財政破綻も同然の日本の呑気な惨状を征服者の目*10でその運営と復興、善導を熟考する視座をシェアしあうことが(わたしたちの明後日には)必要です。インターナショナル・コミュニティ(つまり国際社会)で生き抜く日本を考える。どうするのかいいんだろうねえ。



そして、1980年代のキンクスは何かひとつふっ切れたように(働くロックンロール・バンドとして)いいライヴ・バンドになったって感じだ。世の中、どうせ狂ってんだ、だから、この場だけでも正しく楽しくやってみようぜっていうそうテンションが漲るモーレツにエネルギッシュなステージを演るようようになった。

*1:「コン・サヴァ・ティヴズ」と発音してあげれ!

*2:イギリスの伝統的なパブ文化が廃れはじめた時期でもある。ビールでなくワインを飲み、ティーでなくコーヒーを啜り、まさかバーボンなんかは飲まないが、煙草も吸わない若者たち。

*3:ジェームズ・ディーンの主演の青春映画の古典「理由なき反抗」(ニコラス・レイ監督)とデイヴィッド・ボウイのアルバム「アラジンの正気」からのヒット曲「レベル、レベル」に懸けているわけだが、意味としては「反逆児が(堅気に生きる)大義をみつけた」とするのがこの歌の筋だろう。

*4:「ジギー・スターダスト」につづくボウイのアルバム「アラジンの正気」Alladin Saneは、(実は)「狂気の若者」A Lad Insane と読めたり聴こえたりしなくもないwink でしょッ!?

*5:東京に置き換えれば、北区じゃなくて田園調布だってとこになるのかも・・・? 渋谷の大山も大きなお家がいっぱいあるなあ。松涛は前世紀末に(代替わりにともなう?)相続税の圧迫で随分と小ぶりになったねえ。この過酷苛烈な相続税法に手を触れないうちは、おいらもこの国の社会に(フェアな世の中だと)寛容でいられるヨ(笑い)。

*6:自分たちのヒット曲「ア・ウェル・リスペクテッド・マン」。http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050222参照

*7:うーん、「週刊朝日」ってあたりににしておきますか(笑い。

*8:イギリスの社会に伝統的な「Us and Them」(「おれたちとやつら」「わたしらとあの者ども」の「やつら」が主語。それは旧来の「やつら」からしても「あの者ども」の価値観によって成り上がり的に浸蝕を受けているわけでもある。それが(偉大なる)マーガレット・サッチャーによる前世紀後半のイギリス社会の見事なる構造改革の大成功の一面でもあった。

*9:モラルの低下の原因は、たぶんそういうところ、そういう意識の欠如あるいは希薄さにあると睨んでるんだ。

*10:だいたい悪者の相場は「世界征服」とか「日本征服」を謀っていたものだ。