Midnight Rambler

Words & Music by Mick Jagger and Keith Richards.
(1969年発表)



(原題直訳 「真夜中の徘徊者」)



From The Rolling Stones album, "Let It Bleed".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「レット・イット・ブリード」 (ローリングストーンズ)


Also on their live album, "Get Yer Ya-Ya's Out!".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」 (ローリングストーンズ)




歌詞は、次のURLから
http://www.keno.org/stones_lyrics/midnight_rambler.htm



名曲度 ☆☆☆



邦題 「ミッドナイト・ランブラー」 (ローリング・ストーンズ







Did you hear about the midnight rambler?
真夜中の徘徊者のことは聞いてるかい?
Everybody got to go
みんな帰ったほうがいいぜ
Did you hear about the midnight rambler?
真夜中にうろつきまわっているやつのことは聞いてるかい?
The one that shut the kitchen door
勝手口のドアを閉めるヤツさ
He don't give you a hoot of warning
警告の鳴き声なんかはくれやしない
Wrapped up in a black cat cloak
黒猫のマントに身をくるんでるんだ
He don't go in the light of the morning
朝の光の中には姿を見せない
He split the time the cock'rel crows
雄鶏が鳴く時間には去ってゆくんだ




Talkin' about the midnight gambler
真夜中の賭博師のことを話してるのさ
The one you never seen before
あんたなんかが
これまでに会ったことのないようなヤツさ
Talkin' about the midnight gambler
真夜中の博奕打ちの話だぜ
Did you see him jump the garden wall?
そいつが庭園の塀を跳び越えるのを見たかい?
Sighin' down the wind so sadly
ひどく悲しげな音をした溜息を洩らすんだ
Listen and you'll hear him moan
耳を澄ましてみてごらん
ヤツの呻きが聞こえるぜ
Well, talkin' about the midnight gambler
そうさ、真夜中の賭博師のことを話してるんだ
Everybody got to go
みんな帰ったほうがいいぜ




Did you hear about the midnight rambler?
あんたら、真夜中の徘徊者のことは聞いたかい
Well, honey, it's no rock 'n' roll show
可愛い子ちゃん、そうじゃないんだ
ロックンロールのショーの話じゃないんだ
Well, I'm talkin' about the midnight gambler
あゝ、おれは深夜の徘徊者のことを話してるんだ
Yeah, the one you never seen before
そうさ
あんたらがいままで一度も見たことがないヤツさ




Oh don't do that,
おい、やめてくれ
Oh don't do that, oh don't do that
おい、そんなことしないでくれ
おゝ、やめろって
Don't you do that,
やめてくれ、そんな、おい、やめてくれ
Oh don't do that, oh don't do that
あゝ、やめろ、やめてくれ、そ、そんな




Well you heard about the Boston...?
ボストンのことは聞いてるかい?
It's not one of those
よくある事件とは違うんだ
Well, talkin' 'bout the midnight...sh...
そうさ、あの話さ、真夜中の・・・・シーーッ!
The one that closed the bedroom door
ベッドルームのドアを閉めるヤツさ
I'm called the hit-and-run raper in anger
おれは憤怒に満ちた世間の声で
逃げ足の早い強姦者って呼ばれてるんだ
The knife-sharpened tippie-toe...
研ぎ澄まされたナイフが爪先立ちで・・・
Or just the shoot 'em dead, brainbell jangler
じゃなけりゃ、みんなを撃ち殺す
閃きまくりで頭が割れそうだ
You know, the one you never seen before
いいか
あんたらがまえには一度も見たことがないヤツなのさ




So if you ever meet the midnight rambler
だから、もしも
深夜の徘徊者にこれまでに会ったことがあるっていうなら
Coming down your marble hall
大理石の大広間に降りて来るがいいさ
Well he's pouncing like proud black panther
そうさ、ヤツは誇らしげな黒豹みたいに*1突如として襲いかかってくるだろう
Well, you can say I, I told you so!
あゝ、おれが
このおれがそう言ってたって言っていいぜ!
Well, don't you listen for the midnight rambler?
さてと
あんたら深夜の徘徊者のために耳を澄ましてみないかい?
Play it easy, as you go
気楽にいけよ
いい感じになるように
I'm gonna smash down all your plate glass windows
おれはあんたのところの窓ガラスを全部叩き割ってやるぜ
Put a fist, put a fist through your steel-plated door!
拳を突き出してな
おまえのところの金属製の扉に拳を突き出してやるぞ!




Did you hear about the midnight rambler?
深夜にうろつきまわっているやつのことは聞いてるかい?
He'll leave his footprints up and down your hall
あんたのところの廊下のほうぼうに足跡を残していくだろう
And did you hear about the midnight gambler?
真夜中の賭博師のことは聞いたかい?
And did you see me make my midnight call?
それと、あんた、おれが深夜に電話しているのを見たのかい?





And if you ever catch the midnight rambler
それと、もし、あんたが
真夜中の徘徊者にこれまでに出くわしたことがあるんなら
I'll steal your mistress from under your nose
あんたの目の前で
おれはあんたの情婦を掠め取ってやるぜ
I'll go easy with your cold fanged anger
おまえの冷たい牙を剥いた怒りなんぞは
おれにはお気楽なものだろうよ
I'll stick my knife right down your throat, baby
おまえの喉にナイフを突き刺してやるとするか
And it hurts!
そう、痛いぞー!







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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日本にも「連続射殺魔とか「連続企業爆破」など世間を震撼させる見えない恐怖が横行した時代があったが、平穏な市民生活を脅かすそうした未知なる存在を(あたかも待望していたかのように)秘かに拍手を送るような人たちが世の中には確実に存在することに気づくことなく暮らしていくことはなかなか難しいことだ。未解決の連続犯罪は(ときに)現代社会のフォークロアともなり、その犯人は(ときには逮捕後もなお)一種のフォークヒーローのように扱われることも少なくはない。


ローリングストーンズが1969年に発表した「血を流させろ」というタイトルのアルバム「レット・イット・ブリード」の中のこの曲「ミッドナイト・ランブラー」は、「ボストン絞殺魔」の異名をとった連続殺人犯を歌ったものと言われている*2。当時のストーンズのコンサートのショーケースというべき曲で彼らのライヴ・アルバム「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」のハイライトシーンでアップテンポの演奏が急遽スローダウンして、ミック・ジャガーのヴォーカルにバックのブレークが入り、それが繰り返されるところがある・・・




Well you heard about the Boston...?
It's not one of those
Well, talkin' 'bout the midnight...sh...

ボストンのことは聞いたかい?
よくあるケースとは違うんだ
そうさ、あの話さ、真夜中の・・・・シーーッ!



そのブレークの合間の恍惚とした観客の喚声の中に日本語で「かっこええ〜〜ッ」とタイミングよく叫ぶ声が聞こえるが、伝えられるところによると、滞米時代の(のちの「村八分」のヴォーカルの)「チャー坊」こと柴田和志(故人)によるものだという伝説が(いまに至るまで)まことしやかに語り継がれている。

*1:1969年の発表当時には、この言葉にアメリカの黒人過激派団体「ブラック・パンサー党」を思い浮かべた人も多かったことだろう。次のURLのエントリーの注2を参照http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050430/

*2:リチャード・フライシャーの監督で映画化もされている。http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=7465