The Circle Game

Words & Music by Joni Mitchell.
(1967年発表)



(原題直訳 「環状のゲーム」)



Performed by Buffie Sainte-Marie.

You can listen to Buffy Sainte-Marie album,
"Fire & Fleet & Candlelight".
名作アルバム度 ☆☆☆

バフィー・セント・メリー)



And,of course, the one from Joni Mitchell album,
"Ladies Of The Canyon".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「レディズ・オブ・ザ・キャニオン」 (ジョニ・ミッチェル



Also you can listen to Tom Rush album, "The Circle Game".
名作アルバム度 ☆

(トム・ラッシュ)




歌詞は、次のURLから
http://www.jonimitchell.com/Frames1.html



名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「サークル・ゲーム」 (バフィー・セイント=メリー)






Yesterday a child came out to wonder
きのう
ひとりの子供が不思議そうな顔をして現れた
Caught a dragonfly inside a jar
つかまえたトンボを広口瓶の中に入れ
Fearful when the sky was full of thunder
空一面に雷鳴が轟くと、こわがって、
And tearful at the falling of a star
お星さまが落ちてくると涙を流す
Then the child moved ten times round the seasons
それから四季のめぐりを十度も経て、子供は
Skated over ten clear frozen streams
凍てついたきれいな川でスケートするのも十度以上
Words like, when you're older, must appease him
いまにおまえも大人になったらというような言葉が
彼の心を鎮めるようになってきて
And promises of someday make his dreams
いつの日か果たそうと夢を見る




And the seasons they go round and round
そして季節は巡り巡って
And the painted ponies go up and down
絵で塗り描かれた木馬は上がったり、下がったり
We're captive on the carousel of time
わたしたちは時間という回転木馬の上に縛られて
We can't return we can only look behind
後戻りできずに、ただ振り向くことができるだけ
From where we came
わたしたちが通って来た道を
And go round and round and round
そして、ぐるぐるぐるぐるまわって行くのよ
In the circle game
この環になったゲームの中を




Sixteen springs and sixteen summers gone now
16回の春と16回の夏が過ぎたいま
Cartwheels lost to car wheels thru the town
荷車は街を行く自動車にはかなわない
And they tell him,
そして人々が彼に言う
Take your time, it won't be long now
じっくり行けよ、そうせくことはないさ
Till you drag your feet to slow the circles down
じきに脚を引きずるようにしてでも
おまえは、この環の回転を遅らせようとするようになるものさ、と





And the seasons they go round and round
そして季節は巡りに巡って
And the painted ponies go up and down
色塗られた木馬は上がったり下がったり
We're captive on the carousel of time
わたしたちは時間という回転木馬の上で囚われの身
We can't return we can only look behind
後戻りできずに、ただ振り返ることができるだけ
From where we came
わたしたちが通って来た道を
And go round and round and round
そして、ぐるぐるぐるぐるまわって行くのよ
In the circle game
この環になったゲームの中を




So the years spin by and now the boy is twenty
こうして月日が巡り、男の子はいまや20歳になった
Though his dreams have lost some grandeur coming true
少年の日の夢は
その雄大さにはいくらか欠けるにしても、実現し
There'll be new dreams, maybe better dreams and plenty
新しい夢が生まれてくるでしょう、たぶん、もっとステキな夢がたくさんね
Before the last revolving year is through
最後のひとまわりとなる1年が回りきってしまうまでにはね




And the seasons they go round and round
そう、季節は巡り巡っていくの
And the painted ponies go up and down
色のついた木馬は上がったり、下がったり
We're captive on the carousel of time
わたしたちは時間という回転木馬に縛られて
We can't return, we can only look behind
後戻りできずに、ただ振り向くことができるだけ
From where we came
わたしたちが通って来た道を
And go round and round and round
そして、ぐるぐるぐるぐる回っていくのよ
In the circle game
この環になったゲームの中を








Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮






ジョニ・ミッチェルの名作のひとつだが、日本では(おそらく「いちご白書」という映画のサウンドトラックで使われていたせいだろうか)バフィー・セイント=メリーのトラックでよく知られているようだ。

この歌でも「人生」が回転木馬に喩えられ、「サークル・ゲーム」(環状のゲーム)とされているのは、(地球の自転や公転もさることながら)基本的に「日常」というものが同じことの繰り返しからなっているものだからなのだろう。



And they tell him,
Take your time, it won't be long now
Till you drag your feet to slow the circles down


そして人々が彼に言う
じっくり行けよ、そうせくことはないさ
じきに脚を引きずるようにしてでも
この環の回転を遅らせようとするようになるんだからな



このくだりが気に入っている。
「若さ」というものの最大の特性のひとつが、その「性急さ」にあることをひじょうによく物語っているように思う。
そして、多くの場合、その性急さは負の力として現れてしまいがちであることは(残念ながら)事実である。(「勢い」と「わたくし」が未分化なままであるのだから)(当然のこと)「自分」という荒馬をなかなか上手く乗りこなせるものではない*1
(若いうちに)(たとえ何かの偶然からにせよ)それができた人間が(スポーツでも芸術でも何であれ)(その仕事で)一流の人間への道を見い出すことになる。





バフィー・セイント=メリーは(ジェシーエド・デイヴィスと並ぶ)ネイティブ・アメリカンの数少ないスター・ミュージシャンのひとり。
クリー族のインディアンの生まれで里子として迎えられた白人家庭のもとでマサチューセッツ大学に進み、東洋哲学を学ぶ。
同大のキャンパスの街で、多くのミュージシャンを育てたケンブリッジのローカル・フォーク・シーンからレコード・デビュー。
早くからアメリカ・インディアンの地位向上のための運動の有力な活動家としても知られ、ラルフ・ネルソン監督、キャンディス・バーゲン主演の映画「ソルジャー・ブルー*2の主題曲も担当している*3
現在は、自ら設立した「The Nihewan Foundtion」*4という財団を通じて、クリー族の言語と文化や伝統の保存と教育、さらにはネイティヴ・アメリカンのこどもたちの就学支援や奨学金の提供、ネイティヴ・アメリカンに関する学術研究の支援などに務めている。えらいなあ。
他にTVの「セサミ・ストリート」でもレギュラーを務めていたほか、映画「愛と青春の旅立ち」の有名なあの主題歌「Up Where we Belong」の共作者のひとりでもある*5

*1:きのう歌の作者のジョン・フォガティ(のクリーデンス以後の)歌の何かに「人生はロディオだ」という一節があるのがあったと記憶する・・・「Rock'n'Roll Girl」だった。http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050523 

*2:1970年公開。合衆国騎兵隊による1864年のシャイアン族の大虐殺を描いた作品。従来の西部劇とは一線を画したアメリカ原住民の姿が描かれた。ラスト15分間の壮絶な虐殺シーンが有名。

*3:バフィー・セイント・メリーの歌う主題歌「Soldier Blue」は、彼女の5作目のアルバム「She Used to Wanna Be a Ballerina」に収録されている。

*4:http://www.nihewan.org/index.html

*5:他の共作者は彼女の夫だった有名なアレンジャーでプロデューサーの故ジャック・ニッチェと(ディランの「ハリケーン」やスティーヴ・ウィンウッドとの仕事で有名な)(プロの作詞家)ウィル・ジェニングス。