Spinning Wheel

Words and Music by David Clayton-Thomas.
(1969年発表)



(原題直訳 「糸車」) *1



From Blood, Sweat & Tears album, "Blood, Sweat & Tears".
名作アルバム度 ☆☆☆

「血と汗と涙」 (ブラッド・スウェット&ティアーズ)






歌詞は、次のURLから
http://www.houseoflyrics.com/sbf/artists/1634/song/6423




名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「スピニング・ホイール」 (ブラッド・スウェット&ティアーズ)







What goes up must come down
上ったものは、下りてくる
Spinnin' wheel got to go 'round
まわる車輪はぐるりとまわって来るものだ
Talkin' 'bout your troubles it's a cryin' sin
自分の悩み事や厄介事について話してるだけなんて
そいつは見過ごすことのできない罪悪だぜ
Ride a painted pony let the spinnin' wheel spin
絵で塗り描かれた木馬に乗って、
さあ、車輪をガンガンまわそうぜ




You got no money and you got no home
おまえには金もなくて、家もない
Spinnin' wheel all alone
空転する車輪は
まるっきりのひとりっきり
Talkin' 'bout your troubles and you never learn
自分の厄介事について話して、それで全然、学びもしない
Ride a painted pony let the spinnin' wheel turn
絵で塗り描かれた木馬に乗って、さあ、車輪をまわしてみるんだ




Did you find the directing sign
進路を示す標識は見つかったかい?
On the Straight and narrow highway
真っ直ぐだけど道幅が狭いハイウェーだぜ
Would you mind a reflecting sign
反射板できてる標識に気がついたかい?
Just let it shine within your mind
そいつをきみの心の中でもって光らせてみてごらん
And show you the colors that are real
そしたら、きみにも現実の色がわかるだろう




Someone is waiting just for you
誰かが、とにかくおまえのことを待ってるぜ
Spinnin' wheel, spinnin' true
回転する車輪は、真実をふりまいているんだ
Drop all your troubles by the riverside
面倒な問題は、全部、川岸に捨てちまえ
Catch a painted pony on the spinning wheel ride
回転する車輪に乗っかってる色のついた木馬に追いつくんだ
Ride a painted pony let the spinning wheel fly
色のついた木馬に乗っかって、さあ、回転する車輪を飛翔させるんだ







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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ほとんどスタンダード曲になっているようなこの有名な曲は「ブラス・ロック」と呼ばれた管楽器入りのロック・バンド*2、ブラッド・スウェット&ティアーズによるもの。いわゆるリズム&ブルースとはまた違ったより斬新で複雑なホーンの入ったロックを「ブラス・ロック」と呼んだが、「シカゴ」と並ぶ(その)ブラス・ロックの(もう一方の)雄がこのブラッド・スウェット&ティアーズというグループ。ブルース・プロジェクトのキーボードとヴォーカルだったアル・クーパーがメンバーのギタリスト、スティーヴ・カッツらとともにジャズとブルースとロックとフォークとクラシックと現代音楽(!)の融合を狙って結成したたいへんに野心的なグループだったが、アル・クーパー自身は散漫な印象が残るままのファースト・アルバム完成後に脱退・・・・この曲は、そのアル・クーパー後の第2作目の(彼らの最良の)アルバムからのもので(・・・以下略)こういう解説みたいなのはさ、誰でも書けるしぃ(どこでも読めるからねー)書いててもただつまらない労働って感じであんまり面白くないんだ。頭の中にはいちおうしっかりと入ってるつもりだしデータ類もそろってたりするんで、人と話していたり、ラジオを聞いてたり、雑誌で読んでたりしてると(けっこう皆さんイイ加減なこと言ってますよねって感じで)いちいちその間違いを訂正したりできるぐらいには、ウンザリするほど細かいことまで知ってはいるけれども、でも、そういう作業って向き不向きがあるみたいでね、あんまりヤル気にならないんだ。だけども、いずれは、ここでも、これまでも、そして、これからも紹介していく曲の基本的なデータというのを(やっぱり)きちんと整理して、くっつけていかないとなんないのかなあと思うと・・・・うぐぁッ、かなりの重労働、まあ、そういうの好きで得意な人がそのうち誰かやって(来て!)くれるでしょうと(アイ・キャン・オンリー願うだけ)。こちとらそれまでグルグルとこの車輪をまわしてるからさ*3(お馬さんの絵のついた椅子と机も用意すっからよお)のっかりぃー、しっかりぃー、スッタガー・リー!


歌のはじめのところだと、思わず「観覧車」のほうをイメージしちゃいますね。
なぁーんだメリーゴーランドかよ、となるわけですが、おれ、うーんと高いとこ想像しちゃう過激派だからさ。
しかし、運命を車輪のイメージで語るというのは人類の歴史的に太古からのものみたいだけど、この歌はけっこう実存主義的ですね、運命(を認めながらも)ただでは従わない、甘受しない、自分の行動で運命を切り拓くゾという姿勢がうかがえます。
おれなんかだと、福引のあの(ハンドル持って)ガランと一回転させるとポロっと赤とか白とか緑の玉が出てくるあの重たい16角形ぐらいの車状の箱を連想しますね。運命の輪というと。でも、スピニング・ウィールと英語で言われると(なぜか)赤と黒のあのルーレットの輪のほうをイメージしてしまう。玉が出てくるのと玉を放り込むのとの違いですね。垂直方向と水平方向の回転の違い。どちらも車輪の回転が停止したときに何かが決定する。かたや(あらかじめ決められた)玉の色、かたや玉が停止した車輪上の位置、しかもルーレットの場合はその位置の特性をべつのかたちで図式化して記述した車輪のさまざまな属性において範囲自由で予測し当てなければならない。うーん、福引はつまらんのう。ということで両者を融合すると重い車輪、すなわち回転式拳銃ことリヴォルバーに弾丸1発込めてやるあのラシアン・ルーレットになります。タマは出るのか? 回転が止まっても、ロシア人、ワカリマセンコフスキー、ご自分で引き金引きます、バキューーンか、カチャッか!? 出たらオワリ、出なきゃホェ〜〜、当たりがハズレで、ハズレが当たり!? 死にたいヤツの最後の運だめしってか、まあ、死にたいヤツならズルしてでも、出るまで撃とうワルプルギュスでしょうけれどもね。迷ってる人には最高の自殺法かもしれない。ためらい傷も残らないし・・・。名づけて「ヘッド・ショット」あるいは(こめかみとお寺を掛けて)「テンプル・ショット」なんてどうですかぁ〜? それとも可愛く「いない、いないバン!(銃声)」(だってさー、りぼるばあ、と平仮名で書くと、いないいないばあ、みたいだしぃって)。そういえば、流行の練炭にも回転式拳銃のレヴォルバー(回転式弾倉)みたいな孔がいくつもあいてるねえ。あそこに色とりどりのローソクを1本づつ差し込んで火をつけると(死にたい人には)ムードが出るかもしれないね。導火線ふうにローソクですよん、ダイナマイトじゃねーでっせ。
「舞台裏、弾丸一発、回転舞台」(読み方>ぶたいうら たまひとつこめ りぼるばあ)、これオレの川柳、どうよ。けっこうBQNやろ? バキュン!*4

なんだか今夜はブラックな夜だねえ。
でも、地球をはじめ、いろんなものがまわってる。


さて、ここで業務連絡です。
昨日の歌「シェイプ・アイム・イン」に(13日午後5時頃に)詳細な解題をつけましたので、まだの方はどうぞご覧下さ礼ッ。

*1:「spinning wheel」とは眉綿などから糸を取り出し、縒りあわせる器具のことで日本語では「糸車」とか「紡ぎ車」と呼ばれているようで、この歌でもそうした糸車(とりわけ、その車輪)が象徴的なかたちで歌われているのだが、ここでは(敢えて)それを「糸車」や「紡ぎ車」とはせずに「回転する輪」と訳してみた。

*2:編成は、サックス、トロンボーン、サックス、キーボード、ギター、ベース、ドラムス、ヴォーカルの7人編成の時期が最盛期

*3:1分間に33回転ぐらいで。33rpm. Revolution Per Minute ← これ、アルバム・タイトルにいいねえ。ゲッチョ!

*4:超短編戯曲(っつうか寸劇)幕が上がると同時に銃声が聞こえ、廻り舞台の上にソファに倒れる死体が現れる。となれば、芝居はその場で千秋楽となる。ジョン・ケージ作曲の「2分35秒」の演奏が終わるまで幕は下りない。しかし、もし俳優が現れれば、死の恐怖をすんでのところでかわした俳優の憑かれたような蒼ざめたモノローグがつづく・・・もしかして客前で、オイ、オマエ、撃つなッって、おい、欝なよ、欝な真似はヤメれッと演出家はじめスタッフが舞台上総出となり、混乱のうちに幕。おわり。