Tobacco Road

Words & Music by John D. Loudermilk.
(1964年発表)*1



(原題直訳 「タバコ・ロード」)*2



Performed originally by John D. Loudermilk.

You can listen to his album, "Sittin'in the Balcony".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

(ジョン・D・ラウダーミルク)


And his new version of the song on the album, "It's My Time".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

(ジョン・D・ラウダーミルク)


Also you can listen to The Nashville Teens album, "Tobacco Road".
名作アルバム度 ☆☆

ナッシュビルティーンズ)


And by many other groups and artists such like
Spooky Tooth album, "It's All About",
名作アルバム度 ☆☆

スプーキー・トゥース


Eric Burdon & The War album, "Eric Burdon Declares War".
名作アルバム度 ☆☆

(エリック・バードン&ウォー)



歌詞は、次のURLから
http://members.chello.nl/~k.vanderhoeven/JDL2.html


名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「タバコロード」 (ナッシュヴィルティーンズ)






I was born in a dump,
おれはシケた冴えない町の生まれ
Mamma died and daddy got drunk,
オフクロは死に、
オヤジは酒浸り
Left me here to die or grow
死のうが生きようがおかまいなしに
おれはここに置き去りにされた
In the middle of Tobacco Road.
タバコロードのど真ん中にだ
Wo wo wo
ウォー、ウォー




Grew up in a rusty shack,
古ぼけたあばら家で育ち
All I owned was hangin' on my back.
持ち物は背中に背負ったもので全部
Only you know how I loathe
This place called Tobacco Road,
おまえだけが、このおれが
どんなにかタバコロードってところを毛嫌いしているかを
知っている





But it's home.
だけど、ここが故郷なんだ
The only life I've ever known
おれはここの暮らししか知らないんだ
Only you know how I loathe
Tobacco Road
ただ、おまえだけが、このおれが
どんなにかこのタバコロードを毛嫌いしているかを
知っている




Gonna leave get a job
出て行くんだ
仕事を見つけよう
With the help and the grace from above
天の助けとお恵みで
Save my money get rich I know,
金を貯めて、金持ちになるんだ、
そうさ、おれはそれを
Bring it back to Tobacco Road.
このタバコロードに持ち帰るんだ
Wo wo wo
ウォー、ウォー




Bring dynamite and a crane,
ダイナマイトとクレーンを持ち込んで
Blow it up, start all over again.
ここを吹っ飛ばしてやる、
すべて イチからやりなおすんだ
Build a town, be proud to show,
町を築き、誇らしげに見せつけてやる
Give the name Tobacco Road
タバコロードって名前をつけてな




But it's home.
だけど、
ここはおれの故郷なんだ
The only life I've ever known
おれが知ってるのは
唯一ここの暮らししかない
I despise you 'cos you're filthy,
おれは
汚らしいおまえなんか、見下してるんだ
But I love you 'cos you're home.
だけど、おれはおまえを愛している
おまえは故郷なんだからな






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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タバコ・ロード」というとE・コードウェルの小説「タバコ・ロード」や(それを映画化した)ジョン・フォードの映画「タバコ・ロード」を思い浮かべる人もいるだろうが、この歌はそのどちらとも関係ない。タバコロードの貧しい暮らしというそのモチーフだけが共通している。


この歌もまた(音楽のプロフェッショナルである)J・D・ラウダーミルクによるフィクションであって、けっして彼の自伝的なものではないのは、上記の歌詞から察しがつくにちがいない。


しかし、タバコロードは実在の土地とのことで、彼の生まれ故郷であるノース・カロライナ州のイースト・ダーハムというところにあるそうで、1934年生まれの彼の少年時代には、夜は警官も足を踏み入れたがらないような、そういう周囲とは隔絶したヤバいエリアであったようだ。


アメリカの街には(さすが開拓者の国だけあって)「なんとか・ヴィル」とか「なんとか・タウン」とか(けっして封建領主の名前などではなく)その土地を拓き、街を築いた人の名前をつけたところが無数にあるが、この歌の主人公も、母親に死なれ、父親に捨てられ、ドン底で育った(ことがうかがわれる)身ながらも、ルサンチマンに押し潰されそうになりながら、ふと思いついたようにそうした夢を見る・・・。
町を出て、よその土地で働き、金を貯め込み、裕福になって町に戻り、ダイナマイトとブルトーザーで故郷の町を吹き飛ばし、自らの手で再開発を成し遂げる。
そして、その町を「タバコロード」と名づけ、誇らしい気分になる・・・・。

その夢のくだりがこの歌のハイライトだが、それはあくまでも夢のままで(志とはならず!)、歌の基調は隠しようのない悲嘆とルサンチマンを示すかのようにブルースとなっている。



上記のクレジット以外にも、この「タバコ・ロード」は、いろんなグループやアーチストのものがあるが*3、やはり作者であるカントリーのベテラン=シンガー・ソングライターのジョン・D・ラウダーミルクのオリジナルのカッコよさに比べると、どうしても見劣り(いや聴き劣り)がしてしまう。
このラウダーミルクの作品には、他にもエディ・コクランの「Sittin' In The Balchony」、エヴァリー・ブラザーズの「Ebony Eyes」、マリアンヌ・フェイスフル「This Little Bird」、ポール・リビア&レイダーズ「Indian Reservation」など名作と言われるヒット曲がかなりある。このジョン・D・ラウダーミルク(いい名前だ!)、頭に入れておいてください。

*1:ラウダーミルクのオリジナルは1960年発表。1964年はナッシュヴィルティーンズのシングル発表。

*2:おそらく煙草の輸送路であったことからきた道路の名前なのだろう。

*3:ルー・ロウルズ、ジェファーソン・エアプレーン、ステータス・クォー、日本のクリエーションも・・・あのマイケル・ジャクソンがジャクソン・ファイヴでデビューするまえにモータウンのオーディションでこの「タバコ・ロード」を歌っているビデオがあるんだそうだ