Me And Bobby McGee




Words & Music by Kris Kristofferson and Fred Foster.
(1970年発表)



(原題直訳 「おれとボビー・マッギー」)




From his first album, "Kristofferson".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

クリス・クリストファーソン

And his live album, "Live at the Philharmonic ". 
名作アルバム度 ☆☆☆

クリス・クリストファーソン


Also popular by Janis Joplin album, "Pearl".
名作アルバム度 ☆☆☆

「パール」 (ジャニス・ジョプリン


And here's her accorstic version by her album, "18 Essential Songs".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

「18の祈り〜ベスト・オヴ・ジャニス」 (ジャニス・ジョプリン




歌詞は、次のURLから
http://www.coquet-shack.com/lyrics/Kristofferson/Me_and_Bobby_McGee_0210.htm



名曲度 ☆☆☆☆☆



邦題 「ミー・アンド・ボビー・マギー」 (クリス・クリストファーソン






Busted flat in Baton Rouge, headin' for the train,
ベートン・ルージュ*1で無一文になって
旅に出た
Feelin' nearly faded as my jeans.
ジーンズ同様、気持ちは色褪せ、よれよれだった
Bobby thumbed a diesel down, just before it rained;
ボビーのヤツが親指立てて、ディーゼル車を止めてくれた
ちょうど雨が降り出す寸前だった
Took us all the way to New Orleans.
それに乗せてもらって
遠路ニューオーリンズ
I took my harp out of my dirty red bandanna,
おれは薄汚い赤いバンダナからハーモニカを取り出して
And was blowing sad while Bobby sang the blues.
ボビーが歌うブルースに合わせて
悲しい音で吹いたんだ
With them windshield wipers slappin' time,
ワイパーがフロントガラスで拍子を刻み
And Bobby clappin' hands,
ボビーのヤツも手拍子を打った
We finally sang up every song that driver knew.
結局、おれたちはそのドライバーが知ってる曲は
どの曲も全部歌ってやった




Freedom's just another word for nothing' left to lose:
自由って言うのは、何も失うものが残ってない身をいう
そんな言葉のひとつなのさ
Nothin', ain't worth nothin' but it's free.
何にもない、価値のあるものは何にもない
でも、それが自由なのさ
Feeling good was easy, Lord, when Bobby sang the blues.
ボビーがブルースを歌えば、主よ、すぐにいい気分になれてしまう
Feeling good was good enough for me;
気分がよけりゃ、おれはそれでけっこうなんだ
Good enough for me and Bobby McGee.
おれとボビー・マッギーにとってはご機嫌さ




From the coal mines of Kentucky to the California sun,
ケンタッキーの炭鉱からカリフォルニアの太陽まで
Bobby shared the secrets of my soul.
ボビーのヤツがおれの魂の秘密を分かち合ってくれた
Standin' right beside me, Lord, through everything I've done,
すごく親身になって、主よ、おれのしてきたことのすべてを聞いてくれた
Every night she kept me from the cold.
夜ごと、彼女がおれのことを暖かくしてくれた
Then somewhere near Salinas, Lord, I let her slip away,
それから、どこかサリナス*2の近くで、
神様、おれは彼女を行かせてしまった
Lookin' for the home I hope she'll find.
実家を探すのだというが、
うまく見つけてくれることをおれは願ってる
And I'd trade all my tomorrows for a single yesterday,
だけど、おれはすべてのおれの明日を、
ただ昨日という一日と取り替えてもいいと思ってる
Holdin' Bobby's body next to mine.
おれのすぐかたわらにボビーのヤツを取り戻すなら




Freedom's just another word for nothing' left to lose:
自由っていうのは
失うものが何も残ってないことをいう言葉のひとつに過ぎない
Nothin' left is all she left for me.
彼女がおれに残していったのは
何にも残ってない状態、ただそれだけだ
Feeling good was easy, Lord, when Bobby sang the blues.
ボビーがブルースを歌えば、主よ、簡単ににいい気分になってしまう
Buddy, that was good enough for me;
ボビー、あれはおれには実にすばらしかった
Good enough for me and Bobby McGee.
おれとボビー・マッギーにとってはご機嫌だった




La da da la la na na na
♪ ラララ、ラララ、ラダダダダ
La da da na na.
ラダダダダダ
La la la da, Me and Bobby McGee.
ラダダ、おれとボビー・マッギー
La la la la la da da da
ラダダ、ラダダ、ラダダ
La la la da da.
ラダダダダ・・・・・
La la la da, Me and Bobby McGee.
ララララララ
おれとボビー・マッギー・・・






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮





この曲の生みの親であるクリス・クリストファーソンのトラックを聴くと、思いのほかそのテンポがスローであることに驚きを覚える。勿論、カントリー・フレーヴァーたっぷりに歌うその味もわからないわけではないが、世間一般に知られている「ミー・アンド・ボビー・マギー」は、明らかに大ヒットしたジャニス・ジョプリンのテンポだったのだ。彼女のラスト・アルバムとなった「パール」に収められて、チャートのナンバー・ワンとなった正規のバージョンの他にも、ジャニスの死後はるかたってから編まれた「18の祈り〜ベスト・オヴ・ジャニス」というコンピレーション・アルバムでは、生ギター1本で歌う彼女の弾き語りのレアなヴァージョンを聴くことができる。
作者のクリストファーソンも、1992年のライブ・アルバム「Live at the Philharmonic」ではジャニスのテンポで歌っている。
彼の聴衆にとってもこの歌「ミー・アンド・ボビー・マギー」はジャニスのテンポで刷り込まれていたのだろう。その意味ではジャニス・ジョプリンは、この歌の育ての親というべきだろう。*3




Freedom's just another word for nothin' left to lose.
自由って言うのは、何も失うものが残ってない身をいう
そんな言葉のひとつなのね



と歌っているが、自由とは自由が利かない状態もまた自由なのだと自由な魂なら知っているだろうが、この歌で歌われている自由は、その境遇ならではのいささか皮相な「自由」であることは、それが「just another word」(そんな言葉のひとつに過ぎない)というフレーズに聴きとることができるだろう。
「フン、こういうのを自由っていうんかいな、なるほどな」ってなとこだろうか。


生きていくにつれて問題になってくることのひとつに、(自分の)ブルースとどう付き合うかというのがある。
どっぷり浸かりすぎると、それは自己憐憫になってしまう。
かといってブルースのわからないヤツのロックンロールは弱々しくってダサくって。

*1:アメリカ、ルイジアナ州の州都

*2:カリフォルニア州西部の町

*3:ジャニスはこの歌を逐語的にそのまま歌っているわけではないが、彼女の頭に残ったこの歌をなぞるようにしてそれほど意味が変わらないかたちでいくつかの語を歌い換えている。面倒なのでいまはいちいち拾いませんが。